著者
鈴木 裕子
出版者
早稲田大学ジェンダー研究所
雑誌
ジェンダー研究21 (ISSN:21857717)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.29-43, 2013-02-28
著者
木田 千晶 鈴木 裕子
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-28, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究では、「ママ友」との関係が構築されるプロセスを通して、子育てをする母親らの「ママ友」という存在の捉え方を明らかにすることを目的とした。それによって、変わりゆく社会の中で母親たちが求める子育て支援のあり方を検討するための基礎資料を得る。対象者は、第1子を幼稚園に通わせた専業主婦である母親7名である。妊娠の判明から就学直後までの他の母親との関係を半構造化面接によって調査し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。 その結果、4つのカテゴリー【存在を認識】【関係の質の判断】【自分の中での位置づけ】【関係の進展】及びそれに含まれる11のサブカテゴリー、32の概念が作成された。母親たちが「ママ友」という存在を捉えるとき、【存在を認識】することによって「ママ友」を意識し始め、多様な【関係の質の判断】をしながら、【自分の中での位置づけ】を行い、その後、【関係の進展】を経験することが認められた。母親らにとっての「ママ友」は、繰り返される関係構築のプロセスにおいて、その存在の捉え方が変化し続けることが示された。「ママ友」は、母親自身の子育て状況や周囲の環境の変化によって、ポジティブな存在にもネガティブな存在にもなり得る、決して安定した存在でないことが示唆された。
著者
鈴木 裕子 堀江 良一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.822-826, 2007-09-01

サマリー 慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia,CLL)は,低悪性度成熟B細胞腫瘍の一つである.CLLは,欧米では65歳以上の白血病の40%を占め,1年に10万人当たり3人の発症がみられるが,わが国では20~30分の1以下と稀である.CLL細胞の形態は,通常のリンパ球とは見分けがつかない.定義上は,大きさが赤血球の2倍以下の成熟した小型リンパ球で,細胞質に乏しく,核クロマチンが凝集し,核小体は見られない.CLLの約10%に経過の早いリンパ腫へと変化するものがあり,報告者の名前にちなんでリヒター症候群(Richter's syndrome,RS)と呼ばれる.一般に,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫へと変化することが多いが,ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma,HL)へと変化するものもある.RSの場合,それぞれの組織型に応じた治療が選択されるが,治療への反応が悪く通常1年以内に死亡する例が多い.化学療法での治療強度を上げても,寛解率の上昇にはつながらないとされる.治療後に部分寛解以上になったときに,造血幹細胞移植を行うことが最も長期生存が望めると報告されているが,わが国でのまとまった報告はない.
著者
櫻井 佳宏 鈴木 裕子 関場 大樹 廣瀬 悠基 南澤 忠儀 神先 秀人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab0697, 2012

【はじめに、目的】 動作中のかけ声の効果として,単関節運動において,最大努力時の筋出力の増大や最大収縮速度の上昇に有効であることなどが知られている.しかし,最大努力下における閉鎖運動連鎖での多関節運動中のかけ声の効果について検証した報告はない.本研究の目的は,最大努力下の立ち上がり動作における,かけ声の効果を運動学的および筋電図学的側面から検討することである.なお,本研究では,かけ声を「力を入れる時に発する声」と定義した.【方法】 対象は整形及び神経疾患の既往歴がない健常男性10名(年齢21.9±1.4歳,身長171.4±6.2cm,体重64.4±6.6kg)である. かけ声の効果をみるため,動作の遂行が限界に近い高さの台からの立ち上がり動作を,かけ声有り(有声群)とかけ声なし(無声群)の2条件で行わせた.最初に,各対象者が,体幹の回旋を伴わない,座位からの直線的な立ち上がり動作が可能な最低限の高さを,1cm単位で調節して決定した.その際,足部を椅子から10cm離して肩幅まで開き,足関節を中間位にして胸の前で腕を組むように指示した.次に,有声群には最も立ち上がりやすい時期に,できるだけ大きな声で「よいしょ」というかけ声を発しながら立ち上がるように指示し,無声群には息を吐きながら立つように指示した.各条件での立ち上がり動作を各3回ずつ行わせ,動作中の運動学的データと筋活動を三次元動作解析装置および表面筋電図を用いて測定した.動作開始は,矢状面上で頭部のマーカーが前方へ移動し始めた点とし,動作終了は頭部マーカーが最高位に達した点とした.また,動作開始から殿部離床までを第1相とし,殿部離床から動作終了までを第2相として相分けした. 三次元測定では赤外線反射マーカーを頭頂と左右の肩峰,股関節,膝関節,外果,第5中足骨頭の計13箇所に貼付し,サンプリング周波数60Hzで記録した.矢状面における頭頂マーカーの位置座標から,動作全体における頭部の平均運動速度と前後移動幅を算出した. 筋活動は右側の腰部脊柱起立筋(Es),外側広筋(VL),前脛骨筋(TA)の3筋を被検筋とし,サンプリング周波数は1200Hzで取り込んだ.筋活動開始時期は,整流波形において安静時筋電位の最大値を持続して超えた最初の時点とした.筋活動量は,動作全体および各相の積分筋電値(IEMG)を算出した.また,50msec毎のRMSを最大随意性収縮時に対する比率(%MVC)として算出し,経時的な活動パターンを追うとともにその最大値を解析に用いた. 統計処理は,各動作3試行の平均値を用いて2条件で比較をし,対応のあるt検定及びWilcoxon符号付順位和検定を行った.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 被検者には本研究の目的を口頭および文章にて十分に説明し,書面による同意を得たのちに測定を行った.【結果】 運動開始から筋活動開始までの時間は両群に差は認められなかった.計測した1つの筋が活動を始めてから,他の2筋すべてが活動を始めるまでの時間において無声群では216±108msec,有声群では148±95msecと,有声群で有意に短縮した. %MVCの最大値は両群とも殿部離床直後に記録され,Esの無声群が123±80%,有声群が157±118%となり,有声群で有意な増加を示した.他の2筋に関しては両群間で有意な差は認められなかった. IEMGは動作全体をみると,VLでは有意な差は見られなかったが,EsおよびTAにおいて有声群に有意な減少を認めた.相毎のIEMGでは,第1相においてはいずれも有意な差はみられなかったが,第2相においては,3筋とも有声群が有意な減少を示した. 頭頂マーカーの移動速度は,無声群が0.63±0.14m/s,有声群が0.79±0.15m/sと,有声群で有意に増加し,前後移動幅は有声群で有意な減少を示した.【考察】 最大努力下の立ち上がり動作時にかけ声を発することで,3筋による同時期の活動を促すとともに,離殿時期にEsの筋活動を高め,立ち上がり動作時の体幹前屈角度の減少を起こした.こうした体幹前屈の少ない動作パターンに変化させたことで,離殿以降の3筋の筋活動量や頭部の前後移動幅の減少をもたらしたと推測された. 本研究結果から,かけ声は,筋の協調的な活動や一時的な筋力の発揮を助けるとともに,動作全体における筋活動量や重心移動を抑える効果を持つ可能性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】 本研究により,動作中のかけ声の効果を,運動学的,筋電図学的に示すことができたと考える.また,本研究結果は,臨床において立ち上がり動作などを指導する際にも利用できると考える.
