著者
川上 裕司 清水 一郎 高橋 治男
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.249-256, 2002-12-15 (Released:2016-08-07)
参考文献数
29
被引用文献数
5 6

Fungi (eumycetes) isolated from the body surface of the cigarette beetles, Lasioderma serricorne Fabricius (Coleoptera: Anobiidae), were studied for their effect on food sanitation. The cigarette beetles were captured using a pheromone trap in 30 household kitchens in Tokyo, Saitama and Gunma prefectures from the end of July to the beginning of September, 2000. Each of the 150 captured beetles (5 beetles/house) was individually placed in a sterilization tube, with 1 ml of phosphate buffer. By shaking this tube with a touch mixer, the fungal spores adhering to the body surface of the beetle were separated. This extraction liquid was incubated on agar plates of potato dextrose (PDA), Czapek-Dox and Czapek yeast extract (CYA) at 25℃ and/or 26℃ for 5-7 days. Then, the colony grown on the plate was observed and identified on the basis of morphological characters. Consequently, 17 species of molds and about 5 species of yeasts were isolated from the body surface. Genus Aspergillus (12 isolates, 4 species) and genus Eurotium (8 isolates, 2 species) were predominant, followed by genus Penicillium (6 isolates, 4 species) and genus Arthrinium (5 isolates). Among the isolates of the toxigenic species including Aspergillus ochraceus, A. versicolor and A. fumigatus, ochratoxin A production by A. ochraceus were studied. Consequently, both isolates tested positive for toxin production. Moreover, the body surface of the cigarette beetles captured from the kitchens of 3 houses in Tokyo from the middle of August to the beginning of September 2001 was observed by a scanning electron microscope. Some fungal spores, similar to conidia of genus Aspergillus and genus Penicillium, were seen on the surface of the beetles.
著者
高橋 俊介 高橋 治美 井出 京子 竹内 智恵子 栗林 希代子 新美 三由紀 松島 凛太郎 田中 司朗
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.827-834, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

【目的】検査データによって栄養不良の入院患者を効率的にスクリーニングできる簡便な栄養評価基準として、Controlling nutritional status(CONUT)変法を設定し、その臨床的有用性を探索的に検討した。【方法】対象中の総コレステロール(T-Cho)測定率を求めた。CONUT法から入院中の依頼が少ない T-Choを除き、より依頼が多いヘモグロビン濃度(Hb)を加えた方法(変法)を設定し、さらに変法と CONUT法との栄養レベル判定の一致度、スコアの相関を求めた。【結果】T-Cho測定率は15.4%であった。変法と CONUT法の栄養レベル判定の一致度はκ=0.778、変法スコアと CONUTスコアの Spearman相関係数は rs=0.942であった。【結論】変法と CONUT法との栄養レベル判定の一致度、およびスコアの相関は共に良好であり、変法による評価は、ほぼ CONUT法同様に栄養不良の入院患者のスクリーニングに有用であることが示唆された。入院中に T-Choよりも検査依頼の多い Hbを用いることで、変法はより多くの入院患者の栄養スクリーニングが可能であった。
著者
柳原 崇男 高橋 治暉 伊勢 昇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00066, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
20

近年,我が国の総人口は減少傾向にある一方,65歳以上の高齢者人口は増加傾向にある.交通行動と健康に関する既往研究では,公共交通を利用すると歩行量が多く,健康への貢献があるとしている.しかし,実際に地域公共交通を対象として,医療費抑制効果を算出した例はほとんどない.本研究では,公共交通利用における歩行量データから医療費抑制効果検討した.本研究では,国土交通省のガイドラインの方法を用いて乗り合いタクシー利用による医療費抑制効果の算出を試みた.1日の歩行データから,乗り合いタクシー利用のみの効果を算出することは困難であり,公共交通利用による歩行増加量から算出した医療費抑制費から利用割合を乗じ算出したところ,乗り合いタクシー利用により約6,101円/年/人の医療費抑制効果があることがわかった.
著者
澤内 大樹 坂本 有希 高橋 治 佐藤 真里 八木 一正
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.11-14, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
15

