著者
三崎 隆 西川 純 桐生 徹 川上 早苗 水落 芳明
出版者
臨床教科教育学会
雑誌
臨床教科教育学会誌 (ISSN:1883180X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.111-119, 2013

本研究では,小学校第2学年から第3学年にかけてクラス替えが行われて『学び合い』の考え方による授業が始まった第3学年の新しい学級集団において,前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けた児童と前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けていない児童の学びの様態について調査を行った。その結果,次の点が明らかになった。教科に依らずいずれの授業においても,前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けた児童の方が,前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けていない児童よりも,一番分かりやすく教えてくれた人と回答される児童の割合が多い。教科に依らずいずれの授業においても,前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けた児童の方が,前年度に『学び合い』の考え方による授業を受けていない児童よりも,相手の理解の状況に合わせて理解を促すようにして教える姿勢が読み取れる。