著者
西村 亜希子 成田 美代 水谷 令子 Akiko NISHIMURA Miyo NARITA Reiko MIZUTANI
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
no.14, pp.29-36, 1994-02-01

ビタミンEは食品中に広く分布しているが,調理中に酸化をうけて含有量に変化が起こることが知られている。これらの変化に関する報告の大部分は食用油中のビタミンEについてであり,その他の食品中のビタミンEの変化についての報告は少ない。特に豆類は組織が堅いため加熱時間が長いので,ビタミンE量の変化は大きいと考えられる。大豆,黒大豆,小豆中のビタミンE含有量が加熱によってどのように変化するかを高速液体クロマトグラフィー法によって定量したところ,大豆では生の49%,黒大豆では15%,小豆は27%まで減少した。また大豆に食塩や重曹を添加して加熱した場合,あるいは黒大豆に鉄ミョウバンを添加した場合は,いずれも無添加にくらべて高い残存率を示し,これらの添加はビタミンB含有量の減少を抑制した。