著者
呉 修一 Bambang WINARTA 武田 百合子 有働 恵子 梅田 信 真野 明 田中 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_183-I_190, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
20

2006年5月,インドネシア・シドアルジョ市で泥火山が噴出した.噴出に伴い,2011年6月の時点で6.5km2の範囲が泥水で覆われ,高速道路や鉄道が影響を受け,3万人以上の近隣住民の生活に影響が及んだ.堆積・貯蔵限界を超えた泥水は,隣接するポロン川へ導水路を通じて排出されている.噴出した泥には硫黄などの有毒成分が含まれるため,河川・海洋の環境汚染および汚泥の堆積による河川の洪水疎通能力の低下が懸念されている.本論文は,ポロン川における汚泥の堆積・流出状況を評価するため,河川横断面データを収集し河床形状の時間的な変化を解析した.解析結果により,ポロン川への汚泥の流入に伴い,乾期に汚泥の堆積が顕著に進むが雨期には流出し, その堆積量は年々減少していることが明らかとなった.