著者
奥村 万亀子 MAKIKO OKUMURA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.47, pp.25-33, 1996

丹波福知山地方に「ちょろけん」と呼ばれる手織の自家用織物がある。ところが「ちょろけん」とは江戸時代唐船や紅毛船により舶載され珍重された渡来裂であり, その名は早くに定着しているがその定義や使用例に不明な点が多い。この二つの裂の関係を「木目文様」を鍵として考察する。
著者
松原 聡 Satoshi MATSUBARA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p91-99, 1986-11

サイトカイニン活性をもつ多くのプリン誘導体は, 人間の細胞培養において抗腫瘍作用など重要な生理作用を持っていることが知られている。一方, このような物質は種々の食品材料植物に, サイトカイニンあるいはtRNAの微量塩基として含まれていることが報告されている。本研究では, たけのこの煮汁に含まれているサイトカイニンについて, n-ブタノール分画, イオン交換樹脂カラム, セファデクスカラムを用いて分画し, 植物培養細胞の増殖を生物検定として調べた。その結果, たけのこの煮汁には数種のサイトカイニンが含まれていることがわかった。そのうちの水溶性サイトカイニンを, さらにペーパークロマトグラフィー, バリウム沈殿, 酵素分解などによって調べた結果, たけのこの煮汁に含まれている水溶性サイトカイニンはゼアチンのリボチドであると考えられる。煮汁には約20μMのゼアチンリボチドに匹敵する活性が含まれていることがわかった。
著者
畑 明美 饗庭 照美 南出 隆久 殿畑 操子 AKEMI HATA TERUMI AIBA TAKAHISA MINAMIDE MISAKO TONOHATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.42, pp.p41-47, 1991-11

近年, 加熱調理機器類の発達はめざましく, 各種の熱エネルギーの異なる調理機器が利用されている。そこでガスエネルギー源として燃焼カロリーの異なる2種のコンロ(強火 : 4,100kcal/h・普通火 : 2,300kcal/h)を用いて水を媒体とした加熱操作を行ない両者について比較検討した。1.スパゲティを強火でゆでると普通火よりもゆで上り時間は短縮され食味も良好であった。これはゆであげ後の増重率が大であるにもかかわらず, めん幅が小でしまりのある状態にゆで上がっていることからも考察することができた。また, 一般的にパスタをゆでる場合は塩添加ゆでが指示されているが, デュラム小麦を原料とした場合その効果は明らかではなく火力の違いによる影響が大であると思われた。2.ジャガイモを各種の水量でゆでると, ゆで用水量が多い時, 内部温度の上昇速度は普通火よりも強火がより速くなった。そして普通火は水量が多いほどジャガイモは軟化が遅く各々の破断荷重の値は不均一になったが, 強火では水量が増えてもその多量の熱媒体となる水が更に強い熱媒体をつくり出し同じくらいの硬さになり均一となった。また組織の軟化に伴いゆで液中への溶出カリウム量と遊離アミノ酸量は強火のほうが多く溶出していた。なおこの報告の一部は平成2年日本家政学会関西支部, 第12回(通算68回)研究発表会で発表した。Recently, we have seen notable developments in cooking ranges, which are available in many types for some of heat energies. We examined to the physical and chemical changes in spaghetti and potatoes under the two different types of cooking ranges using gas energy (normel heating power : 2,300 kcal/h, strong heating power : 4,100 kcal/h). The results were as follows; (1) It was observed that when spaghetti was boiled with a strong heating power, the boiling time became shorter and the taste was better than those with a normal heating power. The spaghetti was also boiled up with a smaller diameter and a better elastic firmness in spite of the weight of spaghetti increasing. It was found that there were few effects of salts addition in boiling water and were some effects of heating power on the quality of spaghetti made from durum wheat flour. (2) When a comparison was made on boiling potatoes using 3,5,and 10 times volumes of water, the increasing of inner temperature of potatoes at the strong heating power became faster than the ones at the normal heating power. The volume of water was influences of potato texture and the large volume of water produced uneven texture of potato under the normal heating power. The elution of potassium and free amino acid from potato tissues into boiling water under the strong heating power were larger than the ones under the normal heating power.
著者
小林 久芳 村沢 忠司 HISAYOSHI KOBAYASHI TADASHI MURAZAWA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p81-90, 1986-11

パーソナルコンピュータを用いた家計管理の方法について, 家計簿記帳を中心に問題点とその解決方法についての考察を行った。また, 多くの家庭に対して家計簿の記録データを集計することにより, 消費動向に関する基礎資料が得られる点に着目し, そのために家計簿プログラムが備えるべき機能, 記録データの内部構造等について, 詳細な検討を行った。さらにコンピュータによる家計診断の可能性について, 一つの提案を行なった。
著者
南出 隆久 畑 明美 TAKAHISA MINAMIDE AKEMI HATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p23-28, 1990-11

大豆の利用拡大を図る目的で, 極大粒種のオオツル, 普通黄大豆タマホマレ, 緑大豆井手町在来の3品種を用い, 枝豆としての収穫時期の判定と, 収穫後の品質変化について検討した。本実験で用いた大豆3品種とも一莢当りの種子数が1,2粒と枝豆用の品種に比べ少なく, また収穫までの生育日数も長くかかることがわかった。大豆の風味や品質に関与する還元糖, アミノ酸, アスコルビン酸は種子の成熟にしたがい減少した。しかし, 全糖は増加傾向にあった。大豆の莢の外観による収穫適期の判定には, CIEのa値が化学成分の変化と高い相関関係にあることがわかった。収穫後の品質保持には, 低温貯蔵が有効であるが, 井手町在来のように, 20℃貯蔵でも全糖, アミノ酸含量の減少が少ない品種のあることがわかった。