著者
黒瀬 豊敏 坂本 文信 上土井 大助
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.31-36, 2017-01-04 (Released:2018-04-05)
参考文献数
3

宇宙太陽光発電衛星に用いる大型構造物として,展開トラス構造物の研究開発を進めてきた.この構造方式は,シンプル/軽量で組立に高度な装置を必要とせず,数kmに及ぶ大型構造物を自動で軌道上に構築できる.現在は地上実証をほぼ終えた段階であるが,この技術により,これまでにない宇宙機を実現できる可能性がある.本論文では,展開トラス構造物の技術を用いたレーダ衛星の可能性,及び現在検討を進めている次世代降水レーダ衛星について概要を報告する.
著者
溝尻 征 嶋村 耕平 横田 茂 福成 雅史 斎藤 輝夫 立松 芳典 山口 祐資
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.24-26, 2019-04-01 (Released:2019-03-20)
参考文献数
5

サブテラヘルツ帯において303GHzレクテナを開発し,ジャイロトロンを用いた無線電力伝送試験を行った.アンテナはマイクロストリップアンテナを用い,導波管-マイクロストリップライン変換回路であるフィンラインを用いてアンテナを測定し,8.32dBiの利得が得られた.IRカメラを用いてビームプロファイルを測定し,レクテナへの入力電力を見積もることでRF-DC変換効率を評価した.最大DC出力電力およびレクテナ電力密度(単位面積当たりのDC電力)は,17.1mW, 3.43kW/m2であり,RF-DC変換効率は,342mWの入力電力と130Ωの負荷抵抗において,2.17%が得られた.
著者
柿沼 薫 エンギュイエン フロリアン 福成 雅史 小紫 公也 小泉 宏之
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-3, 2018-04-01 (Released:2018-04-06)
参考文献数
6

マイクロ波ロケットの実現化には高効率のビーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波集光を検討した.飛行高度に併せて焦点を変化させ,機体側の受電アンテナを小さくしつつ高効率な送電を行おうとするものである.結果,広い高度領域にわたり高い伝送効率が得られ,フェーズドアレイを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波発振器の数は1/6程度となった.
著者
柿沼 薫 エンギュイエン フロリアン 福成 雅史 小紫 公也 小泉 宏之
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.30-37, 2018-04-01 (Released:2018-07-21)
参考文献数
32
被引用文献数
4

マイクロ波ロケットなどのビーム推進打ち上げ機の実現には高効率のエネルギービーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてアクティブフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波のビーム径制御を検討した.飛行高度に合わせて発信アンテナの焦点距離を変化させ,機体側の受電アンテナを小さく保ちつつ高効率な送電を行おうとするものである.電磁波伝播解析の結果,広い高度領域にわたり高伝送効率が得られ,アクティブフェーズドアレイアンテナを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波出力は1/15程度となった.
著者
森 雅裕 長山 博幸 斉藤 由佳
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-7, 2016-04-01 (Released:2018-04-05)
参考文献数
4

宇宙太陽発電システム(SSPS)の開発を大きく前進させるために, 今なすべきことは何か. 世界のフロントランナー型プロジェクトの成功事例から, ビジョン及びイノベーションの重要性とプロジェクトを成功に導くクライテリアについて分析を行い, SSPSに期待されるビジョン(政策), 商用SSPSに求められる技術とコストを整理し, SSPSの開発の考え方や検討結果, SSPSの開発に向けての問題提起と考えるヒント等を紹介する.
著者
佐々木 謙治 伊地智 幸一 町田 宏隆 鹿志村 修
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.22-25, 2021 (Released:2021-03-10)
参考文献数
3

