著者
岡村 光善 斎藤 光男 西田 委甲子 福井 美佳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.269-270, 1990-09-04

コンピュータの進歩に伴い、その取扱うデータが数値から文字,図形,画像などその範囲が広がっている。またその利用者も専門家の手を離れ、一般に広がってきている。そうした流れの中で、マンマシン・インタフェースが益々重要な役割を果たすようになってきており、その中でも人間の視覚に訴えるコンピュータグラフィクス分野の発展は目覚ましい。しかし3次元図形の写実的な表示には、画素単位の多大な計算を必要とするため、実時間での応答は非常に難しく専用のワークステーションで実現されているのが現状である。このボトルネックを解消し、より広い分野での利用を可能とするため、グラフィクス処理専用のLSI(HSP:High-speed Shading Processor)を開発してきた。今回、パーソナルコンピュータ上で実用的な3次元グラフィクス処理を実現するために、HSPを使用したグラフィクスボードと基本的なソフトウェアを開発したので、その概要について述べる。
著者
芝崎 靖代 福井 美佳 竹林 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.17-18, 1995-09-20
被引用文献数
1

電子メール、Net-News、電子掲示板(chat)など、ネットワークを介した言語情報によるコミュニケーションが活発になってきた。言語情報には情報の蓄積、加工、編集などの利点があるが、電話やface-to-faceの対話と異なり実時間やインタラクティヴ性に乏しく、音声のイントネーションや表情などを通じて相手の感情を推察できないという問題がある。感情に関する研究は心理学や認知科学の分野で行われているが、実システムの構築例は少ない。従来の研究には、物語の記述から登場人物の感情を認識する試みや、計算機との音声対話における非言語音声からユーザの感情を抽出する試みがあるが、キーボードを介した自然言語情報による対話からのユーザ感情の抽出はなされていない。本稿では、まず、chatにおけるキーボード対話の例を収集し感情表現を解析した結果について述べる。次に、解析結果から特定した感情を用いて構築したシステムについて述べる。
著者
浦田 耕二 福井 美佳 藤井 寛子 鈴木 優 酒井 哲也 齋藤 佳美 市村 由美 佐々木 寛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.36, pp.23-29, 2004-03-26
被引用文献数
6

ユーザからの質問に対し、映像・音声・取扱説明(テキスト)などで構成される表現力豊かなマルチモーダルコンテンツの検索技術、および、質問内容を理解しユーザが必要としている情報に対して的確に回答する質問応答技術を融合することにより、より分かりやすい情報提供を実現した質問応答型マルチモーダルヘルプを開発した。このシステムを用いて、オーブンレンジ、デジタルカメラの取扱説明書データ(テキスト160ページ、映像108分)を登録し、質問データ123件による実験を行い、次のような知見が得られた。(1)質問応答技術により取扱説明情報の探索作業が軽減される見込みを得た。(2)映像、音声、取扱説明書の該当ページの表示を併用することにより,取扱説明に関するわかりやすさが向上すること確認した。映像収集、編集について、作業の軽減と質の向上を支援する必要がある。We have developed a user-friendly help system by integrating multimodal content retrieval technology and question answering technology. Multimodal content retrieval enables the user to access contents with a rich power of expression such as those comprising video, speech and textual instructions, while question answering enables pinpoint access to the required information. We conducted a preliminary experiment using the manuals of a microwave oven and a digital camera (160 pages of text and 108 minutes of video) as the knowledge source, with 123 questions. Our findings are: (1) Question answering technology enables efficient access to the desired instructions; and (2) Responses in video/audio accompanied by presentation of a relevant manual page helps the user understand the instructions better. However, we need a mechanism for facilitating gathering/editing of video contents and for improving their quality.
著者
土井 美和子 福井 美佳 山口 浩司 竹林 洋一 岩井 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.2042-2052, 1993-09-25
被引用文献数
9

文書の構造化作業の負担を軽減することを目的に,文書構造の抽出技術を開発した.技術文書では全国大会の予稿集12,000件,ビジネス文書では例文集,社内事務文書約500件を調査し,構造抽出規則を導き出した.開発した文書構造抽出技術は,技術文書であれば,章,節などの階層構造と,図表への参照構造を抽出する.ビジネス文書であれば,手紙文,記事文などの階層構造を抽出する.技術文書とビジネス文書の区別も文字列の解析により行う.誤り率は,規則化に用いたのと別の予稿集や社内文書で評価した結果,技術文書で10.0%,ビジネス文書で23.0%であった.また,参照構造の抽出誤り率は8%であった.文章中に埋め込まれた式や図表などを扱えるように改良を行った後のフィールドテスとでは,技術文書で5.4%,ビジネス文書で15.4%であった.また手作業よりかなり短い時間で構造化を行えることも事例により確認した.開発した文書構造抽出技術はレイアウト属性と結合することにより自動レイアウトシステムとして商品化した.本抽出技術はレイアウト以外にも,既存文書のハイパテキスト化などに今後非常に有効である.