近年、温室効果ガス増加による地球温暖化防止のため、カーボンニュートラルの観点からバイオマスを用いたエネルギーが注目されている。また、今年度から前倒し施行された学習指導要領では環境教育の一層の充実とともに学習内容が自分たちの生活と結びつく実感を伴った理解が強調されている。このような背景の下、本研究では岩手県の特産であるリンゴを用いた効率的なエタノール合成および教材への応用を視野に入れた研究を行っている。品種や酵母ごとでの検討の結果、糖度の高いリンゴほどエタノールの生成量が多く、酸度の高いリンゴほどエタノールの生成量が抑制される傾向が見られた。今後はサンフジについて、時間ごとでの生成量の変化や精製条件のさらなる検討を行う予定である。また、12 月上旬に授業実践を行い、生徒たちの環境・エネルギーへの意識の変化を調査する予定である。
著者
横山 耕治 川上 裕司 陰地 義樹 久米田 裕子 高橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.143-149, 2008 (Released:2008-10-07)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

Aspergillus section Nigri によるオクラトキシンの産生性や産生菌の分離頻度,分布に関する日本における報告はなく,Aspergillus section Nigri の詳細な分類に基づく調査研究が必要となった.山梨で行った調査の結果,A. niger チトクロームb 遺伝子に基づくDNA タイプAN-D-5, AN-D-7 の菌は,ほとんどはオクラトキシンを産生しないが一部の株でわずかながら産生が見られた.DNA タイプAN-D-4 のA. carbonarius は,オクラトキシン産生の主要な株で,産生量が多く産生株がほとんどではあるが,一部の株では同じ培養条件で産生が認められなかった.ぶどう園土壌および空中浮遊の菌は,ほとんどが,DNA タイプAN-D-1, AN-D-2 のA. japonicus とAN-D-5, AN-D-7 のA. niger であり,DNA タイプAN-D-4 のA. carbonarius は,土壌分離株129 株中1 株であり分離頻度は非常に低かった.収穫後の管理を適正に行えば,食品への汚染は極めて少ないと考えられる.
著者
高橋 治男 植松 清次 大泉 利勝 森 悦男 柳堀 成喜 一戸 正勝
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.41, pp.53-59, 1995
被引用文献数
3

Trichothecium roseum causes pink mold rot of muskmelons and tomatoes cultivated in greenhouses, and also produces trichothecin, a 12, 13-epoxytrichothecene. To clarify the pathogenicity and trichothecin production of T. roseum, mycological examination was carried out in 8 greenhouses in Chiba Prefecture. The contamination of muskmelon and tomato fruits with trichothecin was also examined. Trichothecium roseum was isolated from almost all of the moldy or discolored muskmelon and tomato fruits, as well as tomato stem dumped near the greenhouse. The fungus was found in the air of a greenhouse in which many moldy tomato fruits were present, but in none of the soil samples from the greenhouses tested. In an inoculation test, T. roseum isolated from muskmelon and tomato invaded and decayed the flesh of matured muskmelons. Moreover, almost all the isolates of T. roseum tested produced trichothecin on Czapek-Dox broth supplemented with 0.2% corn steep liquor cultured for 21 days at 25°C. Trichothecin was detected in moldy muskmelon and tomato fruits collected in the greenhouses.

1 0 0 0 OA 症例報告

著者
近川 美喜子 三代 納央美 高橋 治 栗岡 宏行
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.21, pp.63-71, 2010 (Released:2012-03-28)

1.咬合平面カントと片側臼歯部欠損を伴う成人反対咬合症例・・・近川 美喜子2.上下顎叢生症・・・三代 納央美3.非抜歯叢生症例・・・高橋 治4.抜歯部位を考慮した成人上下顎前突症例・・・栗岡 宏行
著者
田崎 耕市 高橋 治郎 板谷 徹丸 グレープス R.H. 鹿島 愛彦
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.155-160, 1990
被引用文献数
10

Many andesitic intrusions are exposed along the Median Tectonic Line (MTL) in northwestern Shikoku, Japan. Three dikes along the MTL and one intrusion occurring close to it were dated by the K-Ar method to estimate when the fault movement ceased. The dikes and intrusion are not deformed by the movement. The results give 15.1 to 15.4 Ma excluding severely altered one. The MTL in northwestern Shikoku region has not been active since about 15 Ma. Although a similar attenuation of active movement of the MTL during middle Miocene has been reported, the fault movement has continued in the other areas of southwestern Japan as demonstrated by Active Fault Research Group (1980). This may suggest that block displacement has been dominant since middle Miocene in the studied area. The age of the samples also indicates that the volcanic activity of Seto-uchi region started 15 Ma in northwestern Shikoku.
著者
高橋 治希
出版者
金沢美術工芸大学
雑誌
金沢美術工芸大学紀要 (ISSN:09146164)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.2-3, 2008

