著者
池田 紀子 小沢 道子 上田 礼子
出版者
杏林書院
雑誌
保健の科学 (ISSN:00183342)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.243-247, 1997-04
被引用文献数
2
著者
玉城 清子 上田 礼子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.9-15, 2007-03
被引用文献数
1

[背景]全国的に高校生の性交経験率の上昇に伴い若年者の妊娠中絶率は上昇傾向にある。沖縄県の若者は他府県の若年者に比べ人工妊娠中絶より出産を選択する者が多く、若年母親からの出生割合が高い状態が持続し、母子保健上の課題となっている。Fieldらは、若年母親は育児への関心が低く、また、Braussardらは母親が子どもをnegativeに知覚すると子どもの心身発達に悪影響があると報告している。しかし、わが国では若年母親の新生児に対する知覚と育児行動に関する研究報告は少ない。【目的】若年母親の新生児に対する知覚と育児行動との関連を明らかにする。[研究方法]本研究は妊娠確定時20歳未満の妊産婦を対象とする縦断的研究の一部で、若年母親の新生児に対する知覚と育児行動に焦点を当てている。新生児に対する知覚は修正版NPIを用い分娩後入院中と1か月後に調査を行った。また、産後1か月目には属性や育児用品の準備状況、育児行動についても質問紙を用いて調査した。[結果]調査票の回収は、分娩後の入院期間中45人、産後1か月時点38人であった。修正版NPIには分娩後と分娩1か月後の2回のデータが必要であるため、2回の調査票が揃っている30人を分析対象とした。平均年齢は対象者18.8歳(SD±0.94)、パートナー22.3歳(士4.43)であった。家族形態は核家族46.7%で、他は何らかの形で実家に同居していた。育児の大部分は若年母親が行っていた。若年母親の33%は自分の赤ちゃんを普通の赤ちゃんより低く、つまりnegativeに知覚していた。「授乳」「沐浴」「衣服の世話」の育児行動の実施率と母親の子どもに対する知覚との関係を検討した結果、自分の赤ちゃんをnegativeに知覚している者は「衣服の世話」の実施率が有意に低かった。[結論]若年母親の育児の実施率は高く、先行研究の若年母親は育児への関心が低いとは一致しなかった。「授乳」や「沐浴」の実施率は修正版NPI得点のnegative群とpositive群間に有意差は認められなかった。しかし、「衣服の世話」に関しては自分の子どもをnegativeに知覚している母親の方が実施率は低かった。これは、排泄などによる衣服の汚れに関して赤ちゃんのサインへの反応の少なさを意味しているとも考えられる。[Background]Teenage pregnancy rate has increased recently in Japan, especially in Okinawa Prefecture. Teen-age mothers show less desirable to child-rearing attitude than older mothers in the US. Braussard and Hartner found that when infants were rated by mothers as "not better than average" at the end of neonatal period, they were classified as a high risk. There has been little study about teen age mothers' child-rearing attitudes in Japan. Little is known about teen-age mothers' perception to their infants. [Purpose] The purpose of this study was to identify the relation between young mothers perception to their infants and their child- rearing attitude. [Method]This research is a part of longitudinal study focus on the relationship between younger mothers and their children. Thirty young mothers completed the 6 item Modified Neonatal Perception Inventory during the hospital stay following parturition at the seven obstetrics facilities in Okinawa, and again at 1 month post partum.. Also demographic factors and child rearing attitude of young mothers was surveyed at 1 month of postpartum. [Result]The majority of teenage couples or mothers live with their parents. Expensive child-rearing goods (i.e. baby bed) was bought by their parents, and relatively cheaper goods were prepared by themselves. Child rearing activities like nursing, bathing, dressing were surveyed, and the majority part of those activities were done by adolescent mothers. Mothers' perception to their infants as not better than average (negative perception), which was considered to be at risk, was 33% of mothers. There was no significant difference between negative perception and positive perception on nursing and bathing except dressing for their infants.[Conclusion]With the support of husbands and their own mothers, the majority part of child-rearing activities were practiced by teenage mothers.
著者
園部 真美 上田 礼子
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衞生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.129-135, 1999-05-31
被引用文献数
1 1

For three-year-old children whose mothers visited a health center in Tokyo for consultation about childrearing problems in 1976 and 1996, their co-sleeping with adult and the related fac tors were examined. The major results were as follows.1. In 1996, the proportion of mothers who co-sleep with toddlers is high among those with jobs, and the mothers who experienced co-sleeping in their own childhood and whose child has evolopmental risk tend to co-sleep.2. Sleeping arrangements, including co-sleeping, of children with developmental risks differ in quality from that of handicapped children.3. Mother's co-sleeping behavior is interrelated with her intention of childcare, information source of childrearing, consultants in neighborhood and the matter of her major interest. From these results, it is suggested that sleeping arrangements of children is associated with factors concerning both mothers and children and it is recognized as an indicator of assessing mother's nurturing behavior and child's developmental risks.
著者
天野 洋子 安里 葉子 新城 正紀 上田 礼子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.36-44, 2001-02
被引用文献数
2

