著者
松本 吏樹郎 長谷川 匡弘 市川 顕彦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.73, pp.1-5, 2019-03-31

大阪市南港中央公園における訪花性ハチ目昆虫のモニタリング調査の過程で,これまで日本から記録のないワタナベツチバチScolia watanabei( Matsumura)(ハチ目ツチバチ科)が発見された。本種は,大型で顕著な斑紋を持つにもかかわらずこれまで記録がないこと,また本種の分布が知られている中国,台湾を含む海外からの大量の貨物が運び込まれる港湾地区でのみ見られることから,外来種であると考えられる.本種が確認されているのはごく狭い範囲に限られているため,侵入の初期の段階にあると考えられる.
著者
石田 惣 木邑 聡美 唐澤 恒夫 岡崎 一成 星野 利浩 長安 菜穂子 So Ishida Satomi Kimura Tsuneo Karasawa Kazunari Okazaki Toshihiro Hoshino Nahoko Nagayasu 大阪市立自然史博物館 いであ株式会社大阪支社 イシガイ研究会 イシガイ研究会 イシガイ研究会 イシガイ研究会 Osaka Museum of Natural History IDEA Consultants Unionids Research Group Unionids Research Group Unionids Research Group Unionids Research Group
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.69, 2015-03-31

淀川(大阪府)では,2010年頃からヌートリアがイシガイ科貝類を捕食している.2012年9月〜2013年8月にかけて,八雲ワンド(守口市)でイシガイ類(イシガイNodularia douglasiaenipponensis,トンガリササノハガイLanceolaria grayana,ドブガイ属Sinanodonta spp.)の生貝及び合弁死殻を月ごとに採集し,捕食サイズや捕食率等の推定を試みた.採集されたイシガイの死殻の約70〜90%近くに捕食によるものと推定しうる傷があり,傷有り死殻の殻長の平均はすべての月において生貝の殻長平均よりも大きかった.これらの傾向はトンガリササノハガイの通年合計でも同様だった.生貝に傷が見られた例数はいずれの種でも0–3%未満だった.正確な比率の推定は難しいものの,調査地付近のイシガイとトンガリササノハガイの死亡要因の多くをヌートリアの捕食が占めている可能性は否定できない.また,ヌートリアは比較的大型のイシガイ類を好む傾向があると考えられる.イシガイ,トンガリササノハガイともに死殻の傷は左殻側よりも右殻側に多かったことから,調査地付近のヌートリアはイシガイ類を捕食する際に右殻側を手前にして開殻することが多いのかもしれない.ヌートリアによるイシガイ類の捕食は河川生態系への悪影響が懸念されることから,早急な対策が求められる.
著者
横川 昌史 高田 みちよ 長谷川 匡弘
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
no.74, pp.75-82, 2020-03-31

オオバナミズキンバイはアメリカ合衆国南東部から南米原産のアカバナ科の水生植物で,特定 外来生物に指定されている(角野 2014).2014年に大阪府でオオバナミズキンバイが見つかり,その後, 大阪府内各地の河川や水路,ため池で生育が確認されている.2019年9月までに,高槻市・摂津市・大 阪市・東大阪市・八尾市・柏原市・藤井寺市・堺市・羽曳野市・岸和田市でオオバナミズキンバイが 見つかっており,高槻市・淀川本流・恩智川・大和川およびその支流・大阪南部のため池と地域別に 生育状況を報告した.今後も大阪府内でオオバナミズキンバイが拡がる可能性があるため,モニタリ ングを継続するとともに何らかの対策が必要だと思われた.
著者
中濵 直之 瀬口 翔太 藤本 将徳 有本 久之 伊藤 建夫 藤江 隼平 高柳 敦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.73, pp.91-105, 2019-03-31

京都府に位置する京都大学芦生研究林は設立以降多くの研究者により利用・調査されているが,ニホンジカによる食害やナラ枯れにより,動植物相は2000年代以降大きく変化している.甲虫類( 鞘翅目) については1970年代にまとまった調査が行われているものの,近年まとまった報告はない.そこで本研究では,2008年から2016年にかけて甲虫相の調査を実施した.その結果,66科496種1,123個体の甲虫が記録され,そのうち7科14種は京都府新記録だった.本調査では,腐朽木に依存する甲虫や地表性甲虫が特に多く得られた.ニホンジカの増加やナラ枯れなどの生態系変化は,現時点では地表や腐朽木を生活場所とする甲虫相には負の影響を与えていないかもしれない.一方で,得られた草本植物食甲虫の数は少数だった.ニホンジカによる生態系被害は特に草本植物で顕著なため,草本植物食甲虫は負の影響を受けている可能性が示唆された.
著者
横川 昌史
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.107-111, 2021-03-31

