著者
Daniela SHIGA Takuji SHIRASAWA
出版者
高社研
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.4_20-4_20, 2011-09-29 (Released:2012-10-20)

When we discuss advances in longevity research during lectures and seminars, the question of the deciding factor for longevity often comes up. Even without looking at examples of research in molecular biology research, it is obvious to most that genetics play a major factor in longevity. The longest-lived human recorded was a French woman named Jeanne Calment, who died at age 122. All her family was long-lived. The quest for the identification of longevity genes by studying centenarian families has been explored for a decade, but no bona-fide longevity gene was identified. The environmental factors influencing the lifespan of human beings, such as nutrition, physical exercise, and mental relaxation play an important role in the determination of an individual lifespan. The mortality rates of lifestyle-related diseases such as heart disease, stroke, and cancer becoming getting higher and higher in Japan as well as in western countries where much of the population is graying. The preventive measures for lifestyle-related diseases such as nutritional intervention or regular physical exercise should be introduced for further extension of the healthy lifespan. Caloric restriction in experimental animals has been shown to extend the lifespan of animals with the decreased frequency of age-related diseases. Regular physical exercise stimulates the adipose tissues to secrete beneficial adipose hormones, such as adiponectin that suppress the progression of atherosclerosis and insulin resistance in type II DM and metabolic syndrome. In my presentation, I will focus on the Japanese-style diets, physical exercises, and challenging spirit towards life, of the people living in the Nagano prefecture village, which were enrolled in the study. Interestingly, the telomere length of the people in this village is significantly longer than the people living in other parts of Japan. The reason is, in my opinion, the fact that these villagers live in a pristine environment, at high altitude, having the walk up and down the slopes every day, thus doing a very healthy exercise without them even knowing. Most of them are involved in agriculture, mainly growing apples and grapes, as well as growing their own organic vegetables and gardening. The stress level of daily life is close to zero. The water source is clean springs coming off the top of the mountains; the air is clean and full of minus ions coming off the surrounding forests. These environmental factors may play an important role in the extension of healthy lifespan in longevity village in Japan.
著者
滝沢 茂男 高田 一 木村 哲彦 青木 信夫 牛澤 賢二 武藤 佳恭 牧田 光代 長澤 弘 遠藤 敏 増田 信次 川澄 正史
出版者
特定非営利活動法人 高齢市民が活躍するための社会技術研究会
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.114-118, 2015

目的:一つの器具により二つの目的すなわち,段差等のある家屋内で行う介護作業時に,取扱いが容易で自由な移動が可能な機器と高齢障害者が創動運動により介護から自立にすすめるためのリハビリテーション器具の双方の機能を利用でき,狭いスペースを有効に利用できる車輪移動式のリフトの開発を目的とした。段差が利用の障害になる使用環境に於いて,車輪移動式のリフトの実用性は低かった。対象:この欠点を補い,機能の高い器具を提供する為に,創動運動兼用リフト装置の部品研究:①滑動安定板(そり)を備え,移動用のキャスターを取付けた脚部,②昇降ガイド部(機器収納部,運転牽引アーム,昇降部,昇降駆動部,昇降駆動制御部からなる),③上肢訓練用部品懸架装置取付装置,④上肢訓練用部品懸架装置,⑤運転牽引アーム,⑥ブレーキ装置,⑦パワーアシスト機構と,完成した場合の利用意識調査を研究した。方法:部品を試作し,神奈川県産業技術総合研究所において,ソリはたわみ試験,脚部は段差乗り上げ試験,前輪段差乗り上げ繰り返し走行試験,負過重試験を行った。開発後の普及可能性調査のため,大都市圏である東京都,大阪府,京都府,愛知県と一部三重県の合計2000箇所の介護老人保健施設,訪問看護ステーション,特別養護老人ホーム,療養型病床群を持つ病院に対しアンケート調査,機器展示会における聞き取り調査を実施した。結果:現在使用中の部品強度による安全性を確認し,開発可能性を明確にした。特に,脚部構造物中央に70Kgの過重,引っ張り力245Nで繰返し試験を行った。ソリ及び構造物は壊れず,たわみ試験では,ステンレスソリ検査の結果,ブレーキに使用できる可能性を確認した。アンケート回答で,新しい考え方や方法に対して意欲的な姿勢を認めた。タキザワ式・ソリ付き歩行器の双方に関し,認知度は低いが関心は高かった。考察:商品化の可能性・重要性が確認できた。普及には,諸外国と同様な利用に関する法整備の必要性が明確になった。
著者
木島 英夫
出版者
特定非営利活動法人 高齢市民が活躍するための社会技術研究会
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.99-100, 2015
被引用文献数
1

