著者
高梨 信乃 齊藤 美穂 朴 秀娟 太田 陽子 庵 功雄 Takanashi Shino Saito Miho Park Sooyun Ota Yoko Iori Isao
出版者
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
雑誌
阪大日本語研究 (ISSN:09162135)
巻号頁・発行日
no.29, pp.159-185, 2017-02

上級日本語学習者は文章作成などの産出レベルにおいてさまざまな文法上の問題点を抱えている。本稿は、彼らが文法の誤りを自己訂正できるようなモニタリング力を養成するための教材を作成することを最終目標に置いた基礎研究である。上級学習者の産出物である修士論文の草稿を取り上げ、その中に見られる文法的な誤用を、文法カテゴリおよび誤用の種類に基づいて精査した。今回の調査で見られた誤用の90%以上が旧日本語能力試験3 級以下の文法項目であったことからも確認できるように、上級学習者の誤用の大半は初級の文法項目である。それらの誤用の一部は、初級から上級に至るプロセスの中で指導が行われていない、もしくは指導が不十分であることに起因すると考えられる。