著者
三木 彰馬 榎原 博之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.651-659, 2019-02-15

本論文では代表的な組合せ最適化問題の1つである巡回セールスマン問題(TSP)に注目し,深層学習を適用した解法を提案する.本手法では,畳み込みニューラルネットワークを用いて最適経路を画像として学習することで,最適経路に含まれうる辺の分布である優良エッジ分布を求め,これにより計算される辺の評価値である優良エッジ値を利用して近傍探索を行う.この提案手法の性能を調べるために実験を行い,解の精度向上において有効であることを示す.
著者
松崎 頼人 榎原 博之
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-7, 2011-05-10

本論文では,センシングにより家庭環境を快適にするスマートホームシステムのホームサーバを利用して,地震災害時における被災状況の確認や被災者の救助支援に応用するシステムを提案する.本システムは,緊急地震速報を感知するとホームサーバが必要に応じて近隣のホームサーバと通信を開始し,アドホックネットワークを構築する.各ホームサーバ同士は通信により情報を共有し合うことで,地震発生後に在宅情報などから生き埋めなどの被災者を特定して,救助要請 MAP を作成する.救助要請 MAP は付近のホームサーバからモバイル端末により取得できるため,救助隊や地域の住民が利用することにより救助活動を効率的に行うことが可能となる.本提案を実現するためには,公園や工場などホームサーバが導入できない場所による通信の切断の問題を考慮しなければならない.そこで,そのような場所にホームサーバ同士の通信を補助するための中継機を設置することを提案する.性能評価として,無線 LAN の通信について実測実験を行い,それを基にシステムをモデル化してシミュレーション実験を行う.その結果,本提案を実現するために必要なスマートホームの普及率を示すことができ,中継機の設置によりシステムの有効性が格段に上昇することが分かった.In this paper, we propose a system for damage check and rescue support of the victims in an earthquake disaster, using home servers of smart homes that realize a comfortable home environment by sensing. This system is starting communication with a home server and neighboring home servers, and set up ad-hoc networks, when it detects the Earthquake Early Warning. By sharing information with each other through communication, each home server identifies victims(buried etc.) by information (such as being at home) after the earthquake, and makes a Rescue Request MAP. As we can get the Rescue Request MAP by mobile devices from the neighboring home servers, this system can efficiently help rescue operations by rescuers and local residents. To achieve this proposal, we must consider unconnected communication, because the home server can't be put in park area, factory area, and so on. Therefore, we propose to set repeaters to aid communication between home servers. In order to evaluate performance, we measure actual experiments for wireless LAN communication, and perform simulations with modeling systems based on actual experiment results. As a result, we showed the penetration of smart home that needed to achieve this proposal, and found that setting repeaters significantly increases the effectiveness of this system.
著者
榎原 博之 中山 弘基 飯田 修平 長辻 亮太
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.331-342, 2016-01-15

近年,メタヒューリスティクスは組合せ最適化問題を解く手法として多くの研究が行われている.最近の研究では,コンサルタント誘導型探索(CGS)と呼ばれる新しいメタヒューリスティクスが提案されている.本研究では,CGSを用いた巡回セールスマン問題(TSP)に対する並列アルゴリズムを提案する.アルゴリズムの並列化では,CGSにおける仮想人間をそれぞれの計算機の各プロ セッサコアに割り当てることで効率良く解の探索を行う.また,仮想人間の集団を複数のサブ集団に分割し,各サブ集団どうしで仮想人間の移住を行う島モデルをCGSに取り入れる.10台の計算機を用いた性能評価実験を行い,都市数が5,000のTSPLIBのベンチマーク問題例に対して5%未満の誤差率を達成することを示す.
著者
于 文龍 榎原 博之 松崎 頼人 ラガワン ベンカテッシュ
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-37, no.35, pp.1-6, 2013-03-07

