著者
浅野 和香奈 岩城 一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
インフラメンテナンス実践研究論文集 (ISSN:2436777X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.60-69, 2022 (Released:2022-03-14)
参考文献数
8

著者らは,2012年から福島県平田村で村民と学生による協働の道づくり,2013年には小学生による橋の名付け親プロジェクトを実施した.この2つのプロジェクトを進める中で,将来的に市民が地域の橋を守る仕組みを構築したいと考えた.2015年度から試行を繰返し,住民でも橋の点検ができる簡易橋梁点検チェックシートでの点検,橋の汚れを見える化した橋マップを確認し,清掃活動につなげる「橋のセルフメンテナンスモデル」を構築し,平田村をはじめ各地に展開した.その結果,セルフメンテナンスの参加者が増えたため,著者らが立ち会わなくても自発的かつ安全に活動を行えるよう「10の活動に際する規約」を作成した.規約の内容や趣旨を理解できるか,予見できる危険に見落としが無いかなどを調査するために,アンケート調査を実施し,内容の改善を図った.
著者
何 宗耀 前島 拓 白井 悠 髙田 厚 岩城 一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_163-I_170, 2021

<p> 本研究は,大学構内において放熱管を埋設したコンクリート舗装を作製し,熱媒体の種類,温度,および放熱管のかぶり厚さが路面温度および融雪効果に及ぼす影響について検討した.その結果,屋外に設置したタンク内の水を舗装体内に循環させることにより,夏期における路面温度上昇と冬期における路面凍結の両方を抑制し得ることを示した.また,福島県郡山市の気候においては10℃程度の水を循環させることで,放熱管のかぶりが70mmという条件においても十分な融雪効果があることを明らかとした.さらに,3次元有限要素解析により,路面温度上昇と路面凍結の抑制に有効な循環水の温度を提案した.</p>
著者
飯土井 剛 前島 拓 子田 康弘 宮村 正樹 上田 洋 石田 哲也 岩城 一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.67A, pp.659-672, 2021 (Released:2021-04-16)
参考文献数
11

The objective of this research is to investigate future maintenance methods focusing on water behaviors in the PC superstructure of the road bridge that has been in service for 23 years after construction under severe chloride environment. In the detailed investigations from 8 years ago, it was found that this bridge was deteriorated by corrosion of epoxy coated reinforcing bars and remarkable pop-out of concrete inside box girders due to the action of water. After various countermeasures to control water inside concrete, it was revealed that no remarkable deterioration was found in 2019. Based on these results, the maintenance methodology from the viewpoint of water was proposed.
著者
岸 利治 岩城 一郎
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

デジタルマイクロピペットを用いてコンクリートの鉛直面に一定量の水を一定時間間隔で複数回流下させ,所定の回数だけ流下させた後に流水距離を測定するという極めて簡易なコンクリート表層品質の評価手法(繰り返し流水試験)の開発を行った。コンクリート鉛直面を流れる流水は蛇行や分岐をしがちであることから、適当な流水ガイドについて検討し、コンクリート表面に鉛筆で平行な二本の直線を約5mm間隔で罫書いたものが最も理想的な流水ガイドとなると結論付けた。測定者一人で簡便に測定ができるように更に治具を工夫することで、表層品質簡易測定方法として活用できると考えている。