著者
鈴木 裕子
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.177-195,242-24, 1977-02-20 (Released:2017-10-05)

In March Cf 1868, the Meiji government's regulations against Christianity were made public. These new regulations in terms of content were inherited directly from the Bakufu. This decision was due to the complicated state of national affairs which included attacks on the government by the remnants of the Bakufu army and the ongoing clashes between foreigners and anti-foreigners. However, once these regulations were issued as law, the government had to preserve them, lest any change weaken its own authority and become a source of criticism against the government by those elements opposed to the new Meiji regime. The exiling of the thirty-four hundred Christians from Urakami Village in Nagasaki was the largest concession the Meiji government could make to foreign countries. This decision was implemented in December of 1869 despite delays resulting from the war. At first, the regulations concerning Christianity had no connection with the plan to make Shinto the established religion. However, this link was made during the government's efforts to retain the anti-Christian regulations. Accordingly, though the government promised generous treatment to foreigners after the Urakami villagers had been exiled, the government did not have any concrete plans to carry out its promise. Only in the fall of 1870 did Christianity become a subject of lively debate in the government, and that was simply because there was a fear of a problem possibly taking place in Kagoshima, the home of many important people in the government. The Ministry of Foreign Affairs, which had been receiving a constant stream of protests from foreign countries, understood that the problem of Christianity in Japan was an important one in foreign affairs. Yet, it had little power in the government and so did not participate in the making of government policy decisions concerning this issue. Nonetheless, the Foreign Ministry had continued to appeal to the government to keep the promises it had made to other countries. In the spring of 1871 the central government's suppression of the rebel forces ended in success. In July of the same year the "han" system was dissolved and replaced by the "ken" system of local government. As the government continued to centralize power and to institute organizational changes in the governmental system, it then began to show its willingness to change its policy by its handling of the Imari Incident in Saga and its release of those Urakami villagers who had given up their belief in Christianity. Also emerging at this time were demands for the end of any anti-Christian regulations by members of Japanese governmental missions in Europe and America. In February of 1872 when the government's concern over the discontented elements in Japan had come to an end, the enforcing of anti-Christian regulations also came to an end. In this way we can see that while the Meiji government's policy towards Christianity was a concern of Japanese foreign policy, essentially it was influenced more by domestic political factors and changes during this Period.
