著者
田中 秀男
出版者
日本人間性心理学会
雑誌
人間性心理学研究 (ISSN:02894904)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.29-38, 2015-09-30

一般に、カール・ロジャーズは、ウィスコンシンでの統合失調症治療プロジェクトを経て、それまで以上にセラピストの「一致」した態度を重視するようになったと言われている。その一方、ユージン・ジェンドリンは、当プロジェクトの重要な論客であったにもかかわらず、「一致」という用語を使うことがごくまれである。本稿では、ジェンドリンが「一致」という用語にどのような間題点を感じ、解決を図ろうとしたのかを、彼の初期の主著『体験過程と意味の創造』の観点から解明する。この解決案により、フォーカシングにおける「ぴったり」という言葉を使う際に陥りがちな誤解を防ぐための留意点を提示する。

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「一 致」という用語にまつわる間題点とジェンドリンによる解決案 https://t.co/IZKqhlC2Sl
今日の学習会は刺激的。 自己一致congruenceはロジャーズは使ったけれど、ジェンドリンはgenuineness本物/誠実を使って自己一致は使わなかった、と。 ジェンドリンにはより相互に体験過程が影響する、間主観的な傾向がある、という内容。 https://t.co/dZfDCr5RVF 試験では気にしないで良いです
② 田中秀男 (2015). 「一致」という用語にまつわる間題点とジェンドリンによる解決案 『人間性心理学研究』 33巻1号, pp.29-38 https://t.co/QcB0my6CLW 『体験過程と意味の創造』(Gendlin, 1962)に基づく、ロジャーズ自己理論の再検討です。

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