著者
生田 剛一 合澤 直喜 高松 冴有 猪又 憲治 鹿毛 裕史 鷲見 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.31-35, 2010-04-15

広域侵入監視センサーとして漏洩同軸ケーブルを用いた侵入者検知アルゴリズムを検討した。このセンサーは監視エリアの周囲に設置した漏洩同軸ケーブルを用いて,ターゲットの移動に伴う変動電界を捉え侵入検知を行うものである。また,侵入者の有無のみならず侵入位置を測定することも可能である。しかし,電界変動により侵入者を検知するため、電界変動の強度変化のみでは、雨風などの現象によっても、侵入者と誤検知する類似パターンが出現する。このため、実用的な性能を得るためには、より詳細な特徴量を用い識別を行う必要がある。本研究では、人特有の電界変動パターン特徴に加え、誤検知の主要因である雨風により起こる電界変動パターンの特徴を捉えて識別を行うことにより高い検知率を達成することができた。本発表では、この識別アルゴリズムを紹介するとともに、実機によって得られた実際の計測結果データを用いて行ったアルゴリズム性能評価の結果を示す。
著者
小林 貴訓 杉村 大輔 平澤 宏祐 鈴木 直彦 鹿毛 裕史 佐藤 洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2049-2059, 2007-08-01
被引用文献数
16

視野を共有する複数のカメラを用いて,三次元空間における人物の実時間追跡を行う.従来より,パーティクルフィルタを用いた人物追跡手法の有効性が報告されている.しかし,観測による仮説の評価は,カラーヒストグラムや輪郭の類似性など,比較的単純な指標が用いられることが多く,実環境での照明変動や複雑背景に対する精度や頑健さなどの点で,必ずしも十分なものではなかった.これに対して本論文では,Haar-like特徴を用いたAdaBoost学習によるカスケード型識別器を仮説の評価に応用することで,頑健かつ高精度に人物頭部を追跡する手法を提案する.更に,人物頭部の各方向に対応した識別器を複数準備し,パーティクルフィルタにより生成される仮説と各カメラの関係に基づいて,識別器を適応的に選択することで,人物頭部の向きに伴う見えの変動に対応し,追跡と同時に人物頭部の向きを推定する.実環境における実験により本手法の頑健性,有効性を確認した.