- 著者
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下瀬 良太
- 出版者
- 健康科学大学
- 雑誌
- 健康科学大学紀要 (ISSN:18825540)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.113-122, 2018 (Released:2018-08-10)
- 参考文献数
- 41
筋力の評価において最大筋力以外に筋力発揮率(RFD)の評価が推奨されている。RFD は筋力発揮開始時点から筋力上昇時における筋力変化の平均勾配から算出される指標であり、特に神経性因子を反映し、歩行などの日常生活動作との関連も強いものである。RFD は加齢とともに低下し、その低下は最大筋力の低下よりも早期に発生し、最大筋力の低下よりも大きい。また、疾患者のRFD は同年代の健常者よりも低下しており、介入により最大筋力の改善は認めていてもRFD は改善が不十分であることが多い。神経性因子を反映し有用な情報を得ることができるRFD であるが、臨床の中でのRFD は未だ十分な検討がされていない現状がある。そして、RFD 改善のためにもリハビリテーションなどの効果的な介入が必要であるが、RFD 改善のための介入内容について一定の見解が得られていない。より効果的なリハビリテーションを提供するためにも、RFD について今後の研究が期待される。