著者
高田 一宏
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.180-191, 2008-06-30

教育をめぐる社会的不平等の克服をめざして、同和教育は学力保障の実践を積み重ねてきた。しかし、近年の調査によると、同和地区の子どもの学力低下は著しく、地区内外の学力格差は拡大する傾向にある。この論文では、先行研究を参照しつつ、同和地区の子どもの低学力要因と諸要因の関連構造を示した。さらに、学力保障の展望を探るべく、学校と家庭・地域の連携から生み出される社会関係資本の意義について述べた。同和地区の子どもの低学力は、不平等な機会構造、同和地区の下位文化と学校文化の不連続性、学校による下位文化の「再創造」、同和地区人口の流出入と若年層における就労の不安定化、消費社会化といった要因が複合的に作用した結果だと考えられる。地区の子どもの低学力問題の克服は容易ではないが、「効果のある学校」においては、学校・家庭・地域の信頼・協力関係が、学校内外の文化変容と取り組みの相乗効果をもたらしている。
著者
志水 宏吉 棚田 洋平 知念 渉 西田 芳正 林嵜 和彦 二羽 泰子 山本 晃輔 榎井 縁 内田 龍史 石川 朝子 高田 一宏 園山 大祐 堀家 由妃代
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の目的は、「マイノリティ集団に対する排除と包摂」という視点から、現代日本の学校教育システムが有する制度的・組織的特性とそこから生じる諸課題を把握し、その改革・改善の方途を探ることにある。そのために、「被差別部落の人々」「外国人」「障害者」「貧困層」という4つのマイノリティ集団を設定し、彼らに対する教育の場における排除を、1)彼らの教育機会の現状、2)それに対する当事者の経験や評価の2側面から把握する。
著者
高田 一 新谷 真功 松浦 慶総
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

人間(人体)は,実生活で種々の動的環境下にさらされている.この場合は作業性,たとえば,重機の運転・操作など,また振動・騒音を中心とした労働環境条件が問題となっている.これらは,作業者にとっては,(1)振動機械・工具などからの直接的外乱および,(2)視覚による外乱,つまり注視している対象物が揺れ動くことにより無意識の起こる人体の揺れ,あるいは,(3)聴覚による外乱,すなわち,まわりの音の強さが揺れることにより無意識に起こる人体の揺れ,などによる作業特性の低下などがあげられる.そこで,本研究では,視野が揺れることによる人体の振動(視覚的加振)および音源が揺れることによる人体の振動(聴覚的加振)を考え,人体の応答について,人体が直接,床振動により加速度入力され揺れる場合との比較を行う.また、人体の耐震機構を解明するため、人体モデルを樹脂とセンサ、アクチュエータで作製し、実験を行った。さらに、人体の姿勢制御を考慮して、人体の応答特性を持ったシミュレーションモデルを剛体リンクソフトにより作成した。この結果、人体の特性をよく表すモデルの作成に成功し、今後、種々の体勢での人体モデル作成の可能性が高まった。
著者
高田 一宏
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.73-90, 1994-10-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
18
被引用文献数
4
著者
滝沢 茂男 高田 一 木村 哲彦 青木 信夫 牛澤 賢二 武藤 佳恭 牧田 光代 長澤 弘 遠藤 敏 増田 信次 川澄 正史
出版者
特定非営利活動法人 高齢市民が活躍するための社会技術研究会
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.114-118, 2015

