著者
宇野 重規
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3/4, pp.21-37, 2008-03-14

戦前はジャーナリスト,戦後直後は労働運動指導者として知られた鈴木東民(1895-1979)は,1955年以降,3期12年にわたって釜石市長をつとめた.本稿は,釜石市長としての鈴木東民の仕事を,歴史的な視点から再評価することを課題としている.鈴木東民市政の力点は,道路や学校など地域社会の基盤整備と,広報等を通じての,市民間の交流と対話の空間の創出にあった.本稿ではこれらの政策を,<地域に根ざした福祉政治>,および<開かれた土着主義>として分析する.本稿の最終目的は,釜石市にとってだけでなく,およそ近代日本史における鈴木東民とその市政の意義を再評価することにある.

言及状況

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知る人ぞ知る元釜石市長の鈴木東民(吉野作造の弟子)も岩手の生んだ重要な政治家であろう。鎌田慧氏の本で知られるようになったが、最近では東大の宇野重規氏が重厚な論文を書いている。→http://t.co/yjnpxFFY …
釜石は「鉄と魚とラグビーの町」という誇りを市民はもっています。「希望学」研究はその背景を探ってないんですよね。三陸漁場、良質の鉄に根差した産業、たたかいの歴史(例:http://t.co/URkVUHD7)など。@Takahisa_Tanaka @yoshikonome

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