著者
小沢 朝江 波多野 純 黒津 高行 須田 英一 野口 健治 石丸 悠介
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.159-170, 2007 (Released:2018-01-31)

本研究は,南関東・東海・中部地方の土蔵造町家の普及実態を明らかにするとともに,その特徴の差異や導入背景の検討により,土蔵造町家の平面・意匠と導入形態の関連を明らかにすることを目的とする。土蔵造町家は,従来「江戸型」とも呼ばれ,江戸(東京)から各地に伝播したとされるが,近代には松本(長野)等で都市防火政策による計画的な土蔵造の導入が行われる一方,下田(静岡)のように在来の町家等を母体に地元独自の工夫によって,独特の土蔵造町家が生み出された。また,江戸(東京)からの影響で普及する場合も,その導入時期により手本とすべき江戸(東京)での形式が異なるため,結果として土蔵造町家の形式に差異が生じた。