著者
脇田 裕久 高木 英樹 Wakita Hirohisa Takagi Hideki
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学 (ISSN:03899225)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.81-88, 1992-02-28

本研究は、打突の機会の一つである出端小手を対象として、仕太刀の動作開始時間・動作時間、右上肢関節角度、竹刀角度、竹刀先端速度を指標とし、熟練者群と未熟練者群の相違点を検討した。その結果、熟練者群は、打太刀の振り上げ動作が開始される前に動作を起こし、打撃動作が小さく、振り下ろし速度が速いため、動作時間が短縮し、打太刀の出端を的確にとらえた打撃が可能である。一方、未熟練者群は、打太刀の動作開始と同時に動作を起こし、振り上げ動作が大きく、振り下ろし速度が遅いため、動作時間が延長し、打太刀の出端をとらえることが困難になることが明らかにされた。