著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 川口 淳一郎 横田 博樹 村中 昇 滑 孝和 北出 賢二 小笠原 雅弘 木村 雅文 土橋 雅之
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-45, 1986-03

To support the operation of onboard AOCS (Attitude and Orbit Control System) of "SAKIGAKE" and "SUISEI", ground support software for attitude control and orbit correction was developed. The software, named POPS (PLANET-A AOCS Operation Software), has the function of (1) generating the commands for RCS thruster control and HGA (High Gain Antenna) despin control, (2) simulating spacecraft attitude dynamics to confirm the generated RCS control commands. (3) performing orbit correction analysis to provide the optimum ⊿V-maneuver under various maneuvering constraints, (4) estimating RCS fuel consumption, and (5) conducting the calibration of RCS thrusters. In this paper the functions of POPS are described in detail. The operational results of "SAKIGAKE" and "SUISEI" in orbit are also presented.
著者
二宮 敬虔 小川 原嘉明 橋本 樹明 広川 英治 村中 昇 前田 健 藤原 宏悦 飯田 浩 河原 哲雄 木村 雅文 高安 星子 NINOMIYA Keiken OGAWARA Yoshiaki HASHIMOTO Tatsuaki HIROKAWA Eiji MURANAKA Noboru MAEDA Ken FUJIWARA Kouetsu IIDA Hiroshi KAWAHARA Tetsuo KIMURA Masabumi TAKAYASU Hoshiko
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-92, 1995-03

本報告では, 1991年8月30日に M-3S II-6 号ロケットにより打ち上げられた"ようこう"の姿勢制御系に関する詳細な説明を行う。"ようこう"は近地点高度約500km, 遠地点高度約800km, 軌道傾斜角約31゜の軌道に投入され, そのミッションとして軟 X 線帯及び硬 X 線帯の各高分解能望遠鏡を使用して, 太陽の精密な X 線画像を日々撮り続けている。 "ようこう"にはこれまでにない高分解能の X 線太陽望遠鏡が搭載されているため, 撮像された太陽像にブレが生じないように非常に高い安定度の姿勢制御が要求されている。このため姿勢制御系はバイアスモーメンタム方式に基づく姿勢安定化を図った上で, アクチュエータとして2台の強力なモーメンタムホイールと高速応答の小型コントロールモーメントジャイロを使用することによって精密で安定な太陽指向姿勢を保持し, この制御要求に応えている。本報告書の構成は以下のとおりである。第1章で衛星の形状, 地上支援系を含む姿勢制御系の概要を, 第2章で姿勢制御モード構成と各モードの制御方式概要を, 第3章で機体の力学特性と姿勢擾乱特性を, 第4章で"ようこう"に搭載した姿勢制御系機器の性能を, 第5章で地上支援系の構成, 機能を, 第6章で打ち上げ前に地上において確認してきた姿勢制御系の動作確認試験の目的と概要を, 第7章で飛翔結果に基づく姿勢制御系搭載機器の動作, 姿勢制御性能, 及び衛星に働く空力外乱トルクの推定結果について記述している。
著者
二宮 敬虔 橋本 樹明 向井 正 中村 昭子 中村 正人 小笠原 雅弘 吉沢 直樹 石田 十郎 水島 泰彦 細田 寛人 高野 匡代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.278, pp.69-75, 1998-09-18
被引用文献数
1

日本初の火星探査機、「のぞみ/PLANET-B」搭載のMars Imaging Camera(MIC)は、小型軽量の可視CCDカメラである。CCDは、波長分離のためにRGBそれぞれのフィルターで覆われた3ラインからなる。MICのCCDのライン方向は「のぞみ」のスピン軸にほぼ平行で、MICでは、「のぞみ」のスピンを利用して2次元画像を取得する。われわれは、画像の幾何補正や感度補正に必要な特性を地上試験で取得した。また、複数の方法を用いてMICの総合的な撮像機能の確認試験を行った。現在、打ち上げ後の機上校正試験を行っている。
著者
二宮 敬虔 広川 英治 周東 晃四郎 村中 昇 卯尾 匡史 小笠原 雅弘 青木 星子
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-37, 1986-03