目的:一つの器具により二つの目的すなわち,段差等のある家屋内で行う介護作業時に,取扱いが容易で自由な移動が可能な機器と高齢障害者が創動運動により介護から自立にすすめるためのリハビリテーション器具の双方の機能を利用でき,狭いスペースを有効に利用できる車輪移動式のリフトの開発を目的とした。段差が利用の障害になる使用環境に於いて,車輪移動式のリフトの実用性は低かった。対象:この欠点を補い,機能の高い器具を提供する為に,創動運動兼用リフト装置の部品研究:①滑動安定板(そり)を備え,移動用のキャスターを取付けた脚部,②昇降ガイド部(機器収納部,運転牽引アーム,昇降部,昇降駆動部,昇降駆動制御部からなる),③上肢訓練用部品懸架装置取付装置,④上肢訓練用部品懸架装置,⑤運転牽引アーム,⑥ブレーキ装置,⑦パワーアシスト機構と,完成した場合の利用意識調査を研究した。方法:部品を試作し,神奈川県産業技術総合研究所において,ソリはたわみ試験,脚部は段差乗り上げ試験,前輪段差乗り上げ繰り返し走行試験,負過重試験を行った。開発後の普及可能性調査のため,大都市圏である東京都,大阪府,京都府,愛知県と一部三重県の合計2000箇所の介護老人保健施設,訪問看護ステーション,特別養護老人ホーム,療養型病床群を持つ病院に対しアンケート調査,機器展示会における聞き取り調査を実施した。結果:現在使用中の部品強度による安全性を確認し,開発可能性を明確にした。特に,脚部構造物中央に70Kgの過重,引っ張り力245Nで繰返し試験を行った。ソリ及び構造物は壊れず,たわみ試験では,ステンレスソリ検査の結果,ブレーキに使用できる可能性を確認した。アンケート回答で,新しい考え方や方法に対して意欲的な姿勢を認めた。タキザワ式・ソリ付き歩行器の双方に関し,認知度は低いが関心は高かった。考察:商品化の可能性・重要性が確認できた。普及には,諸外国と同様な利用に関する法整備の必要性が明確になった。
著者
屋代 春樹 高田 一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.714, pp.435-440, 2006-02-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

It is important to reduce the vibrations of an Interior Permanent Magnetic motor that is generally installed in electrical vehicles, fuel cell vehicles, and hybrid electrical vehicles. The purpose of the study here is to build up the torque ripple reduction methodology by controlling the working currents on IPM motor. The distributed winding IPM motor with 48 teeth on the stator and 4 pairs of poles on the rotor is treated. The relating equation between torque and three phase alternating currents is shown firstly, utilizing the torque that results from the Finite Element Analysis of the plane electromagnetic field. Secondly, high order currents are derived from the equation and superposed on the basic currents in order to reduce the torque ripple. Finally, the plane electromagnetic field analysis is performed again with the currents including the high order ones and a torque ripple reduction of more than 25 dB with a torque drop of 2.2% is obtained.

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著者
高田一彦著
出版者
[高田一彦]
巻号頁・発行日
1970
著者
高田 一宏
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.180-191, 2008-06-30 (Released:2017-11-28)

教育をめぐる社会的不平等の克服をめざして、同和教育は学力保障の実践を積み重ねてきた。しかし、近年の調査によると、同和地区の子どもの学力低下は著しく、地区内外の学力格差は拡大する傾向にある。この論文では、先行研究を参照しつつ、同和地区の子どもの低学力要因と諸要因の関連構造を示した。さらに、学力保障の展望を探るべく、学校と家庭・地域の連携から生み出される社会関係資本の意義について述べた。同和地区の子どもの低学力は、不平等な機会構造、同和地区の下位文化と学校文化の不連続性、学校による下位文化の「再創造」、同和地区人口の流出入と若年層における就労の不安定化、消費社会化といった要因が複合的に作用した結果だと考えられる。地区の子どもの低学力問題の克服は容易ではないが、「効果のある学校」においては、学校・家庭・地域の信頼・協力関係が、学校内外の文化変容と取り組みの相乗効果をもたらしている。
著者
高田 一慶 原田 宗彦 備前 嘉文
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.25-42, 2008-03-31 (Released:2010-07-27)
参考文献数
37
被引用文献数
3 7

Japan's unique corporate sports system has greatly contributed to the development and promotion of sports in Japan. However, due to the worsening economic development, the environment surrounding corporate sports organizations has been changing drastically. Especially, that of ball sports, among corporate sports, is very difficult. Given the change, it is necessary for sports organizations to understand behavioral and psychological characteristics of their spectators in order to set out significant marketing strategies for effective provision of sports products. In terms of understanding the characteristics, many previous researchers discuss the importance of finding and choosing an appropriate target market through segmentation of spectators in sports. Consequently, this study focused on the motivation of sports spectators. The purposes of this study were to understand the behavioral and psychological characteristics, segment by segment, and to compare and contrast the characteristics of spectators among everal sports leagues in Japan top ball sports. Scales based on the Sport Interest Inventory (SII) were used in this study. Exploratory factor analysis (EFA) was conducted first to detect the motivation factors of sports spectators, and then non hierarchical cluster analysis, using mean scores of each motivation factor, was conducted for classification of the spectators. The findings of this study reveal the existence of 10 factors regarding sports spectators' motivation, and be able to classify sports spectators into 5 clusters; "Fixed Fan" "Social Fan" "Potential Spectator" "Normal Spectator" and "Active Fan" according to the tendency of the mean scores and the demographic characteristics. Some implications were suggested from the study for further development of Japan's top sports.
著者
高田 一 佐藤 康頼 松浦 慶総
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.5_33-5_43, 2013 (Released:2013-11-22)
参考文献数
10