日本は地震災害が多発する世界有数の地震国である.日本で震災が起こると多くの帰宅困難者が発生する.帰宅困難者の多くは移動端末を所持しているが,通信障害のため利用できない可能性が高い.本研究では,移動端末の GPS と無線 LAN 機能を用いて,リアルタイムで通行可能な道路地図を作成するシステムを提案する.本システムは地震災害時における帰宅困難者の支援に応用することを目指している.性能評価として,大阪府大阪市阿倍野区,神奈川県横浜市旭区の地図情報を基にシステムをモデル化してシミュレーション実験を行う.その結果から,神奈川県横浜市旭区の場合は移動端末数が 1000 台あれば,1 分以内に完成度ほぼ 100% の地図を作成することができる.
著者
白楽強 Peter 山川 榎原 博之 中野 秀男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.82, pp.89-96, 1994-09-21
被引用文献数
1

arrangement graphはstar graphを一般化したグラフであり、star graph同様の良い性質を持っている。さらに、次数、直径、ノード数の点でより柔軟性のある設計ができる。この論文はarrangement graphについて最適なone?to?all放送アルゴリズムを提案する。このアルゴリズムはグラフの階層的な構造を活用して再帰的に実行し、最適なステップ数O()ですべての(!)/((?)!)プロセッサにメッセージを放送することができる。A new interconnection network topology-the arrangement graph, as a generalization of the star graph topology, possesses excellent topology like the star graph and presents more flexibility than the star graph in terms of choosing the major design parameters: degree, diameter, and the number of nodes. In this paper, we propose an optimal distributed algorithm for one-to-all broadcasting on the arrangement graph in fault free mode. The algorithm, which exploits the rich inherent structure of the graph to constitute the structure of broadcasting binary tree and works recursively, broadcasts a message to all the (n!)/((n-k)!) processors in O(klgn) steps.
著者
岡田 博美 六浦 光一 榎原 博之 大月 一弘 棟安 実治 和田 友孝 堀井 康史
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、主に車両間/モバイル端末間情報通信に特化した未来型ネットワーク構築技術として、基地局や情報センタなどの情報通信インフラを用いず、数Km程度のエリア内で移動中の車両やモバイル端末間で、アドホックな通信ネットワークを瞬時に構築し、リアルタイム交通情報やホットな地域情報、事故・災害情報などを、不特定なユーザ間で必要に応じて自由に交換する、新たなネットワーク機能の実現である。これは移動中の未知で不特定なユーザ間で情報交換し各種の周辺情報を即時に獲得しようとするものであり、以下の解決すべき技術的課題が挙げられる。A)高速移動する車両問で瞬時にネットワーク構築。B)エリアが不特定で時々刻々変化するため、ポータルサイトやWebサイトを利用不可。C)問い合わせる相手が不明。URLやアドレス・車両番号が未知。D)文書や音楽・映像などタイトル・キーワード類で識別される情報とは異なり、必要とする発生事故情報や車両情報などを明確に定義不可。本研究者らは、この課題の解決を目的としてコンテンツ指向型通信という斬新な情報通信方式を提案し、方式動作アルゴリズムの考案・開発を行った。具体的には、1)周辺を走行する車両間で即時に位置情報を交換し、車両問の衝突回避を行う、2)車両一歩行者間で同様の情報交換を実現し歩行者交通事故を劇的に減少、3)近辺の道路トラピックを各走行車両がリアルタイムでモニタし、相互に告知、4)突発的な地震・火災やテロ・銃乱射などが発生した場合、現場近辺に居合わせた人々の行動を情報通信でモニタし、その発生や避難・救助などを即時に表示、を可能とするシステム開発を行った。アルゴリズム開発の多くはコンピュータ上でのシミュレーションで検証したが、車両間通信ならびに車両一歩行者間通信については複数の実車両を用いて実装化し、実証実験により動作確認とその有効性の検証を行った。
著者
鵜飼 康東 渡邊 真治 村田 忠彦 榎原 博之 千田 亮吉 竹村 敏彦 溜川 健一
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の目的はクラウドコンピューティングの経済的影響を動学的確率的一般均衡モデルによって計測することである。最初にモデルの各パラメータに実証的基礎を与える作業を実施した。具体的には東京証券取引所上場企業を対象に郵送調査を実施して上場企業のうち10%が純粋な意味のクラウドコンピューティングを実施している事実を発見した。この発見を基礎に日本経済の動学的シミュレーションを実行した。この結果日本経済の全要素生産性は10%上昇することが判明した。またインパルス反応関数により、国民総生産は一旦上昇した後減少するが、総投資、資本ストック、労働供給は増加することが判明した。社会的厚生については不明確であった。
著者
榎原 博之
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