An Attitude Determination Software (ADS) system was developed for Japan's first interplanetary spacecraft, "SAKIGAKE (1985-001-A)" and "SUISEI (1985-073-A)". The ADS determines the direction of the spaceraft's spin-axis in and inertial reference frame based on telemetry data received from the onboard sun sensor and star scanner. The software system sonsists of three functional subsystems : ADS-RT, ADS-DT, and ADS-BIAS. These are used respectively for near real-time attitude determination, off-line attitude determination, and bias estimation of onboard attitude sensors. In this paper the authors describe the ADS system configuration, its functions, adopted principles of attitude and bias estimation, and the operational results obtained through the in-orbit operations of "SAKIGAKE" and "SUISEI".
著者
野村 民也 二宮 敬虔 風間 三郎 道野 敏雄 熊坂 武雄
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.450-463, 1974-07

スピン安定型の人工衛星で地球に近い軌道を周回するものについて,その姿勢変化を解明しまた制御するためには,衛星の磁気的な諸特性を打上げ瑕前に把握する必要がある.これに関連して今般,科学衛星の磁気的なスピンダンピングトルクを飛しょう前に予知すること,およびスピン速度制御装置の動作試験を行なうことを主目的とする微小トルク測定装置を開発し,今後打上げを予定されている科学衛星に対して実用に供することになった.そこで本報告では,スピンダンピングトルクの測定の観点から本装置を説明する.本装置は微少トルクを微少回転角に変換して測定する方式を採用している.即ち,披測定物をベンディクス社製の十字バネ(cross-spring flexural pivots)で保持し,スピンを模擬するための回転磁界をこれに印加し,発生する(渦電流および磁気ヒステリシス損による)トルクにより生ずるバネの微少回転角を,ヒルガーワット社製のオートコリメータを用いて遠隔計測する.軌道上で衛星に発生するスピンダンピングトルクぱ極めて小さいため,本装置では回転磁界強度およびその回転速度を実際条件より増大することによって,発生トルクを拡大した上で0.1秒角分解能のオートコリメータにて計測できるようになっている. 本装置全体はエアライドにより支えられた除雪今上に乗せられ,また追風ついたてにより空気流動の影響を排除されている.バネ定数の校正は空心コイルまたぱ永久磁石による標準磁気モーメントにより得られる標準トルクによるか,標準畳匪モーメントを持つ物体を装着したときの自由振動周期測定によるかのいずれかの方法で行なわれる.本装置はまた,磁気的トルク以外のトルク測定や慣性モーメントの測定にも使用できる.テストモデルを使用した試験の結果,望ましい条件下では,10dyne-cmに近い微少トルクまで測定可能であることがわかった.以下では,本装置の動作原理,構成,得られた伜匪等について説明する.
著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 村中 昇 加藤 昭夫 北出 賢二 滑 孝和 卯尾 匡史 NINOMIYA Keiken UESUGI Kuninori MURANAKA Noboru KATOH Akio KITADE Kenji NAMERA Takakazu UO Masashi
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-62, 1986-06

