著者
大野 雄子
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.61-71, 2008-03

自己愛の発達とその病理については,自己愛および,対象との関係に関する理論的考察や,幼少期の愛着と適応に関する諸研究によって拡充されてきた。とりわけ,親子間の相互作用についての研究は,自己愛性人格障害患者の早期の性格形成や,その行動の特徴の理解に役立つ現象に焦点を当てられてきた。自己愛の歪みは,青年期に自己同一性を獲得していくうえで,対人関係や進路選択を通し,他の立脚点に立てないということからくる苦悩としてあらわれる。青年期は,特有の自己愛の高まりがあり,大人になるうえで健康的な自己愛へと調整を図る最終段階なのである。本稿は,自己愛傾向が強く「いい子」と言われてきた青年期の女性が健康的な自己愛や対象関係を獲得していく過程を示し,青年期に見られる,傷つきやすさと防衛,対象関係における特徴について考察する。

1 0 0 0 OA 「物井」考

著者
菊池 良輝
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.31-49, 1991-03
著者
長戸路 雄厚
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
no.28, pp.1-10, 2006-03

地球温暖化に起因する地球環境破壊は、現代社会の懸案である。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の専門家は、このまま温暖化が続くと、21世紀末までに地球環境は大きく損なわれるであろうと警告している。生産部門や民生部門で大量に排出される二酸化炭素は、地球温暖化の最大要因である。本論文では、二酸化炭素排出ゼロの太陽光発電エネルギーを民生部門、特に一般家庭で活用することの重要性と最適性を主張する。
著者
小久保 美子
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.59-76, 2005-03

わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習の成果が生活に生きて働くものにはなりえなかった。読解力の低下、読書離れ、想像力の欠如、言葉の乱れ、コミュニケーション不全等々、国語の実態を憂うる声を聴いて久しい。このような現実態を考えたとき、子どもたちの言語生活の向上を企図した国語教育の改善は焦眉の課題である。本稿では、国語教育改善の方途として「言語生活論」を確立すべく、手始めに、言語能力主義の理論的基盤の一つとなった時枝誠記の言語生活論に焦点を当て、時枝の論がダイナミズムを内包する言語生活の実態から離れたものにならざるを得なかった根拠を明らかにしていく。
著者
長戸路 雄厚
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.15-27, 2001-02

最近のがん医療は、社会復帰後の生活維持が容易となるよう、高QOL(生活の質)を達成することに努力が注がれている。高QOL治療法として、近年放射線療法の一つである陽子線療法が着目されている。一方、ここ10年注目されている療法に遺伝子療法があり、そのうち免疫遺伝子療法は、人体が生来的に持つ免疫能を積極活用するもので特に期待が大きい。本論文では、陽子線療法と免疫遺伝子療法の併用をがん治療新機軸として提案し、その可能性を検討した。