著者
浦田 耕二 福井 美佳 藤井 寛子 鈴木 優 酒井 哲也 齋藤 佳美 市村 由美 佐々木 寛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.36, pp.23-29, 2004-03-26
被引用文献数
6

ユーザからの質問に対し、映像・音声・取扱説明(テキスト)などで構成される表現力豊かなマルチモーダルコンテンツの検索技術、および、質問内容を理解しユーザが必要としている情報に対して的確に回答する質問応答技術を融合することにより、より分かりやすい情報提供を実現した質問応答型マルチモーダルヘルプを開発した。このシステムを用いて、オーブンレンジ、デジタルカメラの取扱説明書データ(テキスト160ページ、映像108分)を登録し、質問データ123件による実験を行い、次のような知見が得られた。(1)質問応答技術により取扱説明情報の探索作業が軽減される見込みを得た。(2)映像、音声、取扱説明書の該当ページの表示を併用することにより,取扱説明に関するわかりやすさが向上すること確認した。映像収集、編集について、作業の軽減と質の向上を支援する必要がある。We have developed a user-friendly help system by integrating multimodal content retrieval technology and question answering technology. Multimodal content retrieval enables the user to access contents with a rich power of expression such as those comprising video, speech and textual instructions, while question answering enables pinpoint access to the required information. We conducted a preliminary experiment using the manuals of a microwave oven and a digital camera (160 pages of text and 108 minutes of video) as the knowledge source, with 123 questions. Our findings are: (1) Question answering technology enables efficient access to the desired instructions; and (2) Responses in video/audio accompanied by presentation of a relevant manual page helps the user understand the instructions better. However, we need a mechanism for facilitating gathering/editing of video contents and for improving their quality.
著者
國分 智晴 酒井 哲也 齋藤 佳美 筒井 秀樹 真鍋 俊彦 藤井 寛子 小山 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.203, pp.47-54, 2005-07-15

近年, 質問応答システムに関する研究が盛んに行われているが, システムの回答精度と, どれぐらいのユーザが満足するかとの関係が明確になっていなかった.そこで, 質問応答の利用シーンとしてデスクトップ型およびモバイル型の2種類を想定し, シーン別に正解順位に対する満足の度合いを評価するアンケートを行った.この結果, 回答候補を一括提示するデスクトップ型におけるユーザ満足率は質問応答の一般的な評価尺度である逆数順位と似た曲線となるが, 回答候補をひとつずつ提示するモバイル型におけるそれは順位とほぼ比例することが分かった.このため, ユーザ満足率の観点からシステムの目標精度を設定するには, 平均逆数順位ではなく正解順位の分布を決定することが望ましいことを示す.