著者
Aiko Hibino 日比野 愛子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.255-278, 2019-10-29

本稿では,労働生産の文脈で手作業と機械がどのような関係性を取り持つのかを技術論・組織論の観点から明らかにすることを目的とする。技術史家の中岡哲郎の理論的枠組みに沿うならば,手作業と機械の関係性のあり方は,工場が一つの組織として成り立つ過程の中で定まっていく。日本の青森県に立地する食品加工工場と機械加工工場でのフィールド調査をもとに,機械化が進む際の手作業と機械の新たな役割,ならびに分業を検討した。そこでは,“手作業の復権” とも呼べるような手作業の役割の強化が見出される一方,機械にシンボルとしての役割が付されていた。加えて,工程を制御するための知的熟練にも限界があることを事例の中から提起した。こうした手作業と機械の関係性は,生産の流動化と高付加価値化といった外部環境に対応する過程の中で形成されてきたと考えられる。総合考察では,以上の身体-機械関係性の議論が現代の自動化問題に対して持つ含意について論じた。

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日比野愛子、2019、工場生産の現場にみる身体 : 機械の関係性(国立民族学博物館研究報告』44(2)) https://t.co/LsqIpiAsA1

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