著者
レヴィン デイヴィッド レッドフィールド マイケル "ルーブ" フィゴニ ウイリアム
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要 (ISSN:0388757X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.127-137, 2006-03-31

本論は日本の大学で工学を専攻する日本人学生を対象とした読解力についての研究である。被験者となる学生は3つの大学に及び,学生の日本語と英語での読解力の差を検討した。日本語と英語の読解力において学力の混在したクラスの学生(2大学)のほうが推薦入試によるクラス(1大学)より読解力が優れていた。本研究により日本語で読解力の劣る学生は英語での読解力が劣ることが窺がわれた。この点は今後の課題となった。
著者
林 孝彦
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要 (ISSN:0388757X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.115-126, 2006-03-31

この論文は,ワールド・ワイド・ウェブ上の日本語のサイトを利用して日本語の学生のために開発した各種の学習活動の過程を説明したものである。この活動の目的は,中級及び上級レベルの日本語の学生に,クラス外で,多くの学生が楽しんでいるウェブ上のブラウジングをしながら,日本語でのインターラクションの時を過ごし,日本社会について学んでもらおうということである。日本のビジネス,政府機関,公益法人,大学といった日本語のウェブサイトやその一部分が,安定性及び興味深さに基づき選ばれた。これらのサイトは,教員が作成したホームページにリンクされた。これらのサイトからの文章は,抜粋され,語彙リスト,漢字の読み,理解力をチェックする質問と共に教員のホームページに載せられた。教員のホームページとリンクされたサイトの利用法のいくつかの例が論じられた。一つの活動では,学生は,まず,元々の文脈の中にある,これらのウェブサイトからの特定の文章を探して読むことを試み,その次に,教員のホームページ上で,直接,抜粋された文章と添えてあるサポート資料で学ぶ。この過程は,「一村一品」運動を紹介している大分県のホームページからの文章の一節で説明されている。スキャンした資料とオーディオ資料,そして日本語の電子メールの利用など,インターネットの他の可能な利用法も簡潔に説明されている。これらのアプローチを使う利点は,インターネットや電子メールの利用から多くの学生が感じている楽しみや動機づけがあることや,インターネットのマルチメディア能力,そして,現在の本物の資料へのアクセスができることなどである。論じられているこの方法の困難さは,ウェブが常に変わっていく性質を持っていることや,他の人によって作成されウェブに載せられた資料の適正な利用について不確定な点があることなどである。
著者
鈴木 裕子
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要 (ISSN:0388757X)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.137-154, 2008
被引用文献数
2

It is said that there has been a decline in the scholastic ability of university students in Japan, and the Japanese ability of those students today has declined as well. With this in mind, Nakamori and Yamada conducted research into the ability of students at Toyohashi University of Technology to read and write kanji in 2005. And we announced the results in the article. Therefore, we strongly felt the necessity to conduct research into the Japanese ability of students including kanji ability. So we conducted research on the ability of students at Toyohashi University of Technology to read and write kanji, proverbs, honorifics, kanji idioms, kanji radical identification, kanji stroke order, etc in 2006. The results of this research are presented in this bulletin and are divided into four separate article. The authors of these and the topics are as follows: General Remarks: Yasuyuki Nakamori Junior High School Level Kanji Ability: Yoko Yamada Proverbs, Kanji Idioms, and Kanji Radical Identification, etc: Hironobu Hibino Honorifics, Kanji Stroke Order, etc: Yuko Suzuki
著者
伊藤 光彦
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要 (ISSN:0388757X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.57-74, 2006-03-31

古英語期から現代にいたるまでに,各時代を通してケルト語彙が英語に借用されてきている(Ito, 1988a)。本論での主な研究目的は,ケルト借用語の中でもブリタニック系の語彙を英語母語話者がどの程度受容語として理解しているかを調査検証した。特に,受容度の点で性差があるか,また年齢差があるかを検証した。この他に,アイルランド語借用語(Ito, 1997, 2000b),スコットランド語借用語(Ito, 2003),フランス語経由のケルト語(Ito, 2000a)の理解度との比較を検討した。研究に当たり,利用するコーパスはSODとし,採取された48語を用いた。調査方法は,48語のリストを示しその意味,定義を別の一群から選びマッチングを被験者に求めるアンケート方式とした。アンケート用紙作成に当たり,著者のこれまでの研究と一貫性をもたせるため従来と同じ形式とした(Ito, 1997, 2003)。調査の対象は英語を母語とする成人男性,女性とした。男性被験者25名,女性被験者25名の回答から得られたデータをもとに分析および議論をした。分析,議論にあたり上記目的のみでなく,回答率,正答率,正答率の高い語,他の辞書における48語の扱い等についても検証を行った。
著者
村松 由起子 劉 偉
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要 (ISSN:0388757X)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.27-39, 2008

The purpose of this paper is to treat the differences in the use of the Japanese "-te" and "-to" complex sentences. For this study, a survey was first prepared on the improper use of "-te" and "-to" among Japanese language learners in China; it demonstrates the difficulty for Chinese learners to properly use these constructions. Subsequently, in this paper, the transposition of "-te" and "-to" are classified into three cases, which clarifies the conditions for their transposition.