著者
當山 冨士子 高原 美鈴 大城 真理子 田場 真由美 蟻塚 亮二 仲本 晴男 大宜見 恵 Toyama Fujiko Takahara Misuzu Oshiro Mariko Taba Mayumi Arizuka Ryouji Nakamoto Haruo Ogimi Megumi 沖縄県立看護大学 琉球大学保健学研究科 沖縄共同病院 沖縄県立総合精神保健福祉センター 今帰仁村役場 Okinawa Prefectural College of Nursing University of the Ryukyus Graduate School Okinawa Kyoudou Hospital Okinawa Prefectural General Mental Health Center Nakijin Town Office
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-12, 2013-03

【目的】戦闘が行われた沖縄本島とその周辺離島村を含む町村に在住する沖縄戦体験者の精神保健、特に戦争トラウマの現状について把握する。【方法】〈研究デザイン〉量的研究。〈調査期間〉平成24年4月~同年7月。〈対象〉戦闘が行われた沖縄本島の4町村(南部1、中部1、北部2)および沖縄本島周辺離島の2村(南部1、北部1)を含む6町村在住者で、当該町村の介護予防事業に参加していた沖縄戦体験者で、75歳以上の者。〈調査に使用した尺度および質問紙〉1)WHO-5(World Health Organization Mental Health Well Being Index-five items:精神的健康状態表)。2) IES-R(Impact of Event Scale-Revised)改訂 出来事インパクト尺度日本語版によるトラウマの程度を測定。3)沖縄戦に関する質問紙を使用した。【結果】収集したデータ303のうちIES-Rに欠損値がない257を解析対象とした。性別では女218(84.8%)、男39(15.2%)で、平均年齢は82.5歳。WHO-5の平均得点は21.6(±4.2)。IES-Rの平均得点は23.2(±16.1)で、PTSDハイリスク者とされる25点以上が106(41.2%)あった。「沖縄戦を思い出すきっかけ」では、「戦争に関する映像・新聞記事」が208(80.9%)であった。IES-R得点と関連があったのは、「戦争を思い出す頻度」「誰かが危険な目に遭うのを目撃した」「当時の年齢で14歳以上と14歳未満」であった。【結論】今回の対象は、PTSDハイリスク者が4割いたにも関わらず、精神的健康状態は良好であった。その理由として、沖縄戦体験者はレジリエンスがあり、沖縄には"ユイ"という相互扶助の精神があり、地域の共同体との繋がりがあったからだと推察される。また、PTSDハイリスク者が4割もいたことから、沖縄戦体験高齢者の介護や看護を行う際には、沖縄戦によるトラウマやPTSDを意識し関わることが必要だと考える。
著者
Beverly HENRY UEDA Reiko ビバリー ヘンリー 上田 礼子 Okinawa Prefectural College of Nursing 沖縄県立看護大学
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 = Journal of Okinawa Prefectural College of Nursing (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.7, pp.30-33, 2006-03

Program evaluation provides direction for future scientific programs and new innovations in existing programs. Scientific program evaluation at four levels such as (1) evaluating reaction, satisfaction (2)evaluation learning (3)evaluating behavior (4)evaluating results was proposed. Then, authors concluded as following. Program evaluation provides direction for future programs and new innovations in existing programs. An aim is to provide findings about a program which can be generalized to other contexts and periods of time. Achieving a degree of generalizablity requires scientific research design and methodologically sound instrumentation. In nursing, program evaluation should bridge the gap between nursing education and nursing services. Effective teachers and nurses in hospitals and communities work together cooperatively to encourage learning, behaviors, and results -- with new strands of opinion -- that meet health needs and solve people's health problems. Having valid data about nurses' competence, their performance, and the effect of these on the nursing services is essential for sound health development. Scientific program evaluation contributes greatly to making sound decisions about programs and their contribution. Program evaluation involves rethinking everything from the program's learning model and curriculum, to the production of professional nurses and their proper performance in the health services for health development.これからの科学的プログラム評価の方向および現在あるプログラムの刷新について述べた。科学的プログラム評価の4つのレベルとして-(1)反応、満足の評価、(2)学習の評価、(3)行動の評価、(4)結果の評価を提示した。その上で、著者らは次のような結論に達した。看護のプログラム評価は看護教育と看護サービスの溝に橋を架けるものである。看護師のコンピテンシー、パフォーマンス、そして健康サービスの有効性へのそれらの影響に関する有用なデータを所持することは高度に機能する健康システムの基本である。プログラム評価の研究は個人の目標や費用によって位置付けに高低があるかもしれない。有能な教員と病院・地域の看護職者が、新しい意見をもち、人々の健康上のニーズに出会い、健康問題を解決する学習、行動、結果を促進するために協力し合って共に働くことである。科学的プログラム評価は、プログラムについての健全な意思決定および地域的、国家的、国際的に高度に機能するヘルスシステムへのプログラム創出に大きく貢献するものである。