著者
磯村 正樹 鈴木 裕子
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 教育科学編 (ISSN:18845142)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.95-102, 2018-03-01

This study aims to demonstrate the factors that cause five-year-old children to derive joy from that of other children. Examples were collected over a year with regard to a class of five-year-old children for whom the principal author was responsible, and these examples were analyzed and discussed. As a result, as potential factors prompting children to derive joy from others, analysis was carried out on behavior toward other children, the behavior’s intention, identical experience, shared aims and behavior, sustained interest in other children, and chance. It was shown that the involvement of a mix of factors caused children to derive joy from that of other children, and it was suggested that such occurrences are related to a child’s sense of being useful, and his or her empathy and sympathy toward positive emotions.
著者
小切間 美保 西野 幸典 角田 隆巳 鈴木 裕子 今木 雅英 西村 公雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.81-87, 2001-04-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

鉄剤を緑茶で服用しても影響はないとする報告がある。しかし, これらの報告は年齢, 栄養素摂取状況などを十分に考慮した検討ではない。そこでわれわれは, 18-24歳の若年女性のべ50名の対象者を, 無作為にミネラルウォーターのみ服用 (Control 群), 市販緑茶飲料のみ服用 (Tea群), 鉄剤をミネラルウォーターで服用 (Fe群), 鉄剤を市販緑茶飲料で服用 (Fe+Tea群) の4群に分け鉄剤吸収実験を行った。また, 実験前2週間の食事調査も行った。鉄剤にはクエン酸第一鉄ナトリウム製剤 (鉄として100mg相当量) を, 緑茶ば市販の缶入り飲料を用いた。鉄吸収の指標として血清中の鉄 (Fe), 総鉄結合能 (TIBC), 不飽和鉄結合能 (UIBC), フェリチンの測定を行った。実験により, Fe群どFe+Tea群の間には有意な差はなかったが, これら2群は他の2群より血清鉄濃度は有意に上昇し, 血清不飽和鉄結合能は有意に低下した。これらの結果から, 若年女性においてクエン酸第一鉄ナトリウム製剤を市販緑茶飲料で服用しても鉄吸収が阻害されることはないと考えられた。
著者
小切間 美保 西野 幸典 角田 隆巳 鈴木 裕子 今木 雅英 西村 公雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.81-87, 2001-04-10
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

鉄剤を緑茶で服用しても影響はないとする報告がある。しかし, これらの報告は年齢, 栄養素摂取状況などを十分に考慮した検討ではない。そこでわれわれは, 18-24歳の若年女性のべ50名の対象者を, 無作為にミネラルウォーターのみ服用 (Control 群), 市販緑茶飲料のみ服用 (Tea群), 鉄剤をミネラルウォーターで服用 (Fe群), 鉄剤を市販緑茶飲料で服用 (Fe+Tea群) の4群に分け鉄剤吸収実験を行った。また, 実験前2週間の食事調査も行った。鉄剤にはクエン酸第一鉄ナトリウム製剤 (鉄として100mg相当量) を, 緑茶ば市販の缶入り飲料を用いた。鉄吸収の指標として血清中の鉄 (Fe), 総鉄結合能 (TIBC), 不飽和鉄結合能 (UIBC), フェリチンの測定を行った。実験により, Fe群どFe+Tea群の間には有意な差はなかったが, これら2群は他の2群より血清鉄濃度は有意に上昇し, 血清不飽和鉄結合能は有意に低下した。これらの結果から, 若年女性においてクエン酸第一鉄ナトリウム製剤を市販緑茶飲料で服用しても鉄吸収が阻害されることはないと考えられた。