(一財)宇宙システム開発利用推進機構は経済産業省の下で,1993年よりSSPSの実現に向けての活動を開始し,現在2007年度に制定されたロードマップに従い,2050年の実用SSPSの実現を目指しての開発を進めている.現在は2024年からの宇宙実証フェーズ開始に向けて発送電一体パネルの開発,送電部の高効率化並びに長距離送電の実証の作業を実施している.本講演においてはその開発の開始時点から現在に到るまでの状況について簡単に紹介する.
著者
藤野 義之 井上 拓哉 小坂 優太 田中 孝治
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.42-46, 2021 (Released:2021-03-10)
参考文献数
5

現在,宇宙太陽発電(SPS)を実現させるために小型衛星を用いた実証実験が計画されている.実証実験においては,衛星から送信されるビーム形状を正確に評価することが必要となる.これまでは送信アンテナをパラボラアンテナとしてビーム形状を再現,評価してきた.今回,フェーズドアレーアンテナとした場合の基地局配置の指針を示し,二次元最小二乗法によってパターンを再構成し有効性があることを確認した.また,勝浦だけでなく,臼田を通る軌道をについて,その有効性や課題を示した.
著者
稲谷 芳文
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.74-79, 2020 (Released:2020-05-14)
参考文献数
11

スペースシャトル後の本格的な再使用宇宙輸送システムは未だ実現していない.シャトルの残した教訓と,次に我々が目指すべき宇宙活動およびこれを実現するための輸送システムのゴール設定の議論についてマーケットドライブの立場から述べる.またこれらの目標を達成するための技術の意味のゴール設定について述べ,現在行われている民間による再使用輸送系の実現の動きなどを概観し,つぎの展開に向けた考え方や進め方について議論するための材料を提供する.
著者
寺本 英央 定免 良太 田中 文明 池田 充貴 桐生 倖成 松下 幹弥 前中 寛裕 代 盼 陆 书龙 内田 史朗
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.8-11, 2018-04-01 (Released:2018-04-06)
参考文献数
6

L-SSPSにおける光電変換効率の向上を目的として,太陽電池に入射するレーザ光の波長依存性の検討を行った.バンドギャップエネルギーの異なるInGaP,GaAs,InGaAsP,InGaAsの4つの単セル太陽電池と,それぞれのバンドギャップに対応した異なる波長の半導体レーザを複数用意し,その変換効率を調べた.その結果,いずれの太陽電池でもバンドギャップエネルギーよりも約100meV高いレーザ光を照射した時に最も変換効率が高くなることが分かった.
著者
石原 博幸
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.5-10, 2019-04-01 (Released:2019-03-20)
参考文献数
35

宇宙太陽発電のコンセプトが発表されて50年が経過した現在,多くの要素技術が発展を遂げ,技術レベルとしては実現一歩手前のところまで来ている.しかし,日本のみならず諸外国においても,本技術の開発に向けた多額の公的資金援助が得られないため,次のステップに踏み出せない状況が続いている.このような状況が長く続くと,閉塞感が醸成されることになり,開発の妨げとなる可能性がある.こうした状況を打破するため,本研究では,民間のベンチャー企業の参画を第一の課題として挙げ,そのための資金調達の方法を具体的に検討した.また,資金調達,人材確保を目的とした認知度の向上を第二の課題として挙げるとともに,第三の課題として,国際協力の必要性を挙げ,具体的な方法を検討した.
著者
菅沼 悟 グエン ドゥク フン 宇野 直樹 嶋村 耕平 森 浩一 横田 茂
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.20-23, 2019-04-01 (Released:2019-03-20)
参考文献数
7

ミリ波帯での無線電力伝送はビーム拡散を抑制でき,面積に限りのあるドローンには適している.本研究では,定点で飛行しているドローンに向けて地上から28GHzの電磁波を照射し,ドローンに取り付けられたレクテナへの給電を行った.その結果,ドローン飛行中に最大47mWのDC電力を受電し,高さ80cmで6秒間の連続DC出力に成功した.この結果をもとに,ドローン制御に求められる要求と高度50mで達成しうる最大効率を計算し,5.8GHzに比べ優位性があることを示した.