眼前の風景は現実でありながら、記憶の中で何度も反側した風景に組み込まれる時、心象の中で精錬され新たな風景に生まれ変わる。それは自己の世界観によって、眼前の風景が変換され、他の記憶の風景と新たな関係を結び出すということである。私は風景とは個人的なものであると同時に感性そのものであると考え、近年そうした風景の様を成長する木々の花や葉に滲むことに例えて表現している。
著者
高橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.133-138, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
49

1960年代に飼料用落花生粕に発見されたアフラトキシン (AF) はその発がん性や毒性の強さ, また, 汚染食品の広範さなどからマイコトキシン研究の中心となり, 食品などにおける汚染実態, 産生カビの分類・同定などについて, 夥しい報告が蓄積されてきた. この報告では, AF汚染, 中でも落花生とコーンを中心に, 汚染とその産生カビについて近年の研究成果を交え紹介する. また, 近縁化合物で同様に発がん性が知られるステリグマトシスチンについても概説する.
著者
神谷 有希 松野 俊一 田中 史朗 高橋 治海 山本 悟
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第55回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.148, 2006 (Released:2006-11-06)

<はじめに> 非浸潤性乳管癌(以下DCIS)の発見契機は、MMGでの微細石灰化や腫瘤・乳頭異常分泌である。MMG上では石灰化で検出されることが多いというのは知られているが、腫瘤・非対称性陰影・構築の乱れなどでも描出される。 今回は、非触知・US上所見なし・MMG上微小石灰化で発見されたDCISの症例を報告する。<対象> 女性 39歳<経過>2003年10月左乳頭異常分泌により当院受診 MMG・USとも異常なし 1年後のfollow up 2004年12月左MMGに集簇性、円形の微小石灰化 カテゴリー3 USは異常なし 6ヵ月後のfollow up 2005年6月左MMGに集簇性微小石灰化 前回より変化なし 6ヵ月後のfollow up 2005年10月前回の微小石灰化が一部線状 カテゴリー4 ステレオガイド下マンモトーム生検を実施<結果>生検の結果DCISであった。 触診では触れず、US上石灰化の場所が特定できず、ステレオガイド下においてフックーワイヤーを留置し、Bq+Axを行い、断端(-)であった。<考察> 乳癌は乳管上皮層から発生するため、ある時期には乳管の中に留まっており、その時期の癌は非浸潤癌である。この時期はまちまちであり、人により異なる。この非浸潤癌は癌細胞が乳管の中だけで増殖し、乳管内を進展するためリンパ節転移や遠隔転移をきたすことのない癌である。そのため、早期の発見が大切である。 集簇性の微小石灰化は乳がんを疑うものであるが、ごく狭い範囲に微小石灰化がある場合は良悪性の判断は困難である。 今回はfollow upしていたところ一部線状の石灰化が発生したため、マンモトーム生険を施行し、確定診断を行った。石灰化の位置がUS上で特定されなかった為、ステレオガイド下においてフックーワイヤーを留置し、手術を施行した。このように、エコー下にて病変部位が特定できず石灰化がある場合においての生険およびフックーワイヤー留置はステレオガイド下のマンモトームが大変有用である。
著者
関口 涼平 高橋 治久 堀田 一弘
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MPS-75, no.23, pp.1-6, 2009-09-03

本論文では,カーネル判別分析 (KDA) に基づいた新しい多クラス識別器を提案する.KDA は主にパターン識別の前処理として用いられ,線形判別分析を使う場合に比べ良い識別性能が出せることが知られている.しかしながら,その性能は SVM と同様カーネルパラメータに大きく依存し,学習における最適なカーネルパラメータを導くには膨大な事前実験を必要とする.このため学習そのものよりも事前実験に要する計算量が膨大になり応用の障害になっている.本論文では,KDA に対し,分離度の理論に基づいて最適なカーネルパラメータを自動決定するアルゴリズムを提案し,計算機実験によりその性能を評価する.SVM との計算機実験による比較により,提案手法が少ない計算時間でより良い性能を達成できることを示す.
著者
高橋 治
出版者
カモミ-ル社
雑誌
テアトロ
巻号頁・発行日
no.433, pp.p56-62, 1979-03