- 著者
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Mostafizur RAHMAN
仲座 栄三
稲垣 賢人
田中 聡
Carolyn SCHAAB
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
- 巻号頁・発行日
- vol.72, no.1, pp.62-70, 2016 (Released:2016-10-20)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
2
宮城県の貞山運河が東日本大震災の際の巨大津波に対して幾分かの津波減勢作用を見せたことは,当時の被災時のビデオ解析や災害後の被害調査結果などから明らかにされている.いま貞山運河はその地域の復興のシンボルとして,その保全や新たな防災活用が注目されている.本研究は,水理実験により,運河の持つ津波防災効果を解明することを目的としている.運河の津波減勢作用は,直立護岸の場合と比較され,浸水深の低減,津波到達時間の遅延,流速の減勢,比エネルギーの低減に関して,護岸の持つ減勢作用と同程度かそれ以上の効果を持つことが示されている.MPS法の妥当性を実験値との比較で示し,その応用として運河の両岸に盛土部を設置した場合の効果が議論されている.