近年、ディープラーニング(深層学習)が注目されており、様々な応用分野に利用されている。一方、組合せ最適化問題は応用範囲が広く、厳密解法だけでなく、近似解法、特にメタヒューリスティックスの研究が盛んである。本研究では、ユークリッド型組合せ最適化問題に対してディープラーニングを応用した近似解法を提案する。ランダムに生成した大量の問題例に対して最適解もしくは最良解を画像としてディープラーニングにより学習させ、出力として得られた画像データから評価値を算出する。学習により得られた評価値を従来の距離による評価値の代りにヒューリスティック解法に適用することにより、学習により得られた評価値の有効性を計算機実験により検証する。計算機実験の結果、提案手法は先行研究より優れた性能を示した。その成果は情報処理学会論文誌(Vol.60, No.2, pp.651-659, Feb. 2019)に掲載された。上記の手法は教師あり学習のため、大量の教師データが必要であり、大規模な問題例の教師データを大量に用意することは困難である。そこで、教師データを必要としない強化学習に注目して、報酬と学習方法を工夫し、計算機実験を行っている。この成果は、情報処理学会論文誌に投稿中である。さらに、学習方法を修正し、出力画像から各経路の評価値を算出するのでは無く、次に選ぶべき頂点座標を評価する手法を提案した。この手法は従来手法より解の局所的な点で優れていることを示した。この成果は、2019年11月にアメリカオレゴン州ポートランドで開催されたIEEE 31st International Conference on Tools with Artificial Intelligence (ICTAI)で発表している。
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 山上悠喜
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.2049-2060, 2012-08-15

研究室内での文献管理において重要となるのは「メンバ間で文献情報の共有を行えること」そして「容易に文献を検索して,論文に引用できること」である.現在,文献管理ツールが多数開発されているが上記の条件を十分満たすものはない.そこで,本研究では研究室内での利用に特化した文献管理システム「bole」を開発する.提案システムは,研究室内で文献情報の共有を行いやすくするため,ウェブアプリケーションによる実装を行い,文献情報を登録する際,同時に文献に関する研究分野やコメント,評価などの情報を追加登録する.また,筆者らの研究室では,論文執筆の際,参考文献の記述にBibTEXを利用するので,便利にBibTEXを利用するために,文献を論文に引用するときに必要な「引用キー」を1クリックでコピーできる機能などの実装を行う.提案システムの導入により,研究室内での文献情報の共有を簡単にすることができ,さらに論文執筆の効率化を進めるという提案システムの有用性を検証する.The important things about managing literatures in laboratories are "Sharing literatures between members" and "Easy to search literatures and to cite them in papers". Currently, many literature management tools have developed, but not enough to satisfy the above conditions. In this paper, we develop the literature management system "bole" that specializes in the use of laboratories. The proposed system is developed as the web application, and when literature information is registered in the system, research area, comment, evaluation, and so on about literatures are registered as additional information in order to facilitate sharing of literature information in laboratories. BibTEX is used in our laboratory to write a paper, therefore we develop functions convenient to use BibTEX, for example citation key can be copied with one click. We show the utility of the proposed system to share literature information easily in the laboratory, and efficiently to write the papers.
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 宮川 朋也
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-210, no.5, pp.1-6, 2013-01-04

