著者
梅田 信 古里 栄一 浅枝 隆
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.269-281, 2006-12-15 (Released:2008-06-27)
参考文献数
46
被引用文献数
7

富栄養化した貯水池における藍藻類の現存量と成層強度との関係について検討を行った。いくつかのダム貯水池において,成層強度の指標である浮力周波数がO (10-4) からO (10-3) (s-2) を下回る弱い成層状態において藍藻類の現存量が少なく,曝気循環施設が導入されているダムにおいては浮力周波数の低下と藍藻類の減少が生じていた。ダム貯水池ごとの限界浮力周波数に大きな差はみられなかった。浮力周波数は,曝気循環対策の計画設計および管理運用の合理化において有効であることが示唆された。
著者
呉 修一 Bambang WINARTA 武田 百合子 有働 恵子 梅田 信 真野 明 田中 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_183-I_190, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
20

2006年5月,インドネシア・シドアルジョ市で泥火山が噴出した.噴出に伴い,2011年6月の時点で6.5km2の範囲が泥水で覆われ,高速道路や鉄道が影響を受け,3万人以上の近隣住民の生活に影響が及んだ.堆積・貯蔵限界を超えた泥水は,隣接するポロン川へ導水路を通じて排出されている.噴出した泥には硫黄などの有毒成分が含まれるため,河川・海洋の環境汚染および汚泥の堆積による河川の洪水疎通能力の低下が懸念されている.本論文は,ポロン川における汚泥の堆積・流出状況を評価するため,河川横断面データを収集し河床形状の時間的な変化を解析した.解析結果により,ポロン川への汚泥の流入に伴い,乾期に汚泥の堆積が顕著に進むが雨期には流出し, その堆積量は年々減少していることが明らかとなった.
著者
入江 光輝 柏木 健一 梅田 信 韓 畯奎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

乾燥地の貯水池は集水域の植生被服率が低いため土砂流入が多く、堆砂が進みやすい。対策として浚渫は有効だが、特に発展途上国では経済的理由で行われず利用可能な水資源量が減少している。そこで、チュニジアの貯水池で堆砂に関わる詳細な調査を行い、同時に堆砂を有効利用して得る収益によって浚渫事業を促進する可能性を検討した。土壌改良、機能性食品、レンガ原料といった用途での利用可能性を検証し、浚渫を含めた事業費負担の試算を行った。