著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.222-224, 1962
被引用文献数
2

この鳥は1962年7月29日,名古屋市鶴舞公園附近の道路で生きて拾われ,東山動物園に寄贈されたが,餌を摂らず10日ほどで死亡した。この報告は標本と共に同動物園の安藤洋一氏から山階研の高野伸二氏宛送にられて来たもので,12月21日筆者に同定を依頼され,<i>Pterodroma externa cervicalis</i>(Salvin)(Kermadec島産)なることが判明した。和名は大型であることから高野氏提案のオオシロハラミヅナギドリと命名した。<br>本種は頭頂黒く,白頸輪で背の灰色と分離することが特徴で,英名をWhite-necked(Gadfly)Petrelと呼び,この点で一見大西洋の<i>P.hasitata</i>(Black-capped Petrel)に似るが上尾筒が白くない点でこの種と区別容易である。基亜種はチリ沿岸産である。北半球従って日本からは初記録である。この鳥が得られたのは台風7号が名古屋地方を27~28にかけ通過した翌日であったという。
著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.12-27, 1993-03-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
10
被引用文献数
5

1992年7月8日沖縄島東村北部新川ダムサイトで犬の咬傷で死亡し,同村教育委員会で冷凍保存され,その後我孫子市鳥の博物館に送られたヤンバルクイナ雄幼鳥についてその形態測定と解剖を行った。この標本と1992年11月石垣市ダム下流道路で拾われたオオクイナ,筆者所有の断片的記録資科(クイナ,ヒクイナ,ツルクイナ,ムナジロクイナ,バン,タスマニアバン(無飛力),オオバン)を用い,外形態の翼開型や剥皮体の各部測定(黒田1961),胸骨,腰骨,胸筋量,脚節量,臓器重量などを調べた。ヤンバルクイナは胸骨,胸筋が縮小し,無飛力化が進んでおり,脚筋は発達し,胸筋の約4倍の量があった。上膊骨は短細化し,大腿骨は太く上膊骨より長かった。脚も長く地上走行から樹上塒への登攀にも十分適応を示していた.
著者
黒田 長久 米田 重玄
出版者
山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.p177-333, 1983-12
被引用文献数
1