著者
杉村 大輔 木谷 クリス真実 岡部 孝弘 佐藤 洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.8, pp.1512-1522, 2010-08-01
被引用文献数
1

本論文では,特徴点軌跡のクラスタリングに基づいた人物追跡手法を提案する.混雑環境下において頑健に個々の人物を区別するために,本手法では歩容特徴と局所的な見えの時間変動の一貫性という二つの指標を追跡の枠組みへ導入する.周波数領域における歩容特徴は,生体認証の分野において頻繁に利用されている指標であり,個人を識別するための重要な手掛りであることが知られている.また,局所領域における見えの時間的な変化は,人物の動きが周りと類似する傾向のある混雑環境下において個々の人物を区別するための効果的な指標となる.このような動きと見えの異なる種類の指標を利用することにより,混雑環境下においても安定な追跡を実現することが可能となる.実環境における実験により本手法の有効性を確認した.
著者
小林 貴訓 杉村 大輔 平澤 宏祐 鈴木 直彦 鹿毛 裕史 佐藤 洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2049-2059, 2007-08-01
被引用文献数
16

視野を共有する複数のカメラを用いて,三次元空間における人物の実時間追跡を行う.従来より,パーティクルフィルタを用いた人物追跡手法の有効性が報告されている.しかし,観測による仮説の評価は,カラーヒストグラムや輪郭の類似性など,比較的単純な指標が用いられることが多く,実環境での照明変動や複雑背景に対する精度や頑健さなどの点で,必ずしも十分なものではなかった.これに対して本論文では,Haar-like特徴を用いたAdaBoost学習によるカスケード型識別器を仮説の評価に応用することで,頑健かつ高精度に人物頭部を追跡する手法を提案する.更に,人物頭部の各方向に対応した識別器を複数準備し,パーティクルフィルタにより生成される仮説と各カメラの関係に基づいて,識別器を適応的に選択することで,人物頭部の向きに伴う見えの変動に対応し,追跡と同時に人物頭部の向きを推定する.実環境における実験により本手法の頑健性,有効性を確認した.
著者
杉村 大輔 小林 貴訓 佐藤洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.115, pp.171-178, 2006-11-10
被引用文献数
2

パーティクルフィルタを用いた人物追跡技術は,これまでに様々な手法が提案され その有用性が報告されている.一方で,追跡の安定化に有効な 画像以外の手がかりとして,環境属性情報がある.環境属性情報とは,対象シーン内の人物の存在可能性を意味し,これを追跡に利用することで人物が存在しにくい箇所への仮説の生成を抑制することができる. したがって環境属性情報は 効率的な仮説の生成に役立つと考えられる.この指標には,障害物の配置などの物理的な制約に依るもの,人物の行動履歴に依るものがある.本研究で提案する手法では,特に後者に焦点を当て,環境属性情報の獲得と追跡の枠組みへの統合を行う.具体的には,環境属性情報を混合正規分布で表現し,オンラインEMアルゴリズムにより人物行動履歴を逐次的に学習することで獲得する.さらに,ICONDENSATION の考えに基づき,追跡の枠組みに統合する. 実環境における実験により 本手法の有効性を確認した.Various tracking techniques based on particle filters have been proposed. To enhance the robustness of tracking, it is very significant to consider environmental attributes which represent an existing probability of people in a scene. They can be used for an effective hypothesis generation by considering the area where people are likely to exist. The environmental attributes can be considered in two aspects: the one is based on the physical configuration of objects in a scene and the other is based on the history of people activities. In this paper, we establish the history based environmental attributes that are updated by people tracking result everyframe using the online EM algorithm. Furthermore, we incorporate them into our tracking algorithm by using the ICONDENSATION framework. Our experimental results demonstrate the effectiveness of our method.