著者
品野 勇治
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.247-253, 2014-05

最適化研究におけるアプリケーション駆動研究サイクルを紹介する.アプリケーション駆動研究サイクルは,学術機関での研究と企業における研究成果の利用とのつながりを良くする点では優れている.一方で,ソフトウェア開発・維持に多大な労力を要するため,日本の大学や研究機関における実施には困難さが伴う.ZIBにおいてアプリケーション駆動研究サイクルが,比較的うまく機能している背景を説明する.また,日本においてアプリケーション駆動研究サイクルを活性化するための第一歩として,論文投稿時に,論文中の数値実験に利用した全データ提出の義務化を提案したい.
著者
今野 浩
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-21, 2015-01

今から10年ほど前に,本誌上で20回にわたって,「OR40年」という随想を連載する機会があった.学生時代以来40年に及ぶ,ORと筆者とのかかわりのほぼすべてについて記したものである.今回はその続編として,その後10年の間に,筆者がどのようなことを考え,どのようなことをやってきたかについて記すことにする.
著者
田中 敬一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.138-143, 2015-03

ファイナンスの話題から1次元拡散過程の最適停止問題の基本的な解法について論じる.初到達時刻に深く関連する関数を用いた変数変換により,ある関数のグラフから継続領域・停止領域の識別が視覚的に可能となり,議論が見通しよくなる.また,一定条件下で,価値関数の有界性や最適停止時刻の存在・構成が保証されているので有用である.具体例として,リアルオプション,アメリカ型オプション,保有証券の最適売却戦略の問題を議論する.