本研究では、車両の1/10模型の停止時あるいは走行時に正弦波加振し、脱線させ、脱線挙動、およびそのメカニズムについて解析を行った。さらに地震波形の振動特徴が違うことを考慮し、十勝沖地震、新潟県中越地震、能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震の地震波形を用いて、各地震波形の周波数特性の解析、および脱線挙動、脱線限界について検討した。その結果、走行中の方が停止中に比べて脱線確率が高く、また地震波加振の方が正弦波加振より脱線限界値が低いことが分かった。さらに地震波の周波数特性により、共振状態に近いと脱線限界値が走行中の方がばらつき、遠いと停止中の方がばらつくことが分かった。
著者
貴谷 光 高田 一郎 横田 聡 梶本 和宏 光延 文裕 御舩 尚志 谷崎 勝朗
出版者
岡山大学医学部附属病院三朝分院
雑誌
岡大三朝分院研究報告 (ISSN:09187839)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.17-21, 1994-09

多数のブユに刺されたのを契機に重症反応を呈するようになった29歳男性例について,アレルギー学的検討を行った。血清IgE値が高値(4591U/ml)であったが,免疫グロブリン,抗核抗体,血清補体価,CD4,CD8陽性リンパ球出現頻度などいずれも正常であり,またハウスダスト,カンジダその他16種類の吸入性抗原,ミツバチ,スズメバチ,アシナガバチ,ゴキブリ,ヤブカ,ユスリカなどの昆虫抗原に対する特異的IgE抗体はいずれも陰性であった。一方ニッポンヤマブユ抗原による好塩基球からのヒスタミン遊離は陰性であったが,皮膚反応,IgE抗体は陽性を示したことから,本症例における重症化因子としてIgE系反応の関与が示唆された。なおEBウイルス抗体価の検討では,EBV-EADR抗体はすべて陰性,EBNA-EIA抗体はIgG抗体のみ陽性であり,EBウイルスの既感染状態と判断されたが,病因との関連は明らかではなかった。Allergic examinations were studied on the 29 years old male case, who suffered from severe systemic reactions by black fly bites, after the episode of much black fly bites in 1987. The level of serum IgE was high in the case, and both skin reaction and specitic IgE antibodies to whole body extract of black fly (Simulium nacojapi) were positive. The results obtained here suggest that IgE-mediated allergic reaction would play an important role in the severe systemic reactions induced by black fly bites.
著者
松浦 慶総 高田 一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

最近の製造拠点の海外移転の加速により,製造業の空洞化が懸念されている.ものづくりの高度化による高付加価値製品の生産が必要であるが,熟練労働者の不足や熟練技能の継承問題が大きな問題となっている.そこで本研究ではアーク溶接技能を対象とし,技能動作と熟達度との関係について3次元動作情報と筋電位情報から抽出し,さらに熟達者の判定基準から熟達度を定量的に評価する方法の提案を行った.
著者
高田 一太郎
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.479-484, 1980-12-31

Cushing症候群13例(副腎腺腫6例,副腎過形成6例,副腎癌1例)における放射線学的検査を検討した。経静脈的腎盂撮影を施行した腺腫5例中4例に副腎部に一致して円型陰影をみとめた。副腎静脈撮影を行なった腺腫3例のうち2例では,tumor massを造影した。1例では直接腫瘤の造影は出来なかったが,他の検査との総合的結果から腺腫存在側が確定された。静脈撮影施行時に採血した血中cortisol測定では,左副腎静脈より採血可能であった腺腫例4例で,すべて直接,あるいは間接的に腫瘍存在側の診断が可能であった。^<131>I-adosterolによる副腎スキャンを施行した10例ですべて病因診断,ならびに腺腫存在側の診断が可能であったが,癌の診断はこれのみでは困難であった。