著者
柿沼 薫 エンギュイエン フロリアン 福成 雅史 小紫 公也 小泉 宏之
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-3, 2018-04-01 (Released:2018-04-06)
参考文献数
6

マイクロ波ロケットの実現化には高効率のビーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波集光を検討した.飛行高度に併せて焦点を変化させ,機体側の受電アンテナを小さくしつつ高効率な送電を行おうとするものである.結果,広い高度領域にわたり高い伝送効率が得られ,フェーズドアレイを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波発振器の数は1/6程度となった.
著者
柿沼 薫 エンギュイエン フロリアン 福成 雅史 小紫 公也 小泉 宏之
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.30-37, 2018-04-01 (Released:2018-07-21)
参考文献数
32
被引用文献数
4

マイクロ波ロケットなどのビーム推進打ち上げ機の実現には高効率のエネルギービーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてアクティブフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波のビーム径制御を検討した.飛行高度に合わせて発信アンテナの焦点距離を変化させ,機体側の受電アンテナを小さく保ちつつ高効率な送電を行おうとするものである.電磁波伝播解析の結果,広い高度領域にわたり高伝送効率が得られ,アクティブフェーズドアレイアンテナを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波出力は1/15程度となった.
著者
浅川 純 小泉 宏之 西井 啓太 服部 旭大
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.296-301, 2018-10-05 (Released:2018-10-05)
参考文献数
21

超小型深宇宙探査機EQUULEUSは,2020年にNASAのSLSによって,メインペイロードである無人宇宙船Orionの副ペイロードとして打ち上げ予定のキューブサットである.EQUULEUSのミッションの一つが太陽-地球-月系における軌道操作技術の実証である.その核となる技術が小型水レジストジェットスラスタAQUARIUSである.AQUARIUSには,軌道遷移と姿勢制御の2種類の推進性能が要求される.水を推進剤として共有利用することで,2種類の推進性能を確保しつつ,高圧ガスシステムから脱却した小型推進系が実現される.また,安全無毒で取扱い性が良い水は,相乗り打ち上げされることが多い小型宇宙機との親和性が高い.AQUARIUSのエンジニアリングモデルを開発し,探査機構体に組み込んだ状態で性能評価試験及び環境試験を実施した.小型宇宙機という特徴を生かし,探査機を丸ごと用いて推進系の作動試験を実施することで,電源系や熱系等も考慮しつつ,推進性能を統合的に評価した.本稿では,AQUARIUSエンジニアリングモデルの開発状況について概観する.
著者
伊勢 俊之 月崎 竜童 都甲 浩芳 小泉 宏之 國中 均
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.212-218, 2014 (Released:2015-08-20)
参考文献数
12

The microwave ion thruster μ10's ion beam current saturated at a large mass flow rate when propellant gas was injected from a waveguide inlet and it was improved by additional propellant inlets to a discharge chamber. In order to understand the mechanism of these phenomena, it is important to measure distributions of the microwave electric field inside the discharge chamber, which is directly related to plasma production. In this study, we applied an electro-optic (EO) probe to measuring the microwave electric field. The probe contains no metal and can be accessed in the discharge chamber with less disruption to the microwave distribution. We measured electric-field profiles along the centerline and in the ECR area of μ10 with the EO probe. Consequently, this paper revealed that when the propellant was injected from the waveguide inlet, microwave was reflected in the waveguide at large mass flow rate, which disturbed a propagation of microwave to the ECR area. It also revealed that when the propellant was injected from the discharge chamber inlet, the mass flow rate where the microwave reflection occurred shifted to larger rate, which resulted in the increase of the beam current.
著者
小泉 宏之 船瀬 龍 鷹尾 祥典 中野 正勝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

本研究の目的は,推進剤として水を活用し3種類の高効率/大推力/多軸制御可能なスラスタを統合させたオールラウンド超小型推進系を実現させることである.この目的に向けて平成29年度の下記3つの柱の研究を進めた.1.水イオンスラスタ.本年度は下記4項目の実験および数値計算研究を実施した:1A:実験におけるイオン生成コストの低減,2B:電子電流増加のための基礎実験および作動モード確認,1C:3D-Full-PICプラズマ解析コードの発展(昨年度の多種イオンの強化および負イオン導入準備)および同コードを用いた推進剤流入位置検討,1D:全孔ビーム計算の確立.特に,1Aにおいてはイオン生成コストの143 W/Aまでの低減に成功し,1Dにおいては世界的にもイオンスラスタとして初となる全孔計算の成功とその必要性を示すことに成功した.2.水レジストジェットスラスタ.同スラスタの微小・希薄ノズルにおける低Re数の効果として,先行研究科から指摘されている境界層(粘性)の他に,背圧依存性が大きいことを見出した.また,水質量のリアルタイム測定方法を確立し精度の高い比推力評価方法を確立した.実応用面では気化室を統合したBBMおよびEMによりスラスタ作動の実証に成功した.3.排熱利用衛星設計.最終目的は,衛星システムの排熱を本スラスタへ利用するための最適な気化室設計とコンポーネント配置設計を行い,実機モデルを用いて実証することである.このために本年度は,昨年度に実施した6U CubeSatの水レジストジェットスラスタの熱設計結果を最適化するとともに,そこで得られた知見を,CubeSatの機器配置設計と熱設計の同時最適化手法としてまとめた.これにより,他機器の排熱を最大限活用した,衛星全体の電力使用量の最適化(最小化)が可能となった.