私はバイオフィリアリハビリテーション学会設立時に会長を務めた。それまで21世紀リハビリテーション研究会と称したが、初代会長は滝沢恭子氏、2 代は福井圀彦氏、3 代で名称が替り、記名の学会になった。学会設立時の就任挨拶で、「介護・依存から自立へ・2025 年で16%弱と想定される要介護老人の発生を10%以下にする。を実現するため、会員諸兄の一層の研究努力を期待致します。」と述べたが、国内ばかりでなく、世界に目を向けた活動を継続している状況は期待に違わぬ活動と喜んでいる。<br>私がこの学会の会長に就任したのは、「寝たきりをなくすという滝沢茂男氏の努力がどのような結果をえられるか見守る」ことが中心であった。<br>氏は、政治家として大成することを嘱望された藤沢市の青年議員であった。高齢社会への深い洞察を持ち、広い視野を持っていたからこそ、誰も気づく事のなかった訓練結果と手法の特異性、そして手法のシステム化・プログラム化が可能なほどの合理性に気づき、市会議員の座を投げ打ち、引退する県会議長の出馬要請に応じることなく、この研究に取り組んだ。氏がこの国際活動を国内学会の部会として立ち上げ、部会長を務め、さらには国内学会全会員合意の下、独立組織に再編して、理事長として活動を継続していることは望外の喜びである。<br>思えば、志をたて、親である滝沢恭子氏の実施しているリハビリテーションの方法をシステム化し、着実に世に出す努力を続けていた氏から、「泣き言」といってもよい「僕がドクターならはやいのに」との言葉を聞き、私が協力を申し出てから、20 年を経た。当時理学療法士の参加による組織としてかなりの実績をあげていたが、論文発表をする医師はいなかった。そのままでは個人の経験が個人の経験のままで終わってしまったことであろう。元日本臨床整形外科医会故金井司郎理事長と相談し、論文採用に向けて、氏を全国の臨床整形外科医会々員に紹介し、説明に当たってもらい、その後論文をまとめて、発表したことは忘れられない。多くの藤沢市内臨床整形外科医会々員の協力も得て発表したこの論文が、学会へ進歩する基礎となった。当時、学会への組織変更にあたり、「思いたつ者はいても実現できるものはほとんどいない」として、監事を快諾する医師や、ES細胞を利用した神経伝達機構の再生を研究する部会を提案する内科医がいた。 <br>氏の提唱する、高齢障害者の自立こそが、団塊世代の高齢化に伴う社会崩壊を防ぐとの認識は、時代の移り変わりと共に重要になり、識者の中では共通の認識になっている。神経伝達機構再生研究の提案は実現できずに終わったが、世界で活動する本学会の今後の焦点として、分子遺伝学からの脳機能再建が課題になっていると聞く。今回PubMed 登録にむけて、日本語論文集を再編し、世界の読者へ知識を提供することになった。我々のこれまでの研究がまだ陳腐化していないことは医学改革の困難さを示している。ぜひ広く英知を集め、簡単ながら、効果の高いタキザワ式リハビリテーションがリハビリテーション医療の中核になるよう読者各位の研究参加、普及推進を期待している。
著者
太田 裕造
出版者
特定非営利活動法人 高齢市民が活躍するための社会技術研究会
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.6, 2013

ご出席の皆様、 <br>この度、キエーティ大学と「高齢市民が活躍するための社会技術研究会」との共催により、「第10回国際バイオフィリア リハビリテーション大会」が開催されることをお慶び申し上げます。 <br>このキエーティは、今から約400年前に、日本でキリスト教の布教にあたり、天正遣欧少年使節を率いたイエズス会士・アレッサンドロ・ヴァリニャーノ神父の故郷として知られています。このことが縁となり、キエーティ市と、使節が出発した九州の南島原市の間では、数年前から交流が活発化しております。今回、キエーティにて、本大会が開催されることにより、日伊交流の機運が更に高まることを願っております。 <br>日本とイタリアの間には、豊かな歴史や文化を持つ共通点に加え、平均寿命が高いといった共通点もあります。日本の平均寿命(2012年)は男性79.9才、女性86.4才、イタリアの平均寿命(2011年)は男性79.4才、女性84.5才との調査結果が出ております。世界の最長寿国でもある日伊両国の研究者が中心となり、貴重な発表や議論が行われることにより、生き甲斐のある豊かな高齢化社会に向けて本大会が大きく貢献されるものと信じます。 <br>本大会の成功を祈念して、私からの挨拶と致します。
著者
Mieczyslaw Pokorski Monika Bialkowska
出版者
高社研
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.13-16, 2014-09-05 (Released:2015-02-24)
参考文献数
12

Abstract Parkinson’s disease is underlined by insufficient neuronal dopamine (DA) content. DA is influential for breathing, particularly for hypoxic ventilatory responses, at both central and peripheral carotid body level. There are reasons to believe that breathing might be impaired in PD. We tested this hypothesis in the rat reserpine model of parkinsonism. Ventilation and its responses were recorded in a plethysmograph in conscious rats before and after the induction of parkinsonic symptoms. The findings are that the ventilatory hypoxic responses were substantially reduced in parkinsonism. The likely mechanism of reduced ventilation seems the missing stimulatory element of central DA. The study suggests that breathing rehabilitative exercise, possibly combined with home oxygen therapy, might be a potential countermeasure for deteriorating bodily and cognitive symptoms in parkinsonism.