"SAKIGAKE", Japan's first interplanetary spacecraft was successfully launched on January 8,1985.Its mission was to verify the launch capability of the then newly developed Mu-3SIIvehicle and the technology applied to "SUISEI", Japan's Halley's comet explorer launched later the same year on August 19. These spacecraft are spin-stabilized at about 6rpm spin rate, and have same configuration except, of course, for the differing scientific payloads. To assure the communication link between the spacecraft and the ground station, a high-gain parabolic antenna mechanically despun with respect to the spinning spacecraft, is used. In order to provide SUISEI with the ability for ultraviolet imagery of the comet, while satisfying, thermal constraints of the onboard instruments, the spacecraft were also designed so that their spin-rate could be reduced to a low and stable value of around 0.2rpm by spinning up a momentum wheel. The imagery instrument uses the time-delay-and-integration scheme of a 2-dimensional charge coupled device sensor to obtain unblurred pictures of the comet at this spacecraft spin rate. For attitude and orbit control actuator, a hydrazine (N_2H_4) monopropellant propulsion system was developed. Attitude sensors consist of a spin-type sun sensor and a star scanner. Thus far, the attitude and orbit cotrol systems have functioned properly so these spacecraft should be able to fully complete their mission goals. In this report, the function and the detailed design of the attitude and orbit control system of SAKIGAKE and SUISEI are described, together with the analyses pertinent to the design and the operation. The flight results to verify the design are also presented.
著者
二宮 敬虔 広川 英治 周東 晃四郎 村中 昇 卯尾 匡史 小笠原 雅弘 青木 星子 NINOMIYA Keiken HIROKAWA Eiji SHUTO Koshiro MURANAKA Noboru Uo Masashi OGASAWARA Masashi AOKI Hoshiko
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-37, 1986-03

An Attitude Determination Software (ADS) system was developed for Japan's first interplanetary spacecraft, "SAKIGAKE (1985-001-A)" and "SUISEI (1985-073-A)". The ADS determines the direction of the spaceraft's spin-axis in and inertial reference frame based on telemetry data received from the onboard sun sensor and star scanner. The software system sonsists of three functional subsystems : ADS-RT, ADS-DT, and ADS-BIAS. These are used respectively for near real-time attitude determination, off-line attitude determination, and bias estimation of onboard attitude sensors. In this paper the authors describe the ADS system configuration, its functions, adopted principles of attitude and bias estimation, and the operational results obtained through the in-orbit operations of "SAKIGAKE" and "SUISEI".
著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 川口 淳一郎 横田 博樹 村中 昇 滑 孝和 北出 賢二 小笠原 雅弘 木村 雅文 土橋 雅之 NINOMIYA Keiken UESUGI Kuninori KAWAGUCHI Junichiro YOKOTA Hiroki MURANAKA Noboru NAMERA Takakazu KITADE Kenji OGASAWARA Masahiro KIMURA Masahumi DOBASHI Masayuki
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-45, 1986-03

To support the operation of onboard AOCS (Attitude and Orbit Control System) of "SAKIGAKE" and "SUISEI", ground support software for attitude control and orbit correction was developed. The software, named POPS (PLANET-A AOCS Operation Software), has the function of (1) generating the commands for RCS thruster control and HGA (High Gain Antenna) despin control, (2) simulating spacecraft attitude dynamics to confirm the generated RCS control commands. (3) performing orbit correction analysis to provide the optimum ⊿V-maneuver under various maneuvering constraints, (4) estimating RCS fuel consumption, and (5) conducting the calibration of RCS thrusters. In this paper the functions of POPS are described in detail. The operational results of "SAKIGAKE" and "SUISEI" in orbit are also presented.
著者
上杉 邦憲 二宮 敬虔 大西 晃 UESUGI Kuninori NINOMIYA Keiken ONISHI Akira
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1_A, pp.38-64, 1970-01

あるスピン数で回転している衛星を所定のスピン数に減速させるための一手段であるヨーヨー・デスピンについて,その運動の解析と実験がおこなわれた.運動の解析は,二次元モデル次いで三次元モデルを仮定しておこない,さらに衛星とデスピナー(おもり)とを結ぶケーブルにばねを用いた場合の解析がなされた.実験は,エア・ベアリングによって浮かせた模擬衛星に直流モータでスピンを与えたのち,ヨーヨー・デスピナーを作動させて,スピン減速率を光学的回転検出器によって測定した.さらに高速度カメラによる写真を実験の解析に使用した.実験結果と理論値との一致はきわめて良好であり,このスピン減速方式の実用化への基礎的なデータが得られた.
著者
上杉 邦憲 二宮 敬虔 大西 晃
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.38-64, 1970-01

