著者
山本 忠行 Tadayuki Yamamoto
出版者
創価大学通信教育部学会
雑誌
通信教育部論集 (ISSN:13442511)
巻号頁・発行日
no.16, pp.69-89, 2013-08

「直接法」をめぐる議論は、単に媒介語を使用するかどうかという点に矮小化されがちである。しかし、19世紀末に始まった言語改革運動、すなわち文法訳読法からグアン法やオーラル・メソッドへの転換は、説明と翻訳による理解を重視する「事柄教育」から、インタラクションを通じて、学習者自らが意味を察し、類推によって表現法をつかみ取る「表現教育」への転換であり、言語教育観そのものの革命であった。それは現代の外国語教授法と共通する考え方に根ざしており、創価教育の目指す知識伝授型教育からの脱却を意味するものでもある。
著者
山本 忠行 Tadayuki Yamamoto
出版者
創価大学別科日本語研修課程
雑誌
創価大学別科紀要 (ISSN:09164561)
巻号頁・発行日
no.15, pp.28-49, 2003-01-01

南アフリカ共和国ではマンデラ政権誕生後、憲法改正により11公用語政策をとることになったものの、英語の重要性は増すばかりである。中等教育以上の教育用言語としては英語が圧倒的である。しかし、これが多くの黒人から教育・就業の機会を奪っているとも言える。その一方でアフリカ土着の言語(以下、「アフリカン言語」とする)に対する意識には大きな変化が見られる。現状では教育用言語として発展する余地は少ないが、白人もアフリカン言語を学び始めるようになるなど、少なくとも英語を中心とする多言語社会に向かっていることは間違いない。