2020年に入ってから,全世界的に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている.日本国内 において,新型コロナウイルス感染症拡大防止のために,春の半自然草原の火入れを中止した地域が 多数見られた.感染症が草原の管理に影響を与えた記録は重要だと考えられるため,インターネット 上で見つけられた新型コロナウイルス感染症に関連した火入れの中止について記録した.2020年2月下 旬から5月中旬にかけて,Google や Twitter・Facebook などの SNS で,「火入れ」「野焼き」「山焼き」「ヨ シ焼き」「コロナ」「中止」などのキーワードを任意に組み合わせて検索し,新型コロナウイルス感染 症の影響で中止になった日本国内の火入れを記録した.その結果,14道府県18ヵ所の草原で火入れが 中止になっており,4県4ヵ所の草原で制限付きで火入れが実施されていた.これら,新型コロナウイ ルス感染症による半自然草原の火入れの中止は,草原の生物多様性や翌年以降の安全な火入れに影響 を及ぼす可能性がある.
著者
宇都宮 聡
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.73, pp.23-35, 2019-03-31

日本国内で長頚竜類化石の発見事例は多いが,その多くが北海道・東北地域から産出した標本で占められている.今回報告する標本は,長頚竜としては九州地域から初めて産出した化石であり,鹿児島県獅子島の御所浦層群弊串層(上部白亜系セノマニアン階下部)から産出した.前頭骨と底後頭骨,保存状態の良い下顎の大部分,舌骨,環椎・軸椎複合体を含む頚椎などが保存されている.歯表面の隆線状の装飾や,頚椎が細長く頚肋骨頭が一つであることなどの特徴は,本標本がエラスモサウルス科であることを示している.大部分の椎骨で椎弓が椎体から分離していることから,本個体は Brown( 1981) の定義による“ juvenile”(幼体)と判断される.現時点で.獅子島標本は日本(東アジア)最古のエラスモサウルス科の標本であり,白亜紀後期初頭(セノマニアン期最前期)の太平洋北西部にエラスモサウルス科長頚竜が存在していたことを示す重要な標本である.
著者
初宿 成彦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
no.74, pp.45-68, 2020-03-31

夏の夜明けと日没時に特徴的に鳴くヒグラシの分布について,大阪府全体での分布調査を市民 プロジェクトとして行なった.主に神社において,ヒグラシの有無を調べた.山地では広く分布する が,交通によって遮断されたエリアで分布を欠くことがある.平野では発生は見られないが,人為の 影響を受ける以前には,より広く分布していたと考えられる.
著者
有山 啓之 FRANSEN Charles H. J. M. 中島 広喜
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.75, pp.1-14, 2021-03-31

トゲシャコ Harpiosquilla harpax (de Haan, 1844) は本邦から記載された口脚目の1種で,日本から はよく似た H. japonica Manning, 1969も記載されている.大阪湾と紀伊水道産の標本を正確に同定する ため,45個体について形態と色彩を詳細に観察した.タイプ標本との比較により今回の標本はトゲシャ コと同定され,H. japonicaは形態的特徴が合致しタイプ産地が紀伊水道に含まれることからトゲシャ コの新参異名となることが分かった.本種は顕著な突起を欠く額板と長さが幅よりも大きい尾節で特 徴付けられ,本邦以外に台湾,中国,ベトナム,ニュ-カレドニアとオーストラリアから記録されて いる.沖縄本島産のトゲシャコ属の標本を調べたところ,額板に突起を持つものが含まれ,その尾節 の長さは幅とほぼ同じであった.同様の特徴を持つ標本はインド・西太平洋の各地から記録されトゲ シャコに誤同定されてきたが,それらの中には複数種が混在する可能性があるため,沖縄本島産の種 名は決定できなかった.
著者
松井 彰子 中島 淳
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
no.74, pp.1-15, 2020-03-31