あるスピン数で回転している衛星を所定のスピン数に減速させるための一手段であるヨーヨー・デスピンについて,その運動の解析と実験がおこなわれた.運動の解析は,二次元モデル次いで三次元モデルを仮定しておこない,さらに衛星とデスピナー(おもり)とを結ぶケーブルにばねを用いた場合の解析がなされた.実験は,エア・ベアリングによって浮かせた模擬衛星に直流モータでスピンを与えたのち,ヨーヨー・デスピナーを作動させて,スピン減速率を光学的回転検出器によって測定した.さらに高速度カメラによる写真を実験の解析に使用した.実験結果と理論値との一致はきわめて良好であり,このスピン減速方式の実用化への基礎的なデータが得られた.資料番号: SA0125305000
著者
上杉 邦憲 二宮 敬虔 大西 晃 UESUGI Kuninori NINOMIYA Keiken ONISHI Akira
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1_A, pp.1-22, 1971-01

第一報[1]に続きヨーヨー・デスピンの運動解析と実験が行なわれた。運動解析は三次元モデルにおける硬式ヨーヨーに関して行なわれ,phase1およびphase2でのデスピナーの運動を明らかにする理論式が導かれた。次にばね式ヨーヨーを二次元モデルで作動させる実験が行なわれ,理論との一致が確認された。また断面がハ角形をした模擬衛星を用いて,ケーブルを巻き付ける面が円でない場合の実験が行なわれ,これがデスピナーの運動に与える影響は小さいことが検証された。以上の結果から,このデスピン方式が実際の衛星に十分適用し得るという見通しが得られた。
著者
二宮 敬虔 橋本 樹明 紀伊 恒男 前田 健 斎藤 徹 玄葉 麻美 高安 星子 卯尾 匡史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.254, pp.9-16, 1993-09-30

『あすか』は1993年2月20日、鹿児島宇宙空間観測所より打ち上げられたX線天体を観測する科学衛星である。全天に散らばるX線源を効率よく観測する為に高いマヌーバ性能が姿勢系に要求されている。また、X線源の微細な構造を調べる為、高分解能のX線望遠鏡が搭載されており、その性能を最大限に活用するため高いポインティング性能を実現している。本論文では、『あすか』姿勢系の中で特に定常ポインティング性能を支配するオンボード姿勢決定系に関して、その設計思想・設計性能及び軌道上性能を中心に報告する。
著者
二宮 敬虔 久保田 孝 橋本 樹明 川口 淳一郎 丸家 誠 澤井 秀次郎
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

月や惑星などへの探査機の自律的着陸誘導法について,安全・確実に着陸するために必要なセンサ情報処理,カメラ画像に基づく地形認識,それらの情報に基づいた探査機誘導制御則に関する検討を行った.また,計算機上に天体の表面地形モデル(太陽光の反射特性も含む)と探査機モデル(ダイナミクス・制御則,センサモデルなどを含む)を構築し,探査機の自律着陸を計算機上で模擬できるグラフィカル着陸シミュレータを開発した.以下に得られた知見をまとめる.1.グローバルマッピング移動ステレオ法と輪郭・影情報を用いる手法により,3次元構造を復元する手法を確立した.2.惑星モデルの構築惑星形状や表面のクレータなどのモデル化を行い,さまざま惑星モデルを生成可能にした.また,太陽光の反射特性を考慮し,任意の位置から撮像した画像を生成する機能を実現した.3.着陸誘導制御アルゴリズム複雑な表面地形に対しても特徴点抽出が可能な手法を構築した.また,距離センサおよび画像情報を用いて,探査機の相対位置姿勢検出などがロバストに行われるアルゴリズムを考案した.4.地形認識画像情報から定性的な地形認識を行う手法を確立し,障害物回避,目標地点への高精度誘導着陸手法を構築した.本研究により,ロバストで高精度な自律着陸航法誘導システムが構築可能となり,今後の惑星科学の発展に大きく貢献できることが期待される.