著者
東 達也 池渕 秀治 内山 眞幸 織内 昇 絹谷 清剛 細野 眞
出版者
一般社団法人 日本核医学会
雑誌
核医学 (ISSN:21899932)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.27-43, 2016 (Released:2016-05-09)
参考文献数
64

要旨:我が国では急激な甲状腺癌の増加やRI 内用療法施設の実稼働ベッド数の減少などから,RI内用療法施設への入院待ち待機時間が延長し地域格差が広がっており,その現状はがん対策推進基本計画がめざす「医療の均てん化」とはほど遠い状況にある.2015 年国会においてRI 内用療法に関連する質問主意書が提出され,これに対しRI 内用療法は重点的に取り組むべき課題であるとの政府答弁がなされており,今後の研究・診療の推進等が期待されている.本稿では医療経済的考察も含めて我が国におけるRI 内用療法の現状と問題点をとりまとめ,甲状腺癌の将来的な疾病状況を予測の上,これに対応可能なRI 内用療法環境を提示し,欧米諸国の現状との比較も交えて,我が国のRI 内用療法のあるべき将来像を見据えた提言を行う.
著者
(公社)日本アイソトープ協会 医学・薬学部会 放射性医薬品安全性専門委員会 松田 博史 上原 知也 岡沢 秀彦 水村 直 横山 邦彦 吉村 真奈
出版者
一般社団法人 日本核医学会
雑誌
核医学 (ISSN:21899932)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.509-519, 2017 (Released:2017-02-24)
参考文献数
4

要旨:本調査は,平成27 年度に投与された放射性医薬品に関連して発生した副作用事例の発生頻度とその内容を調べる目的で実施された.調査は,調査票を核医学診療施設に送付して回答を求めるアンケート方式で実施した.調査対象1,274 施設のうち,981 施設より回答が得られた.副作用事例は15 件報告された.回答を得た981 施設における放射性医薬品の投与件数は1,056,828 件であった.副作用発生率は100,000 件あたり1.4 件であった.不良品事例の報告はなかった.