著者
玉嶋 勝範 加藤 徳弘 吉松 英明 小野 元治 岡本 潤 宮崎 英一郎 岡崎 真一郎
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.156-161, 2009 (Released:2010-03-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

イチョウの害虫であるイチョウヒゲビロウドカミキリについて,イチョウの被害地域調査,成虫の発生調査法,果樹類で登録のある Beauveria brongniartii 剤の本虫に対する効果的な使用方法を検討した。大分県の本種によるイチョウの被害地域調査で,1991年報告の28市町村から新たに21市町村(旧市町村)を確認した。成虫は日中枯れた枝葉で静止していることが判明したことから,簡易な成虫の発生調査法として枯れ枝葉トラップを考案した。B. brongniartii 剤上に本種の成虫を 1回歩行させた後,20℃で飼育した結果,接種8~14日後に高率に感染・死亡することが判明した。ギンナン園において B. brongniartii 剤をイチョウのすべての主幹部(地上0.5~1.5m)に設置することによって,殺虫効果が認められた。