本研究の目的は、青年期にある者を対象として、彼らが自己開示し相談できる相手、尊敬している人、自己決定に際し大きな影響を受ける他者等をあきらかにし、今後の精神保健活動に役立てることにある。調査対象 平成12年7月、沖縄県の短期大学2年生(女子)47名である。 調査方法は質問紙法であり、(1)生き方、性の問題、結婚、困ったときなどに誰に、どのくらい、話をしたり相談したりするか(2)尊敬する人、結婚生活について考える際に影響を受けたものなどであった(調査票は1984年上田作成を用いた)。結果:1)、青年期にある者の自己開示の程度は項目によって誰にどの程度話すかに違いがあった。2)、彼らが全ての項目で最も自己開示できる相手は友人であった。友人に全部話すものの割合は、生き方57%、性の問題70%、結婚について68%、困っているとき85%であった。これは他の人たちに対する自己開示に比べ非常に大きな割合であった。 3)母親に何でも話せる者は生き方27%、結婚24%、困ったとき30%であり三項目とも第2位であった。4)全ての項目につき自己開示できる相手(少し話すも含めて)の平均は友人94%、母親58%、きょうだい55%、先輩38%、父親34%、親しくないが信頼できる人26%、先生20%、祖父母13%、親戚10%であった。5)性について自己開示する相手は友人93%、きょうだい41%、先輩36%、親しくないが信頼できる人23%、母親20%、先生14%、父親7%、親戚5%、祖父母0%であり母親、父親の割合は低かった。6)父親について 父親への相談は母親にくらべかなり順位は低かった。 しかし、結婚条件として求める事や、結婚したらどんな夫婦になりたいかなどにおいて子どもの考え方に父親は強く影響を及ぼしていることが明らかになった。 以上の結果から青年期にあるものの重要他者としては一位が友人、2位母親、きょうだい、先輩、父親の順であった。ゆとりがなく他者との信頼関係を築くのに努力を要し、きょうだいの数が減少してきている時代に、彼らが安心して自己開示できる人々に出会え豊かな人間関係を築けるよう周りの大人達の配慮が必要であることが示唆された。
著者
上田 礼子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.428-438, 2012

人間の子どもは生活能力の面で未熟な状態で産まれ,家族・地域社会のなかで育てられなければ生存することさえできない存在である。しかし,自発的学習能力は優れているので,育ててくれる人の行動を模倣し・同一視することによって家族・地域社会の一員として成長・発達する。貧困な地域環境は子どもの発達に負の影響を及ぼすことが知られている。しかし,子どもの貧困を大人と同じ次元で取り扱うことはできない。子どもは現在と未来に生きる存在であり,子ども時代の家族・地域での経験が青年期以後の生き方にも関係すること,また子どもには発達に適合するタイミングのよい,適切な量・質の環境刺激が必要であることを重視しなければならない。たとえ幼少時に経済的に貧困であっても家族や地域社会に受け入れられ,必要な支援が得られれば強靭性を活かし逞しく発達する。つまり,経済的貧困と剥奪された物的・人的環境で孤独に生きることとは同じではない。本稿では子どもの健全な発達を目指して, (1)真に豊かな地域環境の構成に有用な理論,(2)地域環境のとらえ方,(3)地域に住む子どもの発達の実証的研究,(4)子どもの健康・行動上の問題と地域の特徴などの順に考察した。そして,結論として,地球環境すなわち地域共同体に根ざした子どもの健全な発達(略称CCD)を促す新たな環境刺激の構築を提案した。
著者
Beverly HENRY UEDA Reiko ビバリー ヘンリー 上田 礼子 Okinawa Prefectural College of Nursing 沖縄県立看護大学
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 = Journal of Okinawa Prefectural College of Nursing (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.7, pp.30-33, 2006-03

Program evaluation provides direction for future scientific programs and new innovations in existing programs. Scientific program evaluation at four levels such as (1) evaluating reaction, satisfaction (2)evaluation learning (3)evaluating behavior (4)evaluating results was proposed. Then, authors concluded as following. Program evaluation provides direction for future programs and new innovations in existing programs. An aim is to provide findings about a program which can be generalized to other contexts and periods of time. Achieving a degree of generalizablity requires scientific research design and methodologically sound instrumentation. In nursing, program evaluation should bridge the gap between nursing education and nursing services. Effective teachers and nurses in hospitals and communities work together cooperatively to encourage learning, behaviors, and results -- with new strands of opinion -- that meet health needs and solve people's health problems. Having valid data about nurses' competence, their performance, and the effect of these on the nursing services is essential for sound health development. Scientific program evaluation contributes greatly to making sound decisions about programs and their contribution. Program evaluation involves rethinking everything from the program's learning model and curriculum, to the production of professional nurses and their proper performance in the health services for health development.これからの科学的プログラム評価の方向および現在あるプログラムの刷新について述べた。科学的プログラム評価の4つのレベルとして-(1)反応、満足の評価、(2)学習の評価、(3)行動の評価、(4)結果の評価を提示した。その上で、著者らは次のような結論に達した。看護のプログラム評価は看護教育と看護サービスの溝に橋を架けるものである。看護師のコンピテンシー、パフォーマンス、そして健康サービスの有効性へのそれらの影響に関する有用なデータを所持することは高度に機能する健康システムの基本である。プログラム評価の研究は個人の目標や費用によって位置付けに高低があるかもしれない。有能な教員と病院・地域の看護職者が、新しい意見をもち、人々の健康上のニーズに出会い、健康問題を解決する学習、行動、結果を促進するために協力し合って共に働くことである。科学的プログラム評価は、プログラムについての健全な意思決定および地域的、国家的、国際的に高度に機能するヘルスシステムへのプログラム創出に大きく貢献するものである。