著者
西村 香奈絵
出版者
近畿大学全学共通教育機構教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 = Kinki university center for liberal arts and foreign language education journal. foreign language edition (ISSN:21856982)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.55-72, 2014-07-01

[要旨] 日本語の擬音・擬態語は, 表現数, 出現数が他言語と比べて多く, 創造性・生産性も高いと言われている. 本稿では, 擬音・擬態語が使用されやすいと言われている児童文学に分類されるBeatrix Potterの「The Tale of Peter Rabbit」等三つの物語とその日本語訳を取り上げ, それぞれで用いられる擬音・擬態語を抜き出し, その使用や表現方法を比較, 検討した. 英語原版では日本語より擬音・擬態語の表現数や出現数は少なかったが, 日本語にはない動詞語彙の意味の違いや文法的手段による表現の工夫が観察された. また, 英語原版で用いられた擬音・擬態語は, 語源がほとんど動詞であり, 上古の時代より音や様態などを表す語として副詞的に用いられてきた日本語の擬音・擬態語とは対照をなすことが明らかになった.
著者
坂野 久
出版者
近畿大学教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 (ISSN:21856982)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.79-98, 2012

著者専攻: ドイツ語学・社会言語学
著者
Squires Todd
出版者
近畿大学教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 (ISSN:21856982)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.287-306, 2011

著者専攻: 外国語習得[Abstract] Within mainstream L2 motivation research questions of gender and identity have yet to be adequately addressed. This is particularly troubling since in the past five years interest in identity and the "L2 self" have been the most highly written about topics in the field. The reasons why researchers have avoided the topic of gender and motivation is due to the restrictions of the privileged methodology, psychometrics. This paper introduces an alternative approach to gender and motivation based in psychoanalysis and Marxist theory and proposes that gender is a construct that is complicit in the reproduction of unequal relations in society. Data from a discussion between three men is introduced and discussed to highlight the ways in which they construct their masculinity in regard to the acquisition of English by appropriating hegemonic masculinity. [要旨] ジェンダーはどのように第二言語習得に関わっているか。その習得過程はどのように学習者のアイデンティティに影響があるか。第二言語学習におけるモチベーション研究は、主に社会心理学に基づいてきたが、この二つの問題は今まで明白にしていない。なぜなら、主流モチベーション研究方法は心理統計学が優先されているので、ジェンダーというのはただ男性か女性かその性的二形に限られている。本論文は、精神分析学やマルクス主義により人々が歴史的・社会的・経済的に構成されているかを考察する。ジェンダーも社会的に構成され、多様性があると論じる。英語習得する欲動と男性性の密接な関わりが男のディスカッションで互いに構成されるデータを紹介して分析する。