著者
山本 忠行
出版者
創価大学別科日本語研修課程
雑誌
創価大学別科紀要 (ISSN:09164561)
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-28, 2008

「限定」の意味を表す「だけ」は、英語のonlyと同じような「少量」を表す機能があると誤解する学習者がいるだけでなく、日本語教師の中にもそのように思い込んでいる人がいる。各種教材の比較の中から、これが『日本語の基礎』から広まったものである可能性が高いということが明らかになった。また、時間の少量表現指導には特に注意すべき点が多いことも指摘した。
著者
倉光 雅巳 日高 吉隆 Masami KURAMITSU Yoshitaka HIDAKA
出版者
創価大学別科日本語研修課程
雑誌
創価大学別科紀要 (ISSN:09164561)
巻号頁・発行日
no.16, pp.49-65, 2004-01-01

学習者は、行為の授受表現「~てあげる/くれる」の文で、「~(人)に」を用いた誤用を犯すことが多い。初級教科書で「~てあげる/くれる」の文が限定された文型として提示されていることが、その一因と考えられる。「~てあげる/くれる」の文型は基本的に、「もとの文+~てあげる/くれる」と捉えることができる。この文型で提示すれぼ、「~(人)に」「~(人)を」「~(人)の」以外の助詞をとる文、さらには「~(人)+助詞」をとらない文まで、学習者が適格に作ることが可能になり、誤用を避けることが期待できる。
著者
山本 忠行 Tadayuki Yamamoto
出版者
創価大学別科日本語研修課程
雑誌
創価大学別科紀要 (ISSN:09164561)
巻号頁・発行日
no.15, pp.28-49, 2003-01-01

南アフリカ共和国ではマンデラ政権誕生後、憲法改正により11公用語政策をとることになったものの、英語の重要性は増すばかりである。中等教育以上の教育用言語としては英語が圧倒的である。しかし、これが多くの黒人から教育・就業の機会を奪っているとも言える。その一方でアフリカ土着の言語(以下、「アフリカン言語」とする)に対する意識には大きな変化が見られる。現状では教育用言語として発展する余地は少ないが、白人もアフリカン言語を学び始めるようになるなど、少なくとも英語を中心とする多言語社会に向かっていることは間違いない。