著者
上杉 邦憲 二宮 敬虔 大西 晃 UESUGI Kuninori NINOMIYA Keiken ONISHI Akira
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1_A, pp.38-64, 1970-01

あるスピン数で回転している衛星を所定のスピン数に減速させるための一手段であるヨーヨー・デスピンについて,その運動の解析と実験がおこなわれた.運動の解析は,二次元モデル次いで三次元モデルを仮定しておこない,さらに衛星とデスピナー(おもり)とを結ぶケーブルにばねを用いた場合の解析がなされた.実験は,エア・ベアリングによって浮かせた模擬衛星に直流モータでスピンを与えたのち,ヨーヨー・デスピナーを作動させて,スピン減速率を光学的回転検出器によって測定した.さらに高速度カメラによる写真を実験の解析に使用した.実験結果と理論値との一致はきわめて良好であり,このスピン減速方式の実用化への基礎的なデータが得られた.
著者
上杉 邦憲 二宮 敬虔 大西 晃 UESUGI Kuninori NINOMIYA Keiken ONISHI Akira
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1_A, pp.1-22, 1971-01

第一報[1]に続きヨーヨー・デスピンの運動解析と実験が行なわれた。運動解析は三次元モデルにおける硬式ヨーヨーに関して行なわれ,phase1およびphase2でのデスピナーの運動を明らかにする理論式が導かれた。次にばね式ヨーヨーを二次元モデルで作動させる実験が行なわれ,理論との一致が確認された。また断面がハ角形をした模擬衛星を用いて,ケーブルを巻き付ける面が円でない場合の実験が行なわれ,これがデスピナーの運動に与える影響は小さいことが検証された。以上の結果から,このデスピン方式が実際の衛星に十分適用し得るという見通しが得られた。