著者
石井 光廣 加藤 正人
出版者
千葉県水産研究センター
巻号頁・発行日
no.4, pp.7-15, 2005 (Released:2011-03-05)

1)東京湾に発生する貧酸素水塊の分布(底層の溶存酸素量分布)と底びき網によるスズキの漁獲位置について水塊分布とスズキ漁獲位置との対応関係について検討した。2)春季-秋季に発生する貧酸素水塊の規模にともないスズキは東京湾の富津岬以南に移動すると考えた。3)夏季湾内に残っていたスズキは、貧酸素水塊を避けるように分布し、とくに貧酸素水塊と貧酸素水塊外の境界付近で多く分布することがある。
著者
庄司 泰雅 大畑 聡 三田 久徳
出版者
千葉県水産研究センター
雑誌
千葉県水産研究センター研究報告 (ISSN:13472534)
巻号頁・発行日
no.2, pp.7-13, 2003-03

1999年5月から2001年5月の間、バイのインポセックス個体が産卵可能であるかを九十九里沿岸及び内房富浦沖のバイトを用いて検討した。使用した材料の個体数は、九十九里沿岸で797個体、富浦沖65個体で、インポセックスを含めた雌雄比は、九十九里沿岸53:47、富浦沖33:32でほぼ1:1であった。殻長63~93mmの範囲において、インポセックスの発生率は、九十九里沿岸でも成東沖で65.4~92.6%、南白亀川沖で85.0~100%と地先により違いが認められた。内房富浦沖では100%であった。九十九里沿岸のバイの殻長とペニス長の関係は、雄個体では殻長に比例してペニスが長くなったが、インポセックス個体では、殻長70mm以上で特に比例関係は認められなかった。殻長70mm以上の生殖腺熟度指数(G.I)は、雄及びインポセックス個体で5~8月に高く、9月以降低下した。正常雌のG.Iが特にインポセックスのG.Iより高い傾向を示さなかった。成東沖の殻長51~59mmのバイでは、5月中旬でも生殖腺の発達は認められなかった。産卵時期の水温が、20℃以下で経過した年は、産卵不調に陥り、個体群の維持に影響すると考えられた。資源管理の面からは殻長60mm、もしくは70mm以上で漁獲するのが望ましい。
著者
田中 種雄 石井 光廣
出版者
千葉県水産研究センター
雑誌
千葉県水産研究センター研究報告 (ISSN:13472534)
巻号頁・発行日
no.3, pp.31-35, 2004-03

1)本県のタチウオの漁獲量は近年激しい変動を示し、まき網の減少が著しい(2000年を除く)。2)各地区の銘柄別体長組成は、駿河湾産タチウオの各年齢群の大きさに対応している可能性があるが、今後、耳石を用いた年齢査定により裏付ける必要がある。3)金谷港に水揚げされるタチウオについて、体長と体重、全長、頭長、体高の関係を求めた。4)内房、内湾域のタチウオは、エビ類主体の甲殻類とメゴチ、イワシ類主体の魚類を主に餌としている。同種のタチウオ、頭足類も胃内から検出された。5)生殖腺熟度指数の変化から、産卵期は4-10月で、盛期は9-10月と推定された。6)体長25cm前後では雄の割合が高く、大きくなるに従い雌が増加し、34cm以上では全て雌であった。