著者
畑 明美 饗庭 照美 南出 隆久 殿畑 操子 AKEMI HATA TERUMI AIBA TAKAHISA MINAMIDE MISAKO TONOHATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.42, pp.p41-47, 1991-11

近年, 加熱調理機器類の発達はめざましく, 各種の熱エネルギーの異なる調理機器が利用されている。そこでガスエネルギー源として燃焼カロリーの異なる2種のコンロ(強火 : 4,100kcal/h・普通火 : 2,300kcal/h)を用いて水を媒体とした加熱操作を行ない両者について比較検討した。1.スパゲティを強火でゆでると普通火よりもゆで上り時間は短縮され食味も良好であった。これはゆであげ後の増重率が大であるにもかかわらず, めん幅が小でしまりのある状態にゆで上がっていることからも考察することができた。また, 一般的にパスタをゆでる場合は塩添加ゆでが指示されているが, デュラム小麦を原料とした場合その効果は明らかではなく火力の違いによる影響が大であると思われた。2.ジャガイモを各種の水量でゆでると, ゆで用水量が多い時, 内部温度の上昇速度は普通火よりも強火がより速くなった。そして普通火は水量が多いほどジャガイモは軟化が遅く各々の破断荷重の値は不均一になったが, 強火では水量が増えてもその多量の熱媒体となる水が更に強い熱媒体をつくり出し同じくらいの硬さになり均一となった。また組織の軟化に伴いゆで液中への溶出カリウム量と遊離アミノ酸量は強火のほうが多く溶出していた。なおこの報告の一部は平成2年日本家政学会関西支部, 第12回(通算68回)研究発表会で発表した。Recently, we have seen notable developments in cooking ranges, which are available in many types for some of heat energies. We examined to the physical and chemical changes in spaghetti and potatoes under the two different types of cooking ranges using gas energy (normel heating power : 2,300 kcal/h, strong heating power : 4,100 kcal/h). The results were as follows; (1) It was observed that when spaghetti was boiled with a strong heating power, the boiling time became shorter and the taste was better than those with a normal heating power. The spaghetti was also boiled up with a smaller diameter and a better elastic firmness in spite of the weight of spaghetti increasing. It was found that there were few effects of salts addition in boiling water and were some effects of heating power on the quality of spaghetti made from durum wheat flour. (2) When a comparison was made on boiling potatoes using 3,5,and 10 times volumes of water, the increasing of inner temperature of potatoes at the strong heating power became faster than the ones at the normal heating power. The volume of water was influences of potato texture and the large volume of water produced uneven texture of potato under the normal heating power. The elution of potassium and free amino acid from potato tissues into boiling water under the strong heating power were larger than the ones under the normal heating power.
著者
南出 隆久 畑 明美 TAKAHISA MINAMIDE AKEMI HATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p23-28, 1990-11

大豆の利用拡大を図る目的で, 極大粒種のオオツル, 普通黄大豆タマホマレ, 緑大豆井手町在来の3品種を用い, 枝豆としての収穫時期の判定と, 収穫後の品質変化について検討した。本実験で用いた大豆3品種とも一莢当りの種子数が1,2粒と枝豆用の品種に比べ少なく, また収穫までの生育日数も長くかかることがわかった。大豆の風味や品質に関与する還元糖, アミノ酸, アスコルビン酸は種子の成熟にしたがい減少した。しかし, 全糖は増加傾向にあった。大豆の莢の外観による収穫適期の判定には, CIEのa値が化学成分の変化と高い相関関係にあることがわかった。収穫後の品質保持には, 低温貯蔵が有効であるが, 井手町在来のように, 20℃貯蔵でも全糖, アミノ酸含量の減少が少ない品種のあることがわかった。
著者
南出 隆久 畑 明美 TAKAHISA MINAMIDE AKEMI HATA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-28, 1990-11-19

大豆の利用拡大を図る目的で, 極大粒種のオオツル, 普通黄大豆タマホマレ, 緑大豆井手町在来の3品種を用い, 枝豆としての収穫時期の判定と, 収穫後の品質変化について検討した。本実験で用いた大豆3品種とも一莢当りの種子数が1,2粒と枝豆用の品種に比べ少なく, また収穫までの生育日数も長くかかることがわかった。大豆の風味や品質に関与する還元糖, アミノ酸, アスコルビン酸は種子の成熟にしたがい減少した。しかし, 全糖は増加傾向にあった。大豆の莢の外観による収穫適期の判定には, CIEのa値が化学成分の変化と高い相関関係にあることがわかった。収穫後の品質保持には, 低温貯蔵が有効であるが, 井手町在来のように, 20℃貯蔵でも全糖, アミノ酸含量の減少が少ない品種のあることがわかった。