著者
後藤 仁敏
出版者
鶴見大学
雑誌
鶴見大学紀要. 第3部, 保育・歯科衛生編 (ISSN:03898024)
巻号頁・発行日
no.51, pp.71-86, 2014-03

現在ではヒトをはじめとする哺乳類の歯の組織について、「エナメル質」「セメント質」「歯肉」というのが一般であるが、かつて日本では、「琺瑯質(ほうろうしつ)」「白亜質(はくあしつ)」「歯齦(しぎん)」という用語が使用されていた。事実、私が若い頃は、東京歯科大学の先生方は、「琺瑯質」「琺瑯質稜柱」「琺瑯芽細胞」という用語を使用されていた。私は、なぜ、東京歯科大学の先生だけがこのような「間違った」用語を使用するのか理解できず、不思議に感じていた。しかし、その後、調査した結果、じつは「間違った」のは私たちで、かつて1940年代までの日本では「琺瑯質」などの用語が一般であったことを知った。「エナメル質」が用いられ始めたのは1950年代からで、藤田(1957)以降急速に普及した。しかし、鶴見大学歯学部では松井隆弘教授により1981年まで「ほうろう質」が、東京歯科大学では1994年まで「琺瑯質」が使用され、それ以後「エナメル質」に変わっている。その経過と原因について追究した結果を報告したい。また、魚類の歯の外層については、「象牙質(dentine)」「硝子象牙質(vitorodentine)」「硬象牙質(durodentine)」「変化象牙質(modified dentine)」とか、「エナメル質(enamel)」「中胚葉性エナメル質(mesodermal enamel)」「間葉性エナメル質(mesenchyal enamel)」「エナメロイド(enameloid)」とか呼ばれてきた。私も、かつては「間葉性エナメル質」(後藤, 1976, 78, 88; 後藤・大泰司,1986)を使用していたが、最近は「エナメロイド(enameloid)」(後藤, 1987, 96, 99; 後藤ほか,2014)を使用するようになった。その経緯と、理由について述べる次第である。
著者
佐藤 英文 Hidebumi SATO
出版者
鶴見大学
雑誌
鶴見大学紀要. 第3部, 保育・歯科衛生編 = The bulletin of Tsurumi University. Pt. 3, Studies in infant education and dental hygiene (ISSN:03898024)
巻号頁・発行日
no.51, pp.11-17, 2014-03

幼児と小動物の関わり、特に殺してしまった体験について調べるため、保育者をめざす学生に対しアンケート調査を実施した。その結果、226名のうち224名(99.1%)の学生が何らかの形で小動物を殺した体験を持ち、その中でもアリ、ミミズ、ナメクジ、ダンゴムシなどの土壌動物が圧倒的に多かった。殺した理由を尋ねたところ主なものは、楽しかった、なんとなく、嫌いだから、うっかり、実験などであった。