著者
野口 法子 窪島 務
出版者
滋賀大学教育学部
雑誌
滋賀大学教育学部紀要, Ⅰ, 教育科学 (ISSN:13429280)
巻号頁・発行日
no.59, pp.163-172, 2009

読み書き困難児のカタカナに関する先行研究がほとんどないことにより、本研究では、まず、通常児のカタカナ書字の習得状況を調査し、その分析を行った。その結果、カタカナ書字は、清書・濁音・拗音ともプロセスに違いはあるが、3年生でほぼ習得され、4年生で完全に習得されることが分かった。次に読み書き困難児のカタカナ書字習得状況を分析してみると、清書・濁音・拗音のいずれかで当該学年に及ばないものが、17名中14名でそのうちの6名がすべてにおいて当該学年よりも2学年以下のレベルであった。また、カタカナとともに平仮名習得度も低い傾向にあり、そして漢字の習得度との関係は、本研究では明確な結果は得られなかった。
著者
井上 善之 窪島 務
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学教育学部紀要. I, 教育科学 (ISSN:13429280)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.53-61, 2008
被引用文献数
1

本研究は、発達障害に背景をもつ不登校に関する先行研究全体の動向を俯瞰し、全体を(1)症例研究(2)不登校全体に対する発達障害の割合を明らかにした研究(3)要因・病像・特徴に関する研究(4)不登校のタイプ分類に関する研究(5)実態調査に関する研究(6)不登校に対する援助、支援の在り方に関する研究に分類し、研究動向の概要を報告した。そして、発達障害を背景にもつ不登校への対応のあり方、不登校の予防について、先行研究の知見をもとに、教育現場における今後の課題を考察した。