日本に分布するドジョウMisgurnus anguillicaudatusにはミトコンドリアDNAおよび核DNA領 域にもとづく3つの遺伝的系統が存在し,A および B-1は在来系統,B-2は中国大陸からの外来系統であ ることが知られている.本研究では,大阪府内で採集されたドジョウの遺伝的系統を調べ,遺伝的系 統間で形態的特徴を比較した.さらに,系統間の形態的差異に基づいて過去の標本の遺伝的系統を推 定し,大阪府内における遺伝的系統の分布とその変化を追った.その結果,大阪府には B-1および B-2 系統が分布しており,在来系統である B-1系統の分布は局所的である一方で,中国大陸系統である B-2 系統は広範に分布していること,さらに,両系統間での交雑が進み在来系統のみで構成される純粋な 集団は大阪府北部の非常に限られた水域にしか分布していない可能性があることが分かった.また, もともとは府内に広く分布していた在来系統は,ここ数十年のうちに急激に分布域を狭めた可能性が 高く,存続が脅かされている状況であると考えられる.
著者
原 巧輔 金澤 芳廣 林 昭次 佐藤 たまき
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.61-79, 2018-03-31

香川県さぬき市多和兼割の上部白亜系・和泉層群引田累層から発掘され,大阪市立自然史博物館に寄贈された爬虫類11点,板鰓類12点の化石の記載を行った.大型のカメの縁板骨5点には,鱗板溝が存在しない,内縁が著しく発達する,内縁が波打つ,という形質が認められることから,原始的なオサガメ類Mesodermochelys undulatusと同定された.また板鰓類には2目4科4属( Chlamydoselachus sp., Hexanchus microdon, Paranomotodon angustidens, Protolamna sp.) のサメが含まれている.このうちP. angustidens は和泉層群では初記録となり,更に日本産の本属の中では歯牙高が最大であった.
著者
初宿 成彦
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.53-77, 2021-03-31

外来甲虫3種の分布について,主にインターネットを用いた市民調査として行なった.ムネア カオオクロテントウ(テントウムシ科)は2014年から2020年まで東京および大阪周辺で分布を徐々に 拡大させていく様相を緻密に記録できた.3大都市圏におけるユーカリハムシ(ハムシ科)の,近畿 周辺でのヨツモンカメノコハムシ(ハムシ科)の,それぞれ分布の現況を記録し,これらがまだ到達 していない地域についても,注目すべき寄主植物の位置について記述し,将来的に分布拡大速度を計 算できるようにした.インターネット時代において市民調査を行なう際の留意点にも言及した.
著者
初宿 成彦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.73, pp.71-89, 2019-03-31

ハルゼミはマツ類につくセミで,かつては大阪府では丘陵地から山地にかけて広く分布するセミとして知られていたが,1970年代から顕著になった松枯れにより衰退した.2000年頃からインターネット媒体により,市民からハルゼミの鳴き声の情報を蓄積してきた.これらにより,大阪府では山地に細々と残る程度にまで減少していることがわかった.人為が影響する前には海岸部や平野にも広く分布していたこと,2030年頃までに大阪府からは絶滅することが推定される.
著者
浜田 信夫 馬場 孝 佐久間 大輔
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.29-34, 2021-03-31

2020年 7 月に発生した豪雨による球磨川氾濫で被害を受けた熊本県の人吉城歴史館の植物標本 を,乾燥・クリーニングする過程で,汚染カビの種類や性質について,14サンプルを調べた.最も多 く繁殖していたカビは,Trichoderma で,その他に,Fusarium,Penicillium などが検出された.いずれ も貧栄養な土壌中に一般的に見られる好湿性のカビであった.保存した植物標本に生育するカビには 好乾性カビは見つからなかったことから,いずれも洪水に由来し,浸水と同時に発生したカビと思わ れる.これらの汚染カビは,十分な乾燥を数カ月行えば,消失すると思われる.あわせて,乾燥や酸 素遮断を優先するカビ被害への初期対処法の提言も行った.
著者
首藤 光大郎 横川 昌史
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.47-51, 2018-03-31

2017年9月に岸和田市久米田池において,大阪府新産となるリュウノヒゲモの生育を確認した.池南部を中心に調査を行った結果,本種は調査ルート沿いにおいて広く点在しており,特に南岸周辺で特に高い密度で生育していた.クローナル植物であるため正確な個体数は不明であるが,膨大な現存量をもつと考えられる.久米田池では過去に水生植物の生育が見られなかった時期があり,本種は過去の調査が行われた1989年以降に,水鳥によって散布・定着した可能性がある.
著者
奥村 潔 石田 克 樽野 博幸 河村 善也 Kiyoshi Okumura Shinogu Ishida Hiroyuki Taruno Yoshinari Kawamura 岐阜県博物館 大阪市立自然史博物館 愛知教育大学 Gifu Prefecture Museum Osaka Museum of Natural History Aichi University of Education
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.70, 2016-03-31