著者
鈴木 真理子 鈴木 裕子 竹山 理恵 徳田 良英
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H4P3257, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】四肢運動時において重心移動が生じるため,姿勢の調節が必要である.姿勢は,筋収縮によって発生する反作用を見越して運動調節する機構により,簡単には崩れにくいように働く.このため,予測的な姿勢調節が随意運動に先行して行われる必要がある(吉尾ら. 2007).これを先行姿勢調節機構(Anticipatory Postural Adjustments:以下APA)という.APAの先行研究では上肢外転肢位で,落下する重錘を掴む際,主動作筋に先行して対側の体幹筋が活動し,重錘を放す際,対側の体幹筋が抑制する事が明らかになっている(Alexander, et al. 2001).本研究は,上肢前方挙上時の体幹のAPAを計測し,姿勢調節におけるさまざまなstrategyを類型的に把握し検討することを目的とする.【対象・方法】対象者は健常成人24名(男性14名,女性10名:平均年齢21.8±0.6歳,身長166.6±8.2cm,体重54.5±7.8kg)とした.実験装置は,被検者が立位で肩関節を90度屈曲した肢位の手掌から40cm上方に風船を設置した.実験課題は開始肢位は両上肢を体側に下垂した開眼立位とし,風船を合図無しに落とし,被験者は肩関節屈曲運動を素早く行い,風船を把持する事とした.上記課題はフォースプレート(Kistler社製,サンプリング周波数1KHz)上で行い,課題前後の重心の軌跡を測定した.右三角筋前部線維,両側外腹斜筋,両側脊柱起立筋の筋活動を筋電計(DKH社製EMG計測システム,サンプリング周波数1KHz)にて同期して計測した.また,ビデオカメラによって矢状面の被験者の姿勢と姿勢保持のためのstrategyを観察した.解析方法は,安静立位の開始時点から三角筋の筋活動の賦活開始時点までの体幹筋の筋電図の波形からパターンに分類し,姿勢・動作との対応を探った.【説明と同意】ヘルシンキ宣言に則り,対象者に研究内容を説明し,同意を得た.【結果】全被験者で,APAの出現後から上肢挙上運動開始までの間に重心が後方に移動した.重心の後方移動距離(平均±標準偏差)は(1.1±0.5cm)で,各群間で有意差はなかった(p>.05).筋電図の波形から,A群(5名),B群(10名),C群(9名)に分類した.各群の概要は以下の通りであった.A群は,三角筋が活動する100-200msec前に外腹斜筋が抑制,50-100msec前に脊柱起立筋が活性化した群である.ビデオ解析の結果,A群は立位姿勢のalignmentが比較的良好で, 課題時の重心の後方移動は全てhip strategyによって行っていた.B群は,安静立位時に外腹斜筋の筋活動が著明に認められないものである.外腹斜筋にAPAがみられず,三角筋が活動する20-80msec前に脊柱起立筋が活性化した. ビデオ解析の結果,B群10名全員の立位姿勢alignmentは概ね不良で,過半数は頚椎前彎と胸椎後彎が強く,骨盤が後傾した姿勢であった. 課題時の重心の後方移動は8名がhip strategy, 2名がankle strategyによって行っていた.C群は,外腹斜筋,脊柱起立筋にAPAがみられないものである. ビデオ解析の結果, 課題時の重心の後方移動はC群9名中, 7名がankle strategy, 1名がhip strategy,残りの1名が knee strategy によって行っていた.【考察】全被験者において重心が後方に移動しているのは,上肢前方挙上の際に,上肢の重みにより重心が前方に移動することを予測し,姿勢を保持するために無意識的に行われている.重心移動時に,各群間で筋活動が異なるのは,姿勢とstrategyの影響によると考える.まず,A群とB群においては,同じhip strategyによって重心の後方移動を行っている. A群においては外腹斜筋に抑制のAPAが生じたが,B群においては生じなかった.A群は安静立位で腹筋群を使用した良姿勢をとっており,脊柱起立筋に拮抗して外腹斜筋は抑制されたが,B群の安静立位は腹筋群をあまり使用しない不良姿勢であったため外腹斜筋に抑制のAPAが出現しなかったと考える.次に,体幹筋にAPAが生じたA・B群と生じなかったC群を比較する. A・B群はhip strategy, C群の多くはankle strategyにて重心の後方移動を行っている.よって,APAをhip strategyにて行った場合は体幹筋が, ankle strategyにてAPAを行う場合は体幹ではなく,下肢の筋活動が三角筋に先行する可能性が示唆された.【理学療法研究の意義】姿勢調節に重要なAPA出現の仕方を姿勢・動作との対応から類型的に把握することを試みたもので,パイロットスタディーとして意義がある.