研究活動において論文などの文献情報を管理することは重要な作業の 1 つであり,現在はコンピュータの普及に伴い PDF 形式等の電子データで文献情報を扱うことが一般的になっている.電子データの文献情報は,コンピュータを介して容易に他者とのやりとりができるなどの利点がある.他者との共有を支援するアプリケーションがあれば,より便利に共有を行うことができ,さらに研究活動の効率化を図ることができると考え,我々は研究室内での利用に特化した BibTEX ベースの文献管理システム bole[1] の開発を行なっている.本稿では bole の追加機能などについて説明する.さらに, 2 つの研究室に実際に bole を長期間利用していただき,利用者による評価を行い提案システムの有用性を検証する.
著者
角 浩二 田中 寿俊 榎原 博之 中野 秀男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.82, pp.57-64, 1994-09-21
被引用文献数
2

近年,コンピュータ技術の発展により,その用途は多様化している。その中の一つに、点と線であらわされる図形をグラフとしてモデル化し、描画させるという用途がある。一般のグラフの描画では、「見やすさ」の基準を考える必要があるが,各個人の主観による部分があり、簡単には「見やすさ」の評価をすることは出来ない。そこで本報告では、グラフの「見やすさ」に対する一般的な基準を考え、定量的に評価することを試みる。さらに、一般グラフを描画する、スプリングモデルに基づいた2つのアルゴリズムとそれらの改良版について、描画したグラフから各アルゴリズムを定量的に評価する。Recently, the applications of computer have increased because of the developing of computer technology. Graph drawing is in one such applications, where graphs are modeled as pictures represented by points and lines. General graph drawing problems involve aesthetics, that is difficult to evaluate because aesthetics depends on an individual view. In this paper, the general aethetics standards are represented quantitatively. Moreover, two general graph drawing algorithms based on spring model, and their revised algorithms are evaluated.
著者
榎原 博之 田中 裕也 石川 琢士
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-05-10

自然界には粘菌という単細胞生物が存在する.粘菌は森の土の中などに数多く存在しており,採餌行動の際には自分自身の体で栄養を運ぶネットワークを構築する.本研究では,粘菌の採餌行動のシミュレーションプログラムを元に,巡回セールスパーソン問題 (TSP) を解く粘菌アルゴリズムを提案する.まず,粘菌の作るネットワークをシミュレーションし,そこから巡回路を作成し,TSP に対応させる.最終的には 2-opt 法による局所探索法を用いて,解の改善を行う.ベンチマーク問題 (TSPLIB) を用いて計算機実験を行い,評価を行う.The slime mold is single-celled which exists in the natural world. It exists a lot in the soil of the forest etc. and in the foraging action it constructs the network in which nourishment is carried by own body. In this research, we propose a algorithm which solves the travelling salesperson problem (TSP) based on the simulation program of the foraging action of the slime mold. First,we simulate a network made by the slime mold, and make a TSP tour. Finally, in order to improve the solution, we use 2-opt which is the local search method. We experiment on the computer by using the benchmark problems(TSPLIB), and we evaluate the slime mold algorithm.
著者
岡田 博美 和田 友孝 六浦 光一 大月 一弘 榎原 博之 棟安 実治
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,情報通信機器の未搭載車両を考慮した上で、衝突回避支援システム(VCASS)搭載車両が走行中の周辺状況の認識とその情報広報を自動的に行うことにより,安全な道路交通を可能とする次世代型システムの開発を行った。研究結果をまとめると以下のようになる。1)非情報化車両の搭乗者のもつ携帯端末に、VCASS機能を代行するシステムを装備し、車両間衝突回避を実現するS-VCASSを開発し、その有効性を実験で確認した。2)歩行者の動きを追尾し、位置予測を行うことにより車両との事故回避支援を行うP-VCASSを新たに開発した。3)関連要素技術として、RFIDシステムを用いた迅速で高精度の測距・位置情報獲得方式として新たにCRR方式、S-CRR方式を開発した。