著者
浜田 信夫 馬場 孝 佐久間 大輔
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.29-34, 2021-03-31

2020年 7 月に発生した豪雨による球磨川氾濫で被害を受けた熊本県の人吉城歴史館の植物標本 を,乾燥・クリーニングする過程で,汚染カビの種類や性質について,14サンプルを調べた.最も多 く繁殖していたカビは,Trichoderma で,その他に,Fusarium,Penicillium などが検出された.いずれ も貧栄養な土壌中に一般的に見られる好湿性のカビであった.保存した植物標本に生育するカビには 好乾性カビは見つからなかったことから,いずれも洪水に由来し,浸水と同時に発生したカビと思わ れる.これらの汚染カビは,十分な乾燥を数カ月行えば,消失すると思われる.あわせて,乾燥や酸 素遮断を優先するカビ被害への初期対処法の提言も行った.

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業績メモ 浜田信夫・馬場 孝・佐久間大輔 (2021) 河川氾濫による水害に遭遇した植物標本のカビ汚染とその対策 大阪市立自然史博物館研究報告 75:29-34 大阪市立自然史博物館学術リポジトリ 人吉水害の標本レスキューの副産物です https://t.co/Tw9XbMrNXU

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