著者
萩原 涼太 山田 渉央 佐藤 直之 池田 心
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2016-GI-35, no.11, pp.1-8, 2016-03-01

本研究では,麻雀における 「相手の和了点数予測」 という部分問題を対象にその推定精度の向上を試みた.実験では,既存研究と同様にオンライン麻雀サイト 「天鳳」 の牌譜を学習用に用い,機械学習することで相手の和了点数を予測する.既存研究では比較的単純な重み付き線形和のモデルを使っていたのに対し,我々は特徴量のグルーピングおよび組み合わせによって複雑化されたモデルを推定に使用した.そのグルーピングと組み合わせの制御は局所探索法で自動的に行っている.これらのアプローチで性能が向上する事を確認した.さらに,我々は同じ問題に対して多層ニューラルネットワークによる学習も試みた.その結果,線形和モデルの場合よりも汎化性能が向上する事を確認した.
著者
田頭 幸三 但馬 康宏 菊井 玄一郎
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-34, no.9, pp.1-6, 2015-06-27

コンピュータによるゲームの思考アルゴリズムの研究は囲碁,将棋などのボードゲームに限らず,トランプゲームに対しても行われている.特に大貧民については,毎年,電気通信大学が UEC コンピュータ大貧民大会を開催している.この大会は,大貧民をプレイするクライアントプログラム同士を対戦させ,最も強いクライアントを決める大会であり,機械学習を用いた無差別級とヒューリスティックな戦略を用いたライト級の 2 つの部門がある.本研究では,コンピュータ大貧民大会ライト級のヒューリスティック部門に向けて製作し,優勝したプログラムから,戦略の一部分を変更した場合の強さの変化を比較することで,勝利するのに有効な戦略について分析を行った.その結果,勝利するには,しばりを発生させる場合は強いカードを持っている場合に優先する戦略,同じ枚数の組が多いカードを提出し,次の自分の番にカードを減らしやすくする戦略,勝てる可能性が高ければ強いカードから出す戦略の有効性が高いと判断できた.