著者
福岡 まどか Madoka Fukuoka
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.571-596, 2004-03-08

この論考では,インドネシア,ジャワ島のワヤンにおけるマハーバーラタの叙事詩「世界」について考察する。通常,ワヤンの物語は,ヒンドゥー叙事詩であるラーマーヤナとマハーバーラタに由来するとされる。しかし,上演の中では,書かれたテクストに見られるような,叙事詩のひとすじの筋立てが示されることはない。一晩の上演の中で演じられるのは,叙事詩に由来する特定の演目lakon である。叙事詩の「世界」は,これらのひとつひとつの演目を集積することによって形成される。この論考では,ワヤンの上演においてマハーバーラタの「世界」が形成されるメカニズムについて理解するために,演目の様式的構造と,演目によって提示される登場人物の伝記的情報という要素に焦点をあてて,複数の演目の関連について考察する。

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【論文】西ジャワのワヤン wayang における叙事詩「世界」の形成 : マハーバーラタを対象として https://t.co/ari44rBroT

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