熊石洞は日本の代表的な後期更新世の哺乳類化石産地の一つである.この洞窟の化石堆積物の発掘調査は主に1965年から1981年まで行われ,保存のよい大型シカ化石を含む多数の哺乳類化石を産出した.本報告では,大型シカ化石の詳細な記載を行うが,これによりほぼ同じ大きさのヤベオオツノジカ(Sinomegaceros yabei)とヘラジカ(Alces alces)という2種の大型シカの区別を明確にする.日本においてこの大型シカ2種はしばしば混同されてきたが,骨および歯の特徴からこの2種の識別を行う.また,主に角の形態的特徴に基づき,ヤベオオツノジカが中国産Sinomegacerosの種とは別個の日本固有の種であることを確認する.さらに,歯の萌出と咬耗の程度に基づいて2種の大型シカの年齢構成も明らかにする.
著者
樽野 博幸 石田 克 奥村 潔
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.81-151, 2018-03-31

熊石洞は日本の代表的な後期更新世の哺乳類化石産地の一つで,29種が知られている.本稿 ではこれらの中で,ヒグマ Ursus arctos,トラ Panthera tigris,ナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni, カズサジカCervus(Nipponicervus)kazusensis,ニホンカモシカ近似種Capricornis sp., cf. C. crispusの 記載を行った.トラとカモシカ属の化石は,熊石洞からは初めての報告である.その中で,以下の 点について議論し見解を明らかにした.1ヒグマUrsus arctosとツキノワグマU. thibetanusとの上顎 第4小臼歯における識別点,2ナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni の第3・第4乳臼歯と第1大臼歯の 咬板数,3中型シカ類ではカズサジカ Cervus(Nipponicervus)kazusensis のみが産出し,ニホンジカ Cervus(Sika)nipponの産出は確認できない,4ニキチンカモシカNaemorhedus nikitiniはゴーラル属 Naemorhedus ではなくカモシカ属 Capricornis に属する,5日本の更新世のカモシカ属は,現生のニ ホンカモシカより大型である.
著者
浜田 信夫 佐久間 大輔
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.161-166, 2018-03-31

大阪市立自然史博物館でカビ汚染の状況をモニタリングするため,収蔵庫や展示室などで落 下カビの調査を行い,以前行った寺社の収蔵庫での落下カビの調査の結果と比較した.大阪市立自 然史博物館の落下カビ数は,寺社の場合に比べて,非常に少ないことが明らかになった.寺社の空 調を施していない部屋に比べて1/100以下に,空調のある部屋に比しても1/30以下だった.また,収 蔵庫内部で生育したとみられるカビは見られなかった.その理由として,博物館の収蔵庫は年中温 湿度が20°C,55%に自動制御されていることが原因であると思われる.
著者
横川 昌史
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
no.75, pp.107-111, 2021-03-31

2020年に入ってから,全世界的に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている.日本国内 において,新型コロナウイルス感染症拡大防止のために,春の半自然草原の火入れを中止した地域が 多数見られた.感染症が草原の管理に影響を与えた記録は重要だと考えられるため,インターネット 上で見つけられた新型コロナウイルス感染症に関連した火入れの中止について記録した.2020年2月下 旬から5月中旬にかけて,Google や Twitter・Facebook などの SNS で,「火入れ」「野焼き」「山焼き」「ヨ シ焼き」「コロナ」「中止」などのキーワードを任意に組み合わせて検索し,新型コロナウイルス感染 症の影響で中止になった日本国内の火入れを記録した.その結果,14道府県18ヵ所の草原で火入れが 中止になっており,4県4ヵ所の草原で制限付きで火入れが実施されていた.これら,新型コロナウイ ルス感染症による半自然草原の火入れの中止は,草原の生物多様性や翌年以降の安全な火入れに影響 を及ぼす可能性がある.
著者
鳴橋 直弘
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
no.74, pp.17-21, 2020-03-31

日本産のバラ科キイチゴ属,トゲナシヒメバライチゴ,チチジマイチゴ,シモキタイチゴ,及びタイワンヤブイチゴの学名についての報告である.