著者
平井 友樹 三木 光範 伊藤 稔 中村 誠司 Tomoki Hirai Mitsunori Miki Minoru Ito Masashi Nakamura
出版者
同志社大学ハリス理化学研究所
雑誌
同志社大学ハリス理化学研究報告 = The Harris science review of Doshisha University (ISSN:21895937)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.8-13, 2019-04

近年,オフィスでの執務におけるストレスや疲労が問題となっており,オフィス環境の改善に注目が集まっている.中でも,照明環境に注目した研究では,照明の明るさ(照度)とストレスに関する研究が行われているが,心電図を用いた研究は少ない.心電図はウェアラブル端末を用いることで容易に取得でき,執務の妨げになることなくストレスの測定が可能である.一方で,人によって好みの照度が異なるということが分かっている.本稿では,照明の照度の違いが,心拍変動に与える影響について検証した.また,アンケートによって快適性が最も高い照度を明らかにし,快適性が最も高い照度とその他の照度でのストレスと作業効率を検証した. 検証の結果,作業時のストレスが小さい照度は人によって異なると明らかになった.また,快適性が高い照度の時には,その他の照度に比べてストレスが小さいと明らかになったが,作業効率に関しては差が見られなかった.したがって,快適と感じる照度にすることで作業によるストレスを小さくし,その他の照度と同等の作業効率で作業できるということがわかった.
著者
福原 理宏 三木 光範 横内 久猛 廣安 知之 Michihiro Fukuhara Mitsunori Miki Hisatake Yokouchi Tomoyuki Hiroyasu
出版者
同志社大学理工学研究所
雑誌
同志社大学理工学研究報告 = The Science and Engineering Review of Doshisha University (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.185-190, 2013-01-31

本稿では、ストループテストによって生じる認知的葛藤が脳血流に及ぼす影響を、fNIRSを用いた多点計測によって検討を行なった.ストループテストでは、言語処理に関わるブローカ野を含んだ左半球下前頭回付近の脳活動が活性化するとされている.そのことから、この部位における脳血流変化の計測は多数行われている.しかし,fNIRSを用いた他の部位を含めた検討や、反応時間と脳血流の関連については十分に検討されていない.そこで本稿では、多点計測可能なfNIRS装置を用いて前頭部と側頭部におけるストループテスト時の脳血流変化の計測を行った.その結果、不一致課題時における脳血流変化は、一致課題時と比較して脳全体で大きく活性化することが分かった.また不一致課題時に、反応時間が速いほど脳血流変化が大きいことが分かった.