著者
窪田 諭 井上 明日香 関 和彦 安室 喜弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
インフラメンテナンス実践研究論文集 (ISSN:2436777X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.224-232, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
17

国土交通省は,橋梁の維持管理の効率化と高度化を図るために,3次元モデルの活用を推進している.既設橋梁においては,紙図面から精確な3次元モデルを生成することは容易ではない.また,図面が残されていない橋梁も多く,点検時に図面を参照することや点検結果を図面に記録できない課題がある.本研究では,3次元モデルを維持管理に関する情報を記録するための基盤とすることを目的として,地上型レーザスキャナ,UAV搭載型カメラとMobile Mapping Systemにより実橋を計測したデータから生成した点群データにパラメトリックモデリングを適用し,3次元モデルを構築する手法を提案した.各計測機器により取得した実橋の点群データを用いて提案手法を検証し,データが一部欠損していても3次元モデルを構築できることを示した.
著者
福澤 樹 魚地 眞道 伊藤 壱記 桃谷 尚嗣
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
インフラメンテナンス実践研究論文集 (ISSN:2436777X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.213-217, 2022 (Released:2022-03-14)
参考文献数
3

TC型省力化軌道は,まくらぎ下のバラストをセメント系てん充材で固定化した軌道構造であり,つき固め等の補修作業を必要としないことを目的に開発され,敷設が進められている.その多くが良好な軌道状態を保っているが,一部の箇所では軟弱な路盤上に敷設されており,高低変位(レール上下方向の変位)の進みが大きく,保守に苦慮している.そこで,てん充層下の路盤改良を目的とした,あとてん充工法を営業線で施工し,施工性および営業線条件下での基本性能について確認した.
著者
浅野 和香奈 岩城 一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
インフラメンテナンス実践研究論文集 (ISSN:2436777X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.60-69, 2022 (Released:2022-03-14)
参考文献数
8

著者らは,2012年から福島県平田村で村民と学生による協働の道づくり,2013年には小学生による橋の名付け親プロジェクトを実施した.この2つのプロジェクトを進める中で,将来的に市民が地域の橋を守る仕組みを構築したいと考えた.2015年度から試行を繰返し,住民でも橋の点検ができる簡易橋梁点検チェックシートでの点検,橋の汚れを見える化した橋マップを確認し,清掃活動につなげる「橋のセルフメンテナンスモデル」を構築し,平田村をはじめ各地に展開した.その結果,セルフメンテナンスの参加者が増えたため,著者らが立ち会わなくても自発的かつ安全に活動を行えるよう「10の活動に際する規約」を作成した.規約の内容や趣旨を理解できるか,予見できる危険に見落としが無いかなどを調査するために,アンケート調査を実施し,内容の改善を図った.