著者
大髙 智博 市川 剛 安藤 裕輔 髙栁 文貴 大坪 勇人 福島 啓太郎 今高 城治 吉原 重美 Tomohiro Otaka Go Ichikawa Yusuke Ando Fumitaka Takayanagi Yuto Otubo Keitaro Fukushima George Imataka Shigemi Yoshihara
出版者
獨協医学会
雑誌
Dokkyo Journal of Medical Sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.49-54, 2020-07-25

2019年12月以降,中国湖北省武漢より広まった新型コロナウイルス(severe acute respiratorysyndrome coronavirus 2;SARS-CoV-2)による感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)の流行により,2020年5月末時点で全世界で33万人を超える死者が報告された.致死率は高齢者や基礎疾患を有する患者に高く,現時点で有効な治療法は確立していない.また急務とされるワクチンの開発も実現していない.人々は集団感染を予防するため世界の各都市で都市封鎖や自粛生活を余儀なくされた.更なる感染拡大の防止に向けて,成人のCOVID-19においては既存の治療薬を応用した対症療法の確立が試みられている.しかし小児の治療法に関する報告は少ない.本稿では小児のCOVID-19の治療になりえる薬剤や投与方法について国内外の知見を参考に,当院小児科における治療方針(案)を定めた.