著者
村松 憲
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.274_3-274_3, 2016

<p> テニスにおいては「強い」ボールが打てることが競技力が高いことの一つの条件であると考えられる。本研究において「強い」ボールとは、ボールの速度-回転量グラフにおいてより「右上」(村松ほか2015)に位置するボール、すなわち同じ速度であればより大きな回転量、同じ回転量であればより大きな速度を持つボールのことであると定義する。「弱い」ボールはその逆とする。本研究は、強いボールが相手のショットを弱める効果があるのかどうか、という点について大学トップクラス男子学生テニス選手(1名)を被験者として検討した。ボールマシンから2種類の強さのボールを出し、それに対してフォアハンドグラウンドストロークで打球した。ボールマシンから出たボールと選手が打つボールの速度と回転量を、それぞれスピードガンと高速度カメラ(2000fps)で計測した。その結果、ボールマシンから出たボールが強いと、選手が打つボールが弱くなる傾向が明らかとなった。この原因について考察する。</p>
著者
澤田 誠 村松 憲 深澤 雄希 石黒 友康
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.D3O2176, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】臨床的に糖尿病患者において、四肢の末端を優位に感覚障害を呈する事が知られている。この感覚障害は糖尿病性神経障害に起因するものと考えられている。臨床で用いられる神経の機能評価の一つとして、感覚神経伝導速度(sensory nerve conduction velocity、以下:SCV)が挙げられるが、kimuraらの報告によれば健常成人の正中神経のSCVが61.9±4.2m/secであるのに対し、感覚障害を呈した糖尿病性神経障害患者の正中神経のSCVの平均が53.2m/secと大きく低下している。よって、SCVの低下により表在感覚の低下が引き起こされていると考えられてきた。しかし、本当にSCVの低下によって表在感覚の低下が生じるのかSCVと表在感覚の関係を詳細に解析した研究は殆どない。そこで、私たちは正中神経の経皮的冷却によって引き起こされる一過性の伝導速度の低下を用いて、支配領域である第2指から触覚・2点識別覚を測定し、SCVと表在感覚の関連性について検討した。【方法】対象は、健常成人10例(男性5名・女性5名・年齢21.4±0.8歳、体重59.1±9.5kg、身長168.8±10.3cm)とした。正中神経の冷却については、手関節腹側にコールドパックを置き、神経線維を経皮的に冷却した。SCVの計測は第3指末節腹側に刺激電極、手関節腹側、肘関節腹側に記録電極を設置し、第3指末節腹側の電気刺激をトリガーに記録を200回以上加算平均して計測した。また、触覚(定量知覚計、semmes-Weinstein Monofilaments)・2点識別覚(スピアマン式触覚計)は第2指末節腹側部にて行い、測定間隔は、安静時、冷却開始3分後、6分後、9分後とした。冷却によって皮膚温が7度以下に冷却すると凍傷が生じる可能性が存在するため、皮膚温が7度以下にならないように非接触デジタル温度計を用い、皮膚温が7度以下となった場合には直ちに実験を中止した。【説明と同意】本研究は、ヘルシンキ宣言に従って、研究に対する十分な説明を行い、同意を得られた被験者にのみ行った。また、健康科学大学実験倫理委員会の承認を得ている。【結果】経皮的に正中神経を冷却することによって正中神経のSCVは冷却前69±6.71m/secに対し、冷却9分後では57.8±4.2m/secと統計学的有意差を持って低下した(p<0.01)。しかし、定量知覚計、スピアマン式触覚計を用いた皮膚感覚検査では、冷却前後の測定値に変化は観察されなかった。さらに1g以下の微細な触覚についてsemmes-Weinstein Monofilamentsにて測定を行ったが、同様に感覚閾値の変化は観察されなかった。【考察】正中神経の経皮的な冷却によってSCVの低下が生じたにも関わらず、正中神経支配領域の触覚・2点識別覚の低下は観察されなかった。このような結果は神経伝導速度の低下が不足していたことに起因する可能性が考えられるが、藤村らの報告によると感覚障害を呈する糖尿病患者の正中神経のSCVは平均53.2 m/secであり、本実験で観察された冷却後の神経伝導速度57.8±4.2m/secと近似するものであるため上記の伝導速度低下の不足が原因であるとは考え難い。従って、本研究は臨床的に感覚障害が生じる可能性が高いと考えられている神経伝導速度だけでは糖尿病の感覚障害を説明し得ないことを示唆している。なぜ、臨床所見と本研究結果に乖離が生じてしまったかという点については、実際の糖尿病では神経線維そのものの障害だけでなく、感覚受容器や皮膚自身の変性等も生じることが予測される一方、本研究が冷却を用いて神経線維のみの機能を選択的に障害したことに起因すると考えられる。恐らく、「糖尿病性神経障害に伴う感覚障害」とされている病態は神経線維、感覚受容器、皮膚の変性などの複合的な要因によって生じるものである可能性が高い。少なくとも本研究において50 m/sec程度の神経伝導速度だけでは表在感覚の障害は生じないことが明らかにされたので、今後は神経伝導速度低下以外の何が表在感覚の低下に関与しているのか検討を進める目的で糖尿病患者の感覚受容器の機能や皮膚の性状などを調査していく必要があると考えた。【理学療法学研究としての意義】糖尿病診療ガイドラインに於いて運動療法が推進されており、今まで以上に理学療法士が糖尿病治療に対し、積極的に参加していく事が予想される。今回の研究では、SCVの低下と表在感覚の低下の関連性の低さを明らかにし、受容器の機能低下などの他の要因との関連性の再検討の必要性を示した。今後本研究が発展し感覚障害の原因究明が進むことで、感覚障害の予防に必要な要素を明らかにできると考えている。
著者
清水 肇 村松 憲仁 石川 貴嗣 宮部 学 山崎 寛仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

粒子の質量はヒッグス粒子によって創成されると考えられているが、その質量は非常に小さく、実質的に物質の質量を創る機構が他に必要である。南部陽一郎は、強い相互作用における自発的対称性の破れによって物質はその質量を獲得すると説明した。しかし、そのことを証明した実験はまだない。本研究はこの壮大なテーマに挑み、そのために必要な実験手段を開拓した。世界最高エネルギーのレーザー電子光ビームLEPS2を新たに開設し、1GeV領域の光子に対して世界最高エネルギー分解能を持つ電磁カロリメータBGOeggを完成した。この2つを組合わせることによって、計画通りのクォーク核物理研究環境を